最期の記憶は、階段から落下する景色だった。
何言ってんだこいつ?と思うが、他に言い様がないから仕方ない。まさか別世界に転生するなんて、誰も予想できないだろう。何より、私自身が信じられないのだから。
そう、私は転生して新たな人生を迎えた。
元いた世界とは違って星々間の移動ができ、遥かに技術が進んだ世界だった。ドロイドが存在し、生活の一部となっていた。ドロイドもいて、私は楽しい楽しい日々を過ごしていた。
自分が“ジェダイ”だという事実を除けば、だ。
はっきり言うと、私はオタクだった。だから、ジェダイ・オーダーがどうなるか知っている。その中に私がいるなんて、落胆しかなかった。
いっそのこと、暗黒面に転向しようかな。
「アリス、聞いていたか?」
「すみません。」
この世界での名前は、アリス・レイン。
物心がついた時には、既にジェダイ聖堂にいた。ジェダイになることは確定しているらしい。悠々自適ライフを送るはずだったのに。
リゾートで傍観する予定が崩れ去った。
そしてこれから、クランのメンバーと一緒にギャザリングへ行かされるという。
「ライトセーバーの核、カイバークリスタルを得るんだ。君は何が不安なんだ?」
「何も心配してません。」
私達クランを先導するのは、“あの”パダワン・オビ=ワン・ケノービ。よくよく見れば、若い頃の方がイケメンだと思う。サティーン・クライズに好かれるわけだ。
クルーシブルはイラムに到着し、私達はコートを着る。
「アリス早く!」
「待って!」
クランの仲間を追いハッチを駆け下りて、大きな氷の壁の前に立つ。
確かアニメで観た時は、この氷を崩してた。時間は有限。あの時観たエピソードでも、氷は再構築されていた。
正直、自信がない。
「オビ=ワン、もしクリスタルが見つけられなかったら?どうなるんですか?」
「必ず見つかる。大丈夫だ。アリスなら才能がある。」
オビ=ワンが氷を崩して、私達は洞窟に入る。
洞窟の中はフォースが一杯だ。ジェダイの聖地と言われるだけある。だけど、問題はクリスタルを見つけられるか、だ。
「ねぇアリス、何を心配してるの?」
「やっぱ分かる?」
「分かるよ。だって、ずっと笑ってない。」
何もないと答えて、私はクランの仲間と逸れる。
思いの外、すぐに自分のクリスタルは見つけられた。実際に見ると、水晶の欠片のようなクリスタルのようだ。これで、ライトセーバーを作ることができる。でも、喜ぶみんなに対して、私は嬉しくなかった。
クリスタルなんか、アクセサリーにしてしまいたい。
その後、イニシエイトを卒業した私は、ジェダイ・マスター、プロ・クーンのパダワンとして充てられた。
これが、私の長い現実逃避の始まりだった。