重力って、体重に比例するんだよね。
そんなことを呑気に考えていた。
現実問題、私はバランスを崩して落ちようとしていた。近くに掴めるものもない。このまま落ちて死んだら、シディアスを喜ばせるだけだ。
いや、あいつは未来の情報が欲しいから、惜しむだろうな。なんて強欲な奴。
「え……?」
ウォルフが、私の手を掴む。
え、つまり?味方ってことでいいんだよね?
「しっかり掴んでください!」
引き上げられた後、思わず座り込む。
「大丈夫ですか?」
「ウォルフこそ、大丈夫?」
「分かりません。なぜ正気に戻れたんでしょう?」
「クローンの脳に、バイオ・チップがあるんだって。でも私じゃ取れないから、フォースで小細工したの。」
コマンダーなら、タップとファイヴスの事件を知っているだろう。
「そうでしたか……申し訳ありませんでした。」
「クローンのせいじゃない。悪いのは………」
悪いのは誰?ジェダイの殲滅を望むシス?それとも、何も疑わずにクローンを使ったジェダイ?
もう、何が原因か分からない。
「将軍、ここは、っ……」
「ウォルフ!?」
急に頭を抱えて、ウォルフは踞る。声をかけるも、何かに耐えるように手を握り締めている。彼に触れようとするが、その手を払われてしまった。
「いけません…!離れて、くださいっ……」
「まさか……」
命令に逆らおうとしている。脳内にバイオ・チップがある限り、ウォルフは延々と苦しむ。助けたいけど、時間がない。
「ウォルフ、こっち見て。」
「ダメです……」
「私を見て!ウォルフ!!」
声を張り上げると、ウォルフは私を見る。
「従う必要はない!もうジェダイ・オーダーは滅んだの!役目は終わったんだよ!」
「終わった……」
自分で言っていて、嫌になってきた。クローンは用済みだと、言っているみたいだった。そんなつもりはないのに。
クローンとジェダイの信頼を裂いたのは、他でもないシス。
この私も、クローンを信頼していた。突然銃口を向けられた時、何が起こるか分かっていたのに心が苦しかった。何年も行動を共にして、お互いを必要としていたんだ。
居心地の良さが、余計に心を絞めた。
「手間をかけさせてしまい、申し訳ありません……」
「私は大丈夫だから。それより、早く逃げなきゃ。」
もたついていると、機関室に新手のトルーパーが駆け込んでくる。彼らがブラスターを向ける前に、フォース・プッシュで押し飛ばして、ウォルフとR7-D4を連れて、一緒に機関室から脱出する。
向かう先は、脱出ポッドがあるエリア。
ハンガーベイにシャトルとかインターセプターがあるけど、撃ち落とされるのは嫌だから脱出手段として使いたくない。それに、ジェダイの私はシャトルで逃げると思っているはず。裏を掻けば、脱出ポッドは見過ごされるかもしれない。
「脱出ポッド、ですか。」
「うん。R7、手動にして。」
R7に手動にしてもらい、脱出ポッドのハッチを開け、ウォルフが先に入る。
「将軍、」
「ウォルフ、もうアリスでいいよ。」
「では、アリス。脱出ポッドを、わざわざ手動にする必要はあるのですか?」
これだから、優秀なクローンは困る。
「本当にもう……さすがコマンダーだよね。」
「え?」
「状況察知が早いよ。」
入ったのを確認して、ハッチのスイッチを押す。私の企みに気付いたウォルフが出ようとするが、フォースでR7と一緒に中へ押し込めた。
『アリス……!』
「まだやることが残ってるから。先に言っておくよ。ごめんね。」
『何を、』
「すぐに分かる。」
そう言って、射出ボタンを叩く。脱出ポッドは射出され、私は他のポッドもいくつか射出させる。クルーザーの砲撃手は、混乱して撃たないだろう。
さて、私はやり残したことがある。
クルーザーはもう保たない。墜落するのも時間の問題だ。その前に、トルーパーを逃がしたい。クルーザーが墜落するのは、私のせいなんだから。
「見つけたぞジェダイ!」
トルーパーが2人現れて、私にブラスターを突き付ける。
バイオ・チップが働いているから、マインド・トリックが効くはずだ。ウォルフを正気に戻した時の方法で応用できたら、私の足掻きは叶う。
「ジェダイは死んだから、命令は完遂した。すぐに脱出しなければならない。」
「命令は完遂……脱出だ。」
2人はブラスターを下ろし、来た道を戻っていく。
これで、多くのクローンが助かればいいけど………
通路では、未だにアラートが鳴っている。夢で聴いたアラートが、耳から離れない。この音が止まることはない。
『総員、すぐに脱出せよ!繰り返す!脱出せよ!』
アナウンスが流れて、クローンは脱出を始めた。
私も動かなきゃ。
ハンガーベイに走り、一番頑丈なシャトルに乗り込む。緊急コードを発信して、ハッチを閉める。エンジンをかけない代わりに、全パワーをシールドに回した。この後は、フォースの導きに従うしかない。
音の違うアラートが鳴り、クルーザーの墜落を警告する。刹那、クルーザーは橋上都市に墜落して、私が乗るシャトルにも衝撃が襲った。
まだアナキンとの一悶着が残っている。私の言葉を届けないといけない。アナキンの良心に届くか分からないけど、最後の足掻きだ。
ほんの少しだけ、フォースを信じてみようと思う。
ライトセーバー、どうする?
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クリスタルまで壊す。
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クリスタルだけ所持して、パーツはポイ。
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一応持っておく。