ナブーから元老院ビルのプラットフォームに戻ると、オビ=ワンが大層お怒りだった。ヌビアン・ヨットを見る目がコワイ。オビ=ワンの隣には、マスター・ヨーダもいる。
思わずアナキンと顔を見合わせる。
予定通り、私一人が叱られなくては。
「降りようか。」
「……ああ。」
「アリス、本当に大丈夫なの?」
「私は平気。よし、行こう。」
私を先頭にヨットのハッチを降りて、オビ=ワンの下へ行く。
「どういうことか、説明できるんだろうな?」
「モチロン!」
即答。
私の答えに、オビ=ワンは溜め息を吐く。正直に話すって言ってんのに、何を呆れるんだ。どんだけ素行の信用がないんだよ。
「アミダラ議員が長らく故郷へ戻ってなかったから、私が強引に連れ出したの。アナキンは、道連れ?」
「アナキンの表情を見ると、本当のようだ。だが、本題はそっちじゃない。」
「と、言うと?」
「スカイウォーカー、アミダラ議員をお送りするのじゃ。」
「はい、マスター。」
「マスター・ヨーダ、アリスの心遣いを責めないでください。」
「分かっておる。」
便乗して行こうとすれば、オビ=ワンに肩を掴まれる。
「お前は残れ。」
「ハイ。」
元老院ビルから連れ出され、私達はエアバスに乗り込む。
本題とはナブーの件ではなく、ナブーの寺院についてのようだ。勝手にコルサントから離れて、やりたい放題したことがバレてる。
「アリス、また独断で行動したな。」
「元老院や評議会の認知があったら、アミダラ議員も気が休まらないと思うけど?」
「そうではない。スカイウォーカーがいたからいいものの、アミダラ議員から離れるのは賢明ではなかったのじゃ。」
要するに、評議会の承認を得ろって話だ。
そもそも、この私が承認を得てから行動するとでも?
と、オビ=ワンに聞けば、そうだったなと言われた。分かってて聞くなんて、よく把握してるな。
「ナブーの寺院で何をしていた?」
「フォースの強い寺院なら何か変わるかと思って、軽々しく踏み込んだの。そしたら、寺院の力が働いちゃって。」
2人は寺院の力が働いたことに驚き、黙り込んでしまう。
「あと、ツタミニスを習得しました。話せるのはこれくらいです。」
「ツタミニス……フォースのぶつかり合いはそれか。」
「その通りです。」
「感じたのは我々だけではない。ドゥークー伯爵も気付いておるじゃろう。充分に用心せよ。」
「はい、マスター。」
出る芽は潰される。私のフォースは強くなり続けていて、ドゥークーも警戒してくるだろう。当然、シディアスも知ることになる。
「アリス、お前に適任の任務がある。」
「適任ってことは、さてはドゥークー伯爵の逮捕?」
「全くお前は……ドゥークーに執着しすぎだ。」
「いや、してないよ?」
寧ろ嫌っているからと、執拗に殺しに来そうなのはあっちだ。シディアスの関心が私に向いているから、殺したくても殺せない。私を殺したら、シディアスの反感を買うのはドゥークー自身だもんね。
「オビ=ワン、アリスが私怨でドゥークー伯爵を討ち倒すことはない。」
「マスター・ヨーダ、私のことをよくお分かりで。」
「アリス、誓って信じていいんだな?」
「マカセテ!」
あれ、棒読みになっちゃった。
「まぁいい。お前の任務というのは、コルサントの防衛だ。」
「コルサントの防衛って、どこが適任なの。」
「飛ぶのは好きだろ?」
「誰かさんと勘違いしてない?……ん?ちょっと待って。なんでコルサントの防衛?」
この頃って、何かあったっけ?
前の世界の記憶が薄れてきてて、培ってきたスターウォーズの知識も朧げになっている。5年前までは、その知識もはっきり憶えていたのに。この世界に感化されたのかな。
「グリーヴァスが、コルサントに向かってきているそうじゃ。艦隊を引き連れてな。」
「グリーヴァスって、あのグリーヴァス?」
「他に誰がいるんだ?」
「だよね。艦隊を引き連れてるって、あいつ馬鹿なの?」
共和国の首都惑星に来るなんて、狂気の沙汰じゃない。
違ぇや、奴は元々ネジがぶっ飛んだ奴だった。
「オーケー、歓迎すればいいんだね?」
「意味が違うが、そういうことだ。議長の護衛は評議会が務める。………アリス、嬉しそうな顔だな?」
「えー?そんなことないよー?」
タイミング良く、ジェダイ聖堂のプラットフォームに着く。ガンシップは既に準備されていて、私はすぐに乗り込んだ。私の大隊が、軌道上で艦隊が展開しているらしい。
久しぶりにコマンダーに会うのか。
「アリス、まともな指令を出すんだ。いいな?」
「やめてよ。私がまともじゃないみたいじゃん。」
「クインランに聞いてるからな。」
「チクったな、あいつ。」
「一応ジェダイ・マスターだからな。」
存じ上げています。
敬意を払えって?無理無理。だってヴォスとは仲悪いし。
「それじゃ、行ってくる。」
「今回は裏があるやもしれん。念には念を入れるのじゃ、アリス。」
「はい、マスター。」
ガンシップのハッチが閉まり、軍曹が私に敬礼する。
「レイン将軍、恙無くお過ごしで?」
「うん、楽しかったよ。」
「ヘクターが待ち侘びてますよ。」
「あのヘクターが?」
ヘクターとは、私の大隊で部下にあたるコマンダーだ。他人とは話したがらず、私とも滅多に話さない。そのヘクターが待ち侘びてるって、なんか怖いわ。
「それだけ貴女を信頼しているんです。喜ばしいことじゃないですか。」
「そうだけどさ………」
コマンダーなんてどこにいた?って話なんだけど、私がベインとドンパチしたり、シディアスにフォース・ストーキングされていた時に、大隊を指揮していたのが、そのヘクターだ。
「レイン将軍」
ガンシップから旗艦のハンガーベイへ降りると、ヘクターが待っていた。彼は敬礼して、挨拶する。
「お帰りをお待ちしてました、将軍。」
「ヘクター、怖いから。」
「冗談はこの辺で。戦況に進展があったので、すぐブリッジへお願いします。」
「あぁ、なるほど。」
ヘクターを伴い、私はブリッジへと向かう。
「ヘクター、そろそろ他者と交流できるようになった?」
「貴女こそ、ケノービ将軍を言い負かすことはできましたか?」
「もうやめて。」
「分かりました。」
これじゃあどっちが上か分からねぇや。
ブリッジに着いた私達は、プロジェクターを立ち上げる。
何となく、思い出してきた。この戦いで、一人が死ぬ。味方ではないけど。一気に状況が変わるだろう。
いよいよ、コルサントの戦いが始まる。