【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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逃げるのは生き物の本能

ガンシップが降りたのは、屋敷からかなり離れた格納庫だった。

 

そこに、ラワイズ議員が逃げ込んだらしい。

 

当然ドロイド軍が待ち伏せていて、ガンシップは6機あったのに2機落とされてしまった。残った4機で、格納庫の近くに着陸して、オビ=ワンと1中隊ずつ率いて突入する。

 

飛んでくるレーザー弾をライトセーバーで防ぎながらコンテナに隠れて、反対側のオビ=ワンに合図する。

 

合図が返ってきて、ヘクターに指示し、トルーパー達にドロイドホッパーを投げさせる。私とオビ=ワンが、フォースで落ちる角度を操作し、ドロイド軍に万遍なく行き渡るように落とす。起動したグレネードの電流で、バトル・ドロイド達はショートして機能を停止した。

 

ライトセーバーを握り、オビ=ワンと共に先陣を切る。

 

 

「アリス!戦術ドロイドだ!」

「OK!私が行く!」

 

 

勢いよく地を蹴り、高く跳ぶ。ドロイド軍を飛び越え、戦術ドロイドの前に着地した。そして、両隣のB2バトルドロイドを、フォースで壁にぶつけて倒す。

 

 

「ソウテイガイ!ソウテイガイ!」

「ジェダイの動きを戦術で読もうなんて、無駄だよ。」

 

 

ライトセーバーを横に振るい、頭を落として戦術ドロイドを壊した。

 

 

『アリス、聴こえるか?ラワイズ議員は確保した。』

「了解。」

 

 

ガンシップへ戻ろうとすると、戦術ドロイドの手がチカチカと光るのが見えた。思い過ごしかと思ったけど、ホログラムが投影されたことで違うと気付く。映ったのは、ドゥークー伯爵だった。

 

 

『アリス・レイン、やはり逃げたか。臆病な女だ。』

「ドゥークー伯爵、ホログラムで喋んないで、直接来なよ。」

 

 

臆病はどっちだと問えば反感を買ったようで、ドゥークー伯爵は私を睨む。

 

 

「睨んでくるけど、私は喧嘩を買っただけだからね。」

『だが、最初に逃げたのはお前だ。』

「今までもそうだったよ。逃げて何が悪いの?」

『ジェダイならば、背を向けることはしない。お前はジェダイではない。』

「まぁ、間違ってはいないね。だからマスターの称号をもらえないんだし。」

 

 

でも私は、逃げるイコール生き残るだと思っている。死ぬと分かってるのに、そのフラグを自ら立てる気はない。満面の笑顔でへし折ってやる。

 

 

『セレノーで殺しておくべきだった。』

「初対面で処分?随分と大胆な人だね。」

『私から一つ忠告してやろう。逃げてばかりでは、何も解決せんぞ。己の身は守れてもな。』

「ご忠告結構。私は元より、解決する気なんかないから。」

『戦いのことだけではない。ルード議員や、我が主のこともだ。その難が再び降りかかった時、私の言葉を思い出すだろう。』

 

 

腹が立って、戦術ドロイドの頭をライトセーバーで壊す。

 

これ以上ドゥークー伯爵の言葉を聞きたくない。あいつは暗黒卿で、敵だ。憎いという感情こそないけど、ここでついに嫌いだと思った。

 

 

『アリス!何かあったのか!?』

 

 

オビ=ワンからの通信に、我に返る。

 

 

「大丈夫、寄り道しただけ。すぐ向かう。」

 

 

さっきの会話のことは言わなかった。

 

オビ=ワンに話せば、ドゥークー伯爵の策略に乗せられることになる。私やジェダイ評議会を嫌うあいつは、疑いを持たせようとしている。絶対に乗ってやらない。

 

 

「戦術ドロイドに手間取ったのか?」

「はいはいすいませんでしたー。」

 

 

オビ=ワンやトルーパーと合流し、ガンシップに乗り込む。

 

ガンシップにはルード議員もいて、埃だらけの私に残念そうな顔をする。

 

 

「ドレスを脱いでしまったのか……」

「議員、何度も言うように、私はジェダイです。」

 

 

自分に言い聞かせるように、議員にそう言う。

 

ドゥークー伯爵にジェダイじゃないと言われたが、私はジェダイだ。少なくとも、ダーク・サイダーじゃないのは確かだ。今も呼ばれ続けているけど、暗黒面やシスに応えたりしない。

 

 

「例外はあるだろう!」

「その例外になるつもりはありません。」

「ここまで言ってもダメなのか?」

「申し訳ありません。」

「少しいいか、アリス?」

「何?」

 

 

私とルード議員の間に、オビ=ワンが割って入る。

 

 

「ルード議員の気持ちを、考えたことはあるか?」

「何を思ったかなんて、考えなくても分かる。」

 

 

前世の概念を知ってるから、恋愛論は分かる。嘘か本当かも、自分で判断できる。自分の感情だって、よく理解している。

 

 

「分かっていて、ジェダイだということを理由にするのか?」

「それが事実でしょ。」

「だが、お前の事実は?一人で納得するな。ルード議員と二人で答えを出せ。」

 

 

クルーザーに着艦したのをいいことに、オビ=ワンをガンシップから叩き出す。そして、彼の胸倉を掴んで睨み上げる。

 

ドゥークー伯爵のことがあって、余計にイライラする。

 

 

「何も知らないくせに。私の感情に口を出さないで。」

「お前の感情?その怒りのことか?」

 

 

オビ=ワンは、至極冷静に返してくる。

 

 

「頭を冷やせ。ドゥークー伯爵に何を吹き込まれた?」

「あいつのせいじゃない。」

 

 

手を離して、オビ=ワンに背を向ける。次にルード議員に向き直り、再度謝罪した。求婚を断ったことと、感情的な姿を見せてしまったことを。

 

 

「議員、申し訳ありません。」

「いいんだ……逃げたくなったら、いつでも頼ってくれ。喜んで迎えよう。」

「それをオビ=ワンの前で言います?」

「そうだな。しかし、選択するのはアリスだ。私は何も言わない。」

「選択を間違えるなってことね。分かったよ。では議員、またいずれ。」

 

 

お辞儀をして、ハンガーを後にする。

 

とにかく、頭を冷やしたい。整理すべきことが多い。私が悩むなんて、キャラじゃないのに。

 

フォースの意志は、何をさせたいんだろう?

 

 

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