ドゥークー伯爵と一緒に、バトル・ドロイドも現れた。
つまり、政治問題で収まらないってこと?
「レインを拘束しろ。」
「ラジャラジャ!」
「待て!レイン将軍は、」
「この女は妻にはなれんぞ、ルード議員。」
手錠をかけようと、ドロイドが私に近付く。しかし、なぜかルード議員はノーマークだった。反抗できないと思われているらしい。
「ラワイズ議員」
「なんだ?」
「後悔しますよ。」
「何をだ?」
「貴方は何も分かってない。私が結婚を拒む理由も、逃げる理由も。」
ここで反撃すると、ルード議員にも危害が及ぶ。大人しくするのが得策だ。ライトセーバーを持っていかれたのは痛い。
手錠をかけられ、ドロイドに小突かれる。
広間から連れて行かれて、屋敷の牢に放り込まれた。牢に錠がかけられると、ドゥークー伯爵が姿を見せる。
「レイン、お前に是非話したいという方がいる。」
「へぇ、誰が話したいって?」
「私のマスターだ。」
おっと、ここであいつが登場するのか。
ドゥークー伯爵がプロジェクターを、鉄格子の間から放り込む。止まったプロジェクターから、マントを深く被った暗黒卿が映し出され、不気味な笑い声が発せられた。
ホログラム越しだけど、ついにご対面だ。
『アリス・レイン、噂は予々聞いている。』
「それはどうも。」
『そのドレスは我が弟子か?』
「「違う。」」
んなわけねーだろ!!
しかもドゥークーとハモりやがった!!
あんたの弟子は私を嫌ってるんですよー!何をどうしたらそう思うの!?ドゥークーが着せたんなら、これ嫌がらせだぞ!!
「あんたのことは何て呼ぶべき?」
『我が名はダース・シディアス。シスの暗黒卿だ。』
エピソード3前に、シディアス卿と対話するとは思わなかった。
「それで、シス・マスターが何を話そうって?」
『難しい話ではない。私の予想を其方に聞いてもらいたい。』
「予想?」
『左様。其方の行動には、いつも驚かされる。ジェダイは暗黒面の力で、予期できんはずだ。だが其方は予期するのではなく、何が起こるのか分かっているかのように避けた。何を知っている?』
本編を観ていた時も思ったけど、ダース・シディアスは怖い。なんでこんなに深く覗けるのか分からない。黙ってフォースの研究でもやっててよ。
「何も知らないって言っても信じないでしょ?」
『では、信じてもらえるとでも?』
「シディアス卿、あんたの手の平で踊る気はないよ。」
『強がるのは構わんが、其方は捕虜。どの道私の手の平の中だ。』
そんなこと言わなくても分かるよ!
後者は否定するけどね。私を小突くのは、ダース・シディアスじゃない。足蹴にしてくるのは、フォースの意志だ。
「あのさ、用件は何なの?」
『其方には暗黒面の素質がある。我々と手を結ぶ気はないか?』
あのー、シディアス卿?あんたの弟子がすごく嫌そうな顔してるよ?あんたが良くても、その内ドゥークー伯爵に寝首掻かれそうな気がするんだけど?
「お宅には優秀な配下がたくさんいるじゃん。」
『手駒は多い方が良いと言うだろう。』
「私は捨て駒の方でしょ?」
『それはどうかな?少し時間をやろう。ゆっくり考えるがいい。』
そう言って、ダース・シディアスのホログラムは消えた。
あれ?ていうことは放置?
「そういうことだ、レイン。私としては非常に不愉快だが、どちらに付くか、よく考えることだな。」
「不愉快って、微妙に強調した?」
「気のせいだ。」
どう聞いても気のせいじゃないよね?不愉快と言うところで、またクソ嫌そうな顔したぞ。隠す気もないくせに!!
「見張りならドロイドがいるじゃん。視界から消えてよ。」
「私の台詞だ。まぁいい、お望み通り消えてやろう。」
また!嫌そうな!顔!しやがった!
もう3度目だよ。なんで嫌われてるんだっけ?何かしたっけ?
ドゥークー伯爵が去った後、大人しくするのが面倒になって、見張りのB1バトル・ドロイドに話しかける。
「ねぇ、暇。」
「ウルサイ。黙ッテイロ。」
「ところでさ、私が逃げ出したらあんたはどうなるの?シャットダウン?スクラップ?」
「ソレハモチロンシャットダウンダ。ソノ後ハ新シイプログラムヲ入レラレル。ハッ……マサカ!」
「あー、無理無理。ライトセーバーないもん。安心して。」
オビ=ワンがいなくて良かった。ドレス姿だし、丸腰だし、逃げるのが面倒だし。絶対に説教される。
あの人に説教されるのは懲り懲りだ。
「交代ダ!」
「ラジャラジャ!」
B1バトル・ドロイドが交代して、バイナリーで引き継ぎしているのが聴こえた。
実は、R7と話す為に勉強をした。勉強が嫌いなこの私が!楽しむ為に勉強をしたんですよ!褒めて!
「オイ、何ヲ見テイル?」
「何も見てないって。」
B1バトル・ドロイドって見た目可愛いのに、ドジ踏みやすいよね。
タイミングを待つのはやめて、手錠された両手を錠に翳す。
「何ヲシテイル!?」
「えー?知りたいのー?知らない方がいいよ〜」
手錠をされたまま、外の鍵をフォースで抉じ開ける。難なく開き、見張りのB1バトル・ドロイド2体を片付けた。ドレスの裾を持ち上げて、ドロイドの合間を縫う。
「ほら、知らない方がいいって。」
階段を上ると、突然辺りに爆発音が響く。
腕で顔を覆って爆風から身を守ると、煙の中からクローン・トルーパーが飛び込んできた。驚く私に、軍曹が敬礼してくる。
「レイン将軍!」
「え、誰?」
「失礼しました!自分はCC-8989、通称ヘクター、軍曹です!」
軍曹によれば、屋敷はすでに制圧していて、後は私を救出するだけだったらしい。
何これ、優秀すぎる。
「どうぞ、ライトセーバーです。」
「ありがとう。じゃあ、行こうか。」
クローン・トルーパーを引き連れ、ラワイズ議員を逮捕する為に広間へと向かう。しかし、そこにラワイズ議員はおらず、私は溜め息を吐く。
「レイン将軍!!」
反対側の廊下から、ルード議員が走ってくる。グランド・アーミーを呼んだのは、議員だと言う。
あれ?ルード議員の隣にいるのって………
「なんて格好をしているんだ!」
「私の好みじゃないよ、オビ=ワン。」
「そういうことを言ってるんじゃない!」
なんでオビ=ワンがいるんだ。
「自力で脱出したのか?」
「まぁね。え、何?私の救出するだけ?」
「そんなわけないだろう。お前も頭数に入れてある。そのまま戦うつもりか?」
「まさか!」
その場でドレスを脱ぎ、コム・リンク付きの手甲を装備する。ルード議員の護衛はクローン・トルーパーに任せ、私とオビ=ワンはガンシップでドロイド軍の司令部へと向かった。
そこにドゥークー伯爵はいないだろうけど、ラワイズ議員はいるはず。
ジェダイの私とオビ=ワンには逮捕するのみで手出しできないけど、そこはルード議員の役目だ。友であり、議員であり、政敵でもある。議員だという事実が、こうして裏目に出たわけだけど。
「どういう経緯でドレスを着たんだ?」
「ルード議員の下心だよ。」
「分かりやすく言え。」
「私と結婚したいんだってさ。」
オビ=ワンは複雑な表情をする。当然といえば当然。例外でもない限り、ジェダイは結婚できない。
「断ったのか?」
「そりゃそーでしょ。ジェダイだもん。」
「お前のことだ。それだけじゃないだろう?」
「あ、バレてる?」
「分からないはずないだろう。それで?本当の理由はなんだ?」
「………タイプじゃない。」
ガンシップに乗るトルーパーやオビ=ワンが、何とも言えない顔をした。
たぶん、みんな思ってることは同じだよね。
「アリス、議員に失礼だぞ。」
「そうは言ってもさ!求婚するにしても、順番おかしいでしょ!前提もなく、だよ!それならまだオビ=ワンの方が謙虚でいいよ!」
返事が返ってこないオビ=ワンを見れば、なぜか恥ずかしそうだった。
「オビ=ワン!なんで照れてんの!?」
「いや、お前もなかなか言うんだな。」
「はぁ!?ちょっとー!衛生兵!」
オビ=ワンも男だな。
いや、待て。そんな場合じゃない。これから、ラワイズ議員と対面しなきゃいけない。
ジェダイとして、ラワイズ議員にお灸を据えなきゃ。