やっぱ断れば良かった!!!!!
背中部分にリボンがある、水色のドレスを渡された。女の子が着るようなドレスだ。何これ、私に女の子やれってこと?無理無理。
ルード議員に連れられた屋敷に入り、議員の友人である男に挨拶をする。
問題は、そこだった。
「紹介しよう。婚約者のアリスだ。」
マッテ、ワタシナニモキイテナイ。
当然のように、友人として紹介されると思っていた。なのに、あろうことか婚約者だなんて。そもそも、私はジェダイだから結婚できない。
これ、護衛の為の嘘だよね?
「ラストネームは?」
「レインです。はじめまして。」
しかも議員の友人とやら、どこかで見た顔だ。
「私はベック・ラワイズ。よろしく頼む、婚約者殿。」
婚約者じゃない、って言いたい。
議員の友人、ラタタッキの男が私の手の甲にキスをする。完全に婚約者だと思われてる。いつ訂正すればいいんだろう。
「ダンタム、ようやく結婚か!実にめでたい!」
「ああ、ありがとう。」
「そうだ!祝いの品を贈ろう!少し待っていてくれ!」
嬉しそうなラワイズは、トワイレックのメイドを伴ってどこかへ消えていった。
2人になった私は、議員を問い詰める。
「ルード議員!婚約者って聞いてませんよ!」
「それでいいんだ。」
「え……?」
「レイン将軍、私と結婚してくれ。」
議員の星の伝統、婚約アームレットを差し出される。
そもそも、立場が違う。議員は政界で、ジェダイの私は戦場。アナキンとパドメも同じだけど、あの2人は結ばれるべくして結ばれた。
けど、私達はそうじゃない。
「ジェダイは結婚できません。」
「分かっている。」
「だったら、」
「だが、貴女に惚れてしまったんだ。今回の護衛任務も、その為にレイン将軍を指名した。」
そういう魂胆だったのか!!!
任務内容に、マスター・ヨーダが訝しんだわけだ!!!
「議員、ジェダイは掟に忠誠を誓っています。破れません………」
「ヨーダ将軍に聞いている。だが、フォースの絆を断つ方法があるのだろう?」
もちろん知っている。
ただ、私はフォースの絆を断つ気はない。これから起こること、さらに言えば歴史から逃げる為に。
「待たせてすまない。30年物のワインだ。3人で乾杯しよう!」
「ありがとう、ベック。」
グラスにワインを注がれ、3人でワイングラスを乾杯する。
仕方なく2人に合わせて飲もうと、グラスに口を付ける。確かに美味しいワインだけど、こんなことをしてる場合じゃない。
未だにベック・ラワイズが誰なのか、全く思い出せない。
「どうしたんだ、レディー・レイン?」
「失礼ですが、ルード議員とはどういうご関係で?」
「ダンタム、話していないのか?」
「話していない?何の話ですか?」
「………ベックは分離主義評議会の議員だ。」
思い出した、分離主義評議会の一人だ。
なぜルード議員が、ラワイズと友人関係にあるんだ。
「ルード議員、ご友人との会食じゃなかったんですか?」
「ベックは友だ。嘘は言っていない。」
そうだとしても、行動が滅茶苦茶だ。
元老院にも、ジェダイ・オーダーにも本当のことを言わなかった。
「ベック様……」
「どうした?」
トワイレックのメイドが何かを耳打ちすると、ラワイズは席を立つ。
「少し失礼する。私の管轄でトラブルらしい。ゆっくりしていてくれ。」
ラワイズはそう言って、メイドと共に宴席から離れる。
ルード議員は、婚約の話を続けた。
「取り消すつもりはない。」
「私の意見は無視ですか?」
「レイン将軍、貴女は普通のジェダイと違う。私の気持ちを理解できるだろう?」
いくら愛情を理解していても、私に誰かを愛する権利はない。もし別の人生なら、少しは違ったかもしれない。フォース感応力を持ったのが、私の運の尽きだ。
嫌なことから逃げても、現実は変わらない。
「私と貴方は生きる世界が違います。貴方には私と違って、もっと選択肢がある。自分で道を狭めないでください。」
ただ逃げてはダメだ。
ルード議員を傷付ける前に、離れてもらわないといけない。
「アリス・レイン、真摯に向き合ってくれて感謝する。だが、諦められないんだ。」
「おや、お邪魔だったかな?」
戻ってきたラワイズが、言い合う私達を見て笑う。
「こんなに必死なダンタムは初めてだ。」
「ベック、いつから聞いていた?」
「レディー・レインが、生きる世界がどうのこうのってところからだ。生きる世界が違うとは、どういう意味だ?」
「それは、」
「そのままの意味です。彼は、元老院議員ですから。」
まさか、聞かれていたとは思わなかった。
ルード議員は元老院の議員で、私には縁がない、そう言った。
「そういう君は、どのような立場にいるんだ?」
議員は目で言わないように訴える。
何せ、私はジェダイだ。分離派のラワイズからすれば、敵でしかない。
だけど、口を閉じるつもりはない。
「私はジェダイです。」
「ジェダイ!?」
ラワイズはルード議員を睨む。
「ダンタム!どういうことだ!?」
「私は本気だ。レイン将軍と結婚する。」
「ふっ…ははは!」
「ベック、何がおかしい?」
「ジェダイを妻に?おかしいに決まっている!ジェダイのことを何も知らないんだな!」
ブラスターを取り出し、ラワイズは私を撃とうとする。
ジェダイの私が大人しく撃たれるわけがないのに、彼は引き金を引く。
リボンの中に隠したライトセーバーを起動して、レーザー弾を偏向させる。隙を突いて、ブラスターをテレキネシスで引ったくり、ライトセーバーで破壊する。
「ベック!!!」
「お前もアミダラやオーガナと同じか。話し合いで解決すると、本当に思っているのか?」
ラワイズの言うことも確かだけど、奴は自分のことしか考えていない。
そんな男の魂胆に乗る気はないよ?
「ラワイズ議員、お忘れかもしれないけど、ルード議員は人々の為に動く。自分の気持ちだけで、ジェダイの私を妻にしようとするとは思えない。」
「それはお前がジェダイだから言えることだ。ダンタムはそんな奴じゃない。お前との結婚は本気だろうな。」
「何度も言っているだろう。私は本気だ。」
その時、背中に寒気が走る。
この冷たく心地の良いフォースは………
「アリス・レイン、敵の寝床に自ら飛び込むとは、実に愚かな女だ。」
「久しぶりだね、ドゥークー伯爵。」
ラスボスが現れた。
あ、ラスボスじゃないか。ゲームで例えたら、ラスボスに辿り着く前の中ボスの手強い奴。結構攻略が難しい。
誰か攻略本ください。