オーダー66は突然始まった。
私も、クローン・トルーパーにブラスターを突き付けられた。ついに始まった、そう思った。だけど、私もジェダイのはずなのに、彼らは一向に撃ってこない。
思わず、彼らに問い掛けた。
「撃たないの?」
「コルサントまで、貴女を連行します。」
「オーダー66が発令されたんでしょ?私もジェダイなのに、撃たないの?」
「オーダー66には、2つの命令があります。1つは、ジェダイの処刑。もう1つは、貴女を拘束する命令です。」
「私を拘束ぅ?」
段々とパルパティーン議長の意図が読めてきた。議長は私を生かして、暗黒面に堕とそうとしている。アナキンを暗黒面に誘うだけじゃ飽き足らず、私まで引き摺り込む気だ。
奴の思惑に乗ってやるもんか。
「もし抵抗した場合は?」
「その場合は、射殺することになります。」
「オーケー。なら抵抗する。」
その瞬間、ブラスターが一斉に撃たれる。レーザー弾を防ぎつつ、トルーパーをフォースで薙ぎ倒す。一人ずつ確実に潰していき、最後に立っていたのは、コマンダー・ウォルフだけ。彼をフォースを使わずに殴り、馬乗りになる。ライトセーバーをウォルフの首に添え、ブラスターを渡すように頼んだ。
「無駄です。命令は取り消せない。」
「取り消す必要はない。貴方を味方にする。」
「は……?」
ブラスターを奪取し、ウォルフをスタンする。
気絶した彼を抱えて、私は医療エリアの処置室に走る。度々現れるトルーパーを、ブラスターでスタンしていく。クローンと云えど、戦友を殺したくない。
「ジェダイ!投降しろ!」
彼らとは会話する気はなく、私は走り続ける。それと同時に、疑問が頭に浮かんだ。ただ、それを解決すると、今度は彼らが苦しむことになる。たった一人のジェダイ、私の為だけにクローンを苦しませたくない。
どこで道を間違えたのか分からない。
──────今日より、名前を変えるが良い。ダース…ヴェイダーと……
──────あんたが憎い!!
──────弟だと思っていた!!
テレビの画面で観たシーンだったけど、同じ世界に生きている私にとって、心が折れそうなものになった。
映像で見るものとは違い、フォースを感じられる私にはひどく苦しい。暗黒面は、何度も私に覆いかぶさってくる。逃げるだけなのに、逃げれば逃げる程、闇も大きくなっていく。
──────私のことをよく知っているだろう?
──────隠さなくていい。誰にでも秘密はある。
──────君が忠誠を誓うなら、アナキンは諦めてもいい。
これが逃げ続けた結果なのだろうか?
ウォルフを診台に乗せて、付いてきたR7-D4に脳波をスキャンさせる。
「R7、異常は?え?頭部に異物?」
R7が、極秘のファイルを私に見せる。
そのファイルには、ARCトルーパーのファイヴスのデータがあった。オーダー66を同大隊所属のタップが、誤って実行してしまった事件がある。記録では、タップのバイオ・チップは誤作動を起こしたと書いてある。
だけど、彼は違う。何かに気付いた彼は、自分でチップを取り出した。その後にチップを摘出したことで、彼は危険なクローンと看做され、カミーノアンと共和国軍に追われたという。ファイヴスは、恐らく口封じをされたんだ。
皮肉なことに、評議会はカミーノアンの言い分を信じた。
「これって、評議会が騙されたってことでしょ?」
R7は肯定する。
私がR7-D4にしたプログラムの改造とは、オーダー66が実行された時、R7-D4が持つ極秘ファイルを私が見れるようにするものだった。評議会メンバーしかアクセス権がないファイルも、オーダー66が実行された今は私も閲覧できる。
「どうしたらいいの?」
私の問いに、R7はチップを摘出するしかないと言う。
でも、私にそんな力量はない。
「もう少し詳しく。」
バイオ・チップは、脳の思考を司る部位にあるという。私に医療的技術はない。それなら、フォースでバイオ・チップを操作すれば、無効化もできるかもしれない。
「R7、見張ってて。」
R7に部屋の外をスキャンさせ、見張らせる。
ウォルフの頭に手を翳して、私はバイオ・チップを探した。見つけたチップに働きかけて、フォースで無効化しようとする。上手くいけば、ウォルフを味方にできる。
思い出せ、試しはない、できる。
「もう見つかった?」
R7がトルーパーの襲来を知らせてきて、ウォルフから離れる。
クルーザーは、アラートが鳴り響いている。あの夢と同じ。あの夢は、オーダー66を見せていたんだ。
「R7、出るよ。どこにって、部屋の外に決まってるでしょ。あんたは大丈夫だよ。知らん顔してれば撃たれないよ。」
彼らが探しているのは私だ。ジェダイの私。抵抗しているから、殺そうとすると思う。でも、私も大人しく殺される気はない。
「分かった!分かったよ!痛いってば!」
スクラップになるのは嫌だと、R7の頭突きを食らう。
「それなら、ウォルフと脱出して。ウォルフとなら安全に脱出できる。」
ウォルフがオーダー66を無視したなんて、他のクローンは思いもしないはずだ。そのウォルフが一緒にいれば、R7は撃たれずに済む。さっきの小細工が上手くいっていれば、だけど。
「無事脱出できたら、ガレルで落ち合おう。………は?いやいや、私の心配してる場合?」
私も逃げろと言うけど、私と一緒に逃げたらそれこそR7はスクラップになる。
喋っている時間はない。ドアのロックを解除して、外に飛び出す。クルーザーは、相変わらずアラートが鳴っている。
「いたぞ!撃て!」
レーザー弾をライトセーバーで偏向させ、撃ってきたトルーパー2人をフォースで壁に叩き付ける。
再び走り、今度は武器庫に向かう。
武器庫のドアを開き、ありったけのドロイド・ホッパーを抱える。使うのはドロイドじゃなくて、クローン相手だ。トルーパーに使うのは初めてかもしれない。
走りながら壁にくっつけて、腕のコム・リンクと同期させる。
「動くな!」
また現れたな。
数人のトルーパーに、私はドロイド・ホッパーを起動させる。電流を浴びたトルーパーは、呻き声を上げて倒れていく。効果はあったらしい。
仲間だったクローンを相手にするのは、やっぱり苦しい。
「あ」
目の前のクローンを倒しても切りがなく、トルーパーは次々に現れる。
ブラスターのレーザー弾を避けながら、トルーパーから逃げる。いつの間にか機関室にいて、トルーパーのレーザー弾がリアクターに当たった。嫌な音がして、クルーザーは大きく揺れる。
というか、的を外してリアクターに当てるって、どんだけ下手くそな射撃なんだよ!
「まずい!クルーザーが墜落するぞ!」
トルーパー達は焦っている。リアクターのオーバーヒートを利用して、いっそのこと沈めてやろう。大勢のトルーパーが死ぬのは辛いけど、今は生き残る為にそうするしかない。
陰からグレネードをフォースで飛ばし、リアクターに取り付ける。
付けた瞬間、ウォルフが現れて、思わずスイッチを押してしまった。クルーザーがまた大きく揺れて、リアクターは役割を果たさなくなった。衝撃の揺れでバランスを崩し、床板から落ちそうになる。ウォルフがこちらに向かってきて、私は身体を強張らせた。
あのウォルフは、敵か味方か、どっちだろう?
私は落ちながら、疑問を浮かべた。
どうか、味方であってほしい。
ライトセーバー、どうする?
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クリスタルまで壊す。
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クリスタルだけ所持して、パーツはポイ。
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一応持っておく。