シスのお誘い編、これで終わりか?と思ったでしょ?私も思ってたよ。
ついさっきまではな!
「よくも堂々と連絡できたな、ベイン。」
そう、あのキャド・ベインが連絡してきたんです。直したコム・リンクに、何か受信したと思ったら、ベインからの通信だったんだ。
私を拘束しておいて、シディアスに差し出そうとしておいて、今さら何の用だ!!!
『報酬は既に払われている。今回は別件だ。』
「別件?」
ホログラムのベインを睨みながら、ジェダイ聖堂を抜け出す。マスター達の誰かに見られたら、また面倒臭いことになる。
聖堂から出た後、ベインに用件を言うように促す。
『シディアスからのメッセージだ。欲張ることはできない。選択はどちらか一つ、だそうだ。』
「はぁ?」
『俺は伝えたからな。』
つまり、逃げずに敵になるか従うか。その2択しかないということか。
どちらも拒むのは不可ってわけだ。
「ごめんね〜、私欲深いから〜」
にっこり笑顔を見せて、通信を遮断する。
誰が従うもんか!!
これは、帝国ができたらのんびりできないな。尋問官が差し向けられるのは確実。あんなヤバイ連中、相手にしたくない。
「アリス」
「は〜い!」
誤魔化すように返事すれば、私を呼んだのはマスター・プロだった。
「オルデランへ向かえ。」
「オルデランですか?」
「そうだ。グリーヴァス将軍が、オルデランに向かっているという情報を得た。心してかかれ。」
「了解です!」
様子がおかしかったのか、マスターは立ち去らずに私を見据える。
「どうされました?」
「何があった?」
「何もありませんよ。では、行ってきまーす。」
何か聞かれる前に、マスターから逃げる。
戦場にいれば、シディアスもわざわざ来たりしないでしょ!というか、私より才能あるジェダイはもっといるのに。なんで私なんだよ。
放っといてくれ!!
「レイン将軍、乗らないのですか?」
「乗る!待って今行く!」
私が乗り込むと、ガンシップはジェダイ聖堂のプラットフォームを離れていく。
クルーザーに着艦してガンシップを降りると、最も苦手なジェダイが待っていた。軍曹に自分の旗艦で合っているか聞くが、間違っていない。おかしいなぁ?
「随分素っ気ねぇな。」
「そりゃそーでしょ。何しに来たの、ヴォス?」
クインラン・ヴォス、キファーのジェダイだ。
私は出会った頃から、ヴォスと相性が悪い。こっちは真面目にやってるのに、それをぶち壊すし、ルールを守ってくれないし。掟がなかったらブチギレ案件です。
ハンガーを出て、ヴォスの声を背にブリッジへ向かう。
「キャド・ベインと一悶着あったって聞いてな。」
「ベインに興味あるわけ?」
「ああ。奴に借りがあるんだ。」
ヴォスはそう言いながら、私の肩に手を置こうとする。彼の能力は知っているから、思わずその手を叩き払った。見られたくないものがたくさんある。
「やめて。」
「何も払う必要ねぇだろ。」
「じゃあ、何を企んでるの?」
ただ来たはずがない。
ブリッジに入りながら、ヴォスに問う。辺りは重い空気になった。ブリッジにいるクルーは、不安げな視線を私達に向ける。
当のヴォスは、私の苛立ちを意に介さない。
「企んでる?何のことだ?」
「評議会に言われて来たんでしょ?」
そうじゃなきゃ、クローン嫌いのヴォスは来ない。
「お前は隠す気もねぇのか?」
「ない。」
断言する。
ヴォスのことは嫌いだから、隠すつもりはない。
「そうかよ。」
「今からオルデランなんだけど、付いてくるの?」
「評議会の指示だからな。」
「へぇ。提督、オルデランに向かって。」
「了解しました。全艦、ハイパースペースへ!」
私の旗艦を入れたクルーザー5隻が、一斉にハイパースペースへと入る。ヴォスに絶対来るなと釘を刺し、私は個室に引き篭った。
後は、着くまで瞑想だ。
そういえば最近、瞑想するとシディアスの意識が割り込んでくるようになった。もちろん、奴はお呼びじゃないから即ブロック。
元老院のオフィスビルに、遥々殴り込みに行っていいかなぁ?
「うぜぇ。」
そう吐けば、シディアスの意識は離れていく。前々からうざいと思っていたけど、廃工場で会ってから遠慮がなくなった。
親しき仲にも礼儀あり、って知らないのか?
あ、別に親しくねーや。シスと仲良しとか勘弁してくれ。
「あ」
左腕のコム・リンクが、通信を受けて点滅する。応答すると、提督だった。
『将軍、もうすぐハイパースペースを出ます。ブリッジへお戻りを。』
「了解。」
急いでブリッジへ戻り、各艦に指示を出す。
ハイパースペースを出た後、同じタイミングでグリーヴァスの艦隊も現れた。どうやら間に合ったらしい。
敵艦隊から攻撃を受け、こちらも攻撃命令を出して対抗する。
「どうするんだ?」
「………」
連合軍のヴァルチャー・ドロイドが向かってきて、共和国軍もスターファイターを出撃させた。
「ねぇ、ヴォス」
「なんだ?」
「グリーヴァスの指揮って、こんなに強引なの?」
「ああ、そうだ。」
あー、まずい。
ヴァルチャー・ドロイドが何かミサイル撃ってきた。どこかで見たぞ、あれ。撃ち落とさないとダメな気がする。
「全艦、シールド全開にして、あのミサイル撃ち落として。」
ミサイルを狙い撃ち落としたが、半分しか落ちなかった。残りのミサイルは旗艦に着弾して、ミサイルの中からバズ・ドロイドが出てくるのをセンサーが感知する。
思い出した、あれはディスコード・ミサイルだ!
「入り込んできたぞ。」
「分かってるよ!」
ヴォスに指摘され、怒鳴り返す。
「バズ・ドロイドを潰してくる!」
「いや、お前が残れ。俺が行く。」
「なんで!?」
「この船はお前の旗艦だ。だから俺が動く。」
止める間もなく、ヴォスはあっという間にブリッジを出ていく。
つまり、私はインターセプターに乗れないと?いやいや、そんなお楽しみなかなかないのに。
私にも暴れさせてください。
シディアスとベインのせいで、ストレス溜まってます。