3人でヌビアン・ヨットに乗り込み、操縦席にはアナキンが座る。元老院ビルを出る時にトルーパーが何か言ってたけど、無視でいいよね。
私?私は操縦が嫌いだから補助席だよ?
コルサントの軌道まで出た後、ナブーの座標を入力してハイパースペースへと入る。
「アリス、操縦する気ないだろ。」
「あはは、バレた?」
「今回はいい。僕が無理を言ったのもあるからな。」
「アナキンってさ、」
「なんだ?」
「操縦なら何でもいけそうだよね。例えば………」
私が元いた世界の乗り物、例えば、ヘリコプターとか。他にも、オートバイに乗っても問題なさそう。どうして何でも操縦ができるのか、是非教えてもらいたい。
「例えばなんだ?」
「何でもない。」
アナキンはヘリコプターなんて知らないし、教えたら笑いそう。
「アリス、操縦が嫌いなの?」
「嫌いだね。武装化されたシャトルに乗るなら、私は速攻で銃座に行く。」
「けど、貴女達ジェダイはスターファイターに乗るわよね?」
「あー、乗るには乗るけど、私は好きじゃない。」
説明しづらいんだけど、操縦しながら敵機を撃ち落とすって面倒臭いの。こんなことをマスターの前で言ったら、長〜い説教される。
できなくはないけど、面倒臭い。
普通のジェダイにはない概念だからね?
「マスター・プロの弟子とは、とても思えないな。」
「アナキン、マスターの操縦の腕は桁違いだからね。」
マスターは優秀なパイロットとして知られている。
だからと言って!弟子の私まで優秀な操縦ができるわけないからね!比べてはいけません!
「そろそろハイパースペースを出るわ。」
「よっし!アナキンよろしく!」
「貴女って人は……」
ハイパースペースを出た後、ナブーの大気圏を抜け湖水地方、アナキンがパダワンの時にパドメと隠遁していた場所へ、シャトルを着陸させる。シャクの群れが着陸したシャトルを避け、散っていく。
テントをシャトルから運び出して、私とアナキンがフォースを使って組み立てていく。
「フォースってこういう時便利だよね。」
「オビ=ワンが聞いたら卒倒しそうだ。」
「だいじょーぶ!そんな失敗しないから!」
「親指立てて言うことじゃないと思うが?」
だって正直、テレキネシスって戦い以外で使い道なくない?使えるところで使っても、全く問題ないでしょ。寧ろ使わない手はないよね。
組み立てが終わってパドメを呼び、私は本当に寺院へ行く旨を伝える。
「んじゃ、2人でごゆっくり〜」
寺院へ行こうとすると、アナキンに肩を掴まれて引き止められる。どこか不安げな表情をしていた。
パドメから離され、小声で話をする。
「寺院に行く必要はないんじゃないか?」
「行く必要はないけど、修行するには丁度いいでしょう?どうしたの?」
「何か起きそうな予感がするんだ。」
今の表情はそのせいか。
私は寺院でただ時間を潰すだけ。何か起きるはずない。連合軍もいないんだから。
「何もないって。」
「アリス、」
「パドメ!また後でね!」
アナキンの心配も、思い過ごしだろう。
草原を抜けて、フォースの強い方へと歩く。小一時間歩いて沢を通った先に、滝を見つけた。たぶん、滝の水流の向こう側が寺院の入口だ。
実は、ナブーの寺院の所在は知らなかったんです。
「随分古い寺院だな……」
滝口から落ちる水流を、マントのフードを被って通る。
抜けた先は、思った通りジェダイ寺院だった。入口の地面には、ジェダイ・オーダーのシンボルマークが描かれている。ただ、シンボルがあるのに行き止まりだ。
これ、フォースを使えってこと?
「濃い暇潰しになりそう。」
フォースに集中し手を翳して、目の前の石扉を持ち上げる。集中が切れる前に通り、手を降ろすと石扉は閉まった。真っ暗な通路に、私はライトセーバーを起動してライト代わりにする。
中を歩き続けると、広い空間に出た。その部屋の地面にもジェダイ・オーダーのシンボルが描かれていて、ここがジェダイ寺院だと再認識する。
「あれ?」
広い部屋から右手の通路に入るけど、広い部屋に戻ってきてしまう。岩の中のフォースを読み取っても、寺院の力が効いて広い部屋から出られないようになっていた。
まだ禁忌は犯してないんだけどなぁ。
「ん?」
今度はループから出られないように、周囲の石扉が全て閉まってしまった。
やべぇ、マジで閉じ込められた。
「ダレカタスケテー」
石扉を叩くけど、当然誰も来ない。
もし来るとしたら、歴代ジェダイの亡霊だ。………いやいや、そんなことはないでしょ。たかがジェダイ・ナイトの為に、現れたりしないはず。
「待っていたわ。」
石扉が開き、元の世界でも見たことがある女性が通路の奥から現れる。
これ、来ちゃいけなかったやつだ。
「なかったことにはできないわよ、アリス・レイン。」
名前バレしてる!!
なんでこういう時に寺院の力が働くんだろう。
「歴史の授業はちゃんと受けたようね。」
「も、もちろんです、マスター・シャン。」
サティール・シャンは、確か3000年くらい前のグランド・マスターだ。しかもその時代って、今と比べ物にならないくらい、強いジェダイが多かった時代だ。
そんな人が現れるなんて、ついに歴史が狂ったか?
「そう、それは良かった。では、始めましょう。」
「え、何を……?」
マスター・シャンはダブルブレードのライトセーバーを起動する。動揺する私に真っ直ぐ向かってきて、振り下ろされたセーバーを青い刃で咄嗟に受け止める。容赦ない一撃に、思わず気圧されてしまった。
これが最年少で、グランド・マスターになった人だ。
サティール・シャンによる、強制指導が始まった。