ブリッジに戻って早々、マスターの視線が刺さった。
橋上都市で暴れたことを怒っているらしい。
結果良ければ全て良し、でしょ?目立つことで、陽動作戦は成功したんだから。軍事的な陽動は私には合わない。
「アリス、言いたいことは分かっているな?」
「もちろんです、マスター。」
「それならいい。」
「あれ?何も咎めないんですか?」
いつものマスターなら、私を叱るのに。
「以前、お前は変わったと言ったが、違うな。アリスは何も変わっていなかった。昔のままだ。あれはお前の戦い方だ。」
何も変わっていないと、マスターは気付いたようだ。ただ、思うところはあるみたいで、良い顔はしなかった。
「だが、これは戦争だ。お前一人が戦っているわけではない。よく考えて戦うんだ。」
「はい、マスター。」
それから、やることがまだある。
牽制の意味も込めて、橋上都市をパトロールしなければならない。
「パトロールは私が行きます。」
「いや、お前はここで待機だ。何かあれば、後方支援に回れ。」
「………分かりました。」
このまま行かせてはいけないと思い、さり気なく止めようとした。
だけど、マスターは拒んだ。
「マスター、フォースと共にあらんことを。」
「フォースと共にあれ、アリス。」
マスターはそう言って、キャプテン・ジャイガラーとその分隊を連れてブリッジを出て行く。
俯く私に、ウォルフが肩を叩く。
「心配いりません。ここは既に制圧しているのですから。」
「そうだね。」
腰のライトセーバーに掛けた手を、握り締める。嫌な予感が拭えず、思わずR7-D4を呼び出した。
R7には、終わりに備えて改造をしてある。この不安な時に、側にいてもらいたい。私はジェダイだけど、どうしても不安になってしまう。
「レイン将軍、お顔の色が優れませんね……」
「医務室とかいらないからね。」
「ジェダイのヴィジョンとやらですか?」
「………そう。」
現時点で、この世界の知識の8割が朧げだ。
その時、オペレーターが評議会から通信が入ったと報告する。
「レイン将軍、ウィンドゥ将軍がお待ちです。」
「分かった。」
ウォルフとプロジェクターの前へ行き、通信を繋げるように指示する。
ホログラムで現れたのはマスター・ウィンドゥだけでなく、マスター・ビラバやアイラもいる。
『報告しろ。』
「ケイト・ニモーディアは制圧完了しました。マスター・プロは、キャプテン・ジャイガラーの部隊とパトロール中です。」
『では、通商連合は押さえたのね?』
「はい。残っていた幹部数名を逮捕。これからコルサントへ護送します。」
マスター・ビラバの問いに答え、捕らえた幹部のデータを送る。その中には、ガンレイと繋がりのある者もいる。つまり、実質的に通商連合を押さえたという意味だ。
『何か気になることでもあるのか?』
「………言っても?」
『構わん。言うんだ。』
「ドゥークー伯爵が死んで、今はグリーヴァスが指導者になっているんですよね?」
『左様。グリーヴァスを押さえれば、戦争が終わる。』
それだ。
私が気になるのは、グリーヴァスが死んだところで簡単に終わるとは思えないこと。肝心のガンレイ達が、どこに逃げたのか分からない。シディアスが、あいつらの処分をどうするのかが問題だ。
共和国軍が探してはいるけど、いたちごっこと化している。
「ガンレイ総督も押さえなければ、意味がないのでは?」
『ドロイドを指揮するグリーヴァスさえ対処すれば、ガンレイ総督はどうとでもなる。』
「お言葉ですがマスター・ムンディ、ガンレイの背後には誰かがいます。そのセットを放置する気ですか?」
『レイン、今はグリーヴァスが先決だ。』
「分かっています、マスター・ウィンドゥ。ですが、どちらも押さえないことには、解決しないかと。」
『その件は評議会と元老院で対処する。お前は護送を。』
やはり、評議会は聞く耳を持ってくれない。誰かが声を上げても、対処しようとしない。もう評議会は、ジェダイとしての機能を果たしていない。
「分かりました。通商連合の重鎮を連れていきます。」
『よろしい。アリス、パトロールが終わり次第帰還せよ。』
「はい、マスター・ヨーダ。」
通信を切った瞬間、背中に悪寒が走った。計り知れない寒気に、私は身を震わせる。何かが起きる。
アナキンの強い恐怖を感じた。
「コルサントに……」
「はい?」
「私だけでもコルサントに戻る。ウォルフ、空いてるシャトルは?」
「しかし、プロ将軍が、」
「お願い。」
「分かりました……」
使えるシャトルを空けてもらうように頼み、ブリッジから出ようと背を向ける。
刹那、マスター・フィストーやマスター・ティンの悲鳴が頭に響いた。その直後にマスター・ウィンドゥの苦痛を感じ、アナキンの存在は遠くなった。アナキンの強い怒りと恐怖に、彼が怖くなった。
あれはアナキンであって、アナキンじゃない。最強のジェダイが、暗黒面に呑まれた。パドメを救う為に、恐怖に負けたんだ。
何が起きたのかなんて、考えなくても分かる。
更に、もっと多くのジェダイの苦痛と悲鳴が伝わってきた。その苦痛は頭痛を起こし、私の視界をぼやけさせる。その中に、マスターの苦痛も感じた。マスターのデルタ7Bを撃ったのは、ジャイガラー。
現実が、私に追い付いてきた。
ライトセーバー、どうする?
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クリスタルまで壊す。
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クリスタルだけ所持して、パーツはポイ。
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一応持っておく。