【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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反乱者たち
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広大な青々しい草原に、白く美しい雲、これらの景色は私の心を清らかにしてくれる。

 

帝国の軽クルーザーがなければね!!

 

 

「また隠れ家がなくなった……」

 

 

帝国の圧政は、日に日に強くなる一方だ。

 

帝国が誕生して14年、私は星々を渡り歩いてきた。姿を隠している間、大きな問題があった。帝国が放った狩人の追跡だ。

 

“尋問官”

 

彼らは生き残ったジェダイを狩る為の存在で、そのリストには私の名前もある。私は生死不明のオビ=ワンに並んで、尋問の対象だ。

 

だからマスターの称号は嫌だったのに!!

 

私の身体はシスの秘術により、不老だ。14年経ってるのに、どう見ても40代に見えない。若い姿を保てるのは女性の理想だけど、私にはデメリットの方が大きい。

 

なぜなら、帝国の記録に載ってる姿のままだから。老ければ多少はスルーされるかもしれないけど、まんま記録の姿とか標本が歩いているようなもの。帝国の士官や尋問官に会ったが最後、即追われることになる。

 

どうしても言わせてほしい。面倒臭い。

 

 

「おぉ、あんたか。」

「そっちのフルーツちょうだい。」

「あいよ。」

 

 

クレジットを払い、市場でフルーツを買う。

 

現在、私はロザルにあるコザルの外れで生活している。帝国軍がいるけど、灯台下暗しということで、まだ気付かれていない。

 

肝心の記憶は、相変わらず朧げのまま。

 

メモリークリスタルに残っているとはいえ、私自身は何も思い出せない。

 

 

「反乱分子だ!捕えろ!」

 

 

ストーム・トルーパーが、市場を走る。ロザルで活動する反乱組織が、また何か仕掛けたらしい。

 

ここも騒がしくなってきたな。

 

 

「帝国軍が来てから、ロザルは酷くなった。あんたもそう思うだろ?」

「………そうだね。」

 

 

フルーツを売った男性が、寂しそうに言ってきた。

 

私がロザルに来た時にはもう帝国軍がいたけど、地元民の話によれば、昔はもっと綺麗な惑星だったらしい。帝国が造った工場や鉱山が、ロザルを汚したという。環境破壊は、本当にある。

 

 

「あんたも気を付けな。」

「ありがとう。」

 

 

市場から出て、コザルを後にする。

 

コザルの外れの住処に戻り、私はすぐに荷物をまとめる。

 

帝国軍の影響が強くなってきた今、見つかる可能性が上がる。尋問官に会う前に、ここを去らなければならない。

 

山にした荷物に、火を点ける。痕跡を消す為、荷物を全て燃やした。持っていくのは、ライトセーバーだけだ。

 

焦げた臭いが、クローン戦争を思い出させる。

 

 

「っ!」

 

 

ロズ=キャットが飛び出してきて、煙を嫌そうに見上げる。

 

 

「ごめんね、今だけだから。」

 

 

荷物が燃え尽き、灰が風に舞って飛んでいく。岩に寄り掛かってそれを見ていると、意識がぼんやりとしてきた。どこからか声が聴こえて、声がはっきりした時にはヴィジョンも見えた。

 

 

『あの女を殺せ!』

『生か死か、お前に選ばせてやる。』

『貴女はどのジェダイよりも、ジェダイらしい。だが、それが命取りだ。』

 

 

ハッとして起き上がると、日が暮れていた。

 

長い間、ヴィジョンを見てなかった。このタイミングで見るということは、何かが変わる。いや、何かが起きる。

 

コザルに入ると、既に帝国軍が展開していた。誰のか分からないスピーダー・バイクに乗り、すぐに裏通りからコザルを出る。

 

 

「うっわ……」

 

 

後ろを見れば、帝国軍のバイクが追ってきていた。いくら何でも、気付くのが早すぎる。何かおかしい。

 

 

「おっと。」

 

 

渓谷で撒こうとするが、反対側からもウォーカーが現れ、挟み撃ちにされる。

 

あら、罠でしたか。

 

 

「ようやく追い詰めたぞ、アリス・レイン。」

 

 

若い男の尋問官が、姿を現す。

 

コード・ネームは分からないが、この尋問官には何度も会っている。あまりにしつこすぎて、コテンパンにしてしまったことがあった。それも2度も。

 

もしかして、根に持たれてるのかな。

 

 

「人違いでしょ。」

「そんなわけあるか!」

「アリス・レインって、記録だと40歳超えてるはず。こんな若いジェダイ・マスターいる?」

「目の前にいるだろ!」

 

 

ストーム・トルーパーが、一斉にブラスターを向ける。

 

 

「ところでさ。」

「なんだ?」

「あんたら、足元に注意した方がいいよ。」

「何だと!?」

 

 

満面の笑顔で教えてやれば、尋問官は気付いたようで、私を睨む。

 

簡単に引っ掛かってくれて嬉しいわ。

 

 

「私が何も考えずここに来たと思った?」

「全員退避!!!」

 

 

時既に遅し。

 

仕掛けた爆弾を起動させ、崩れた岩が帝国軍を襲う。AT-STは全て潰れ、スカウト・トルーパーのバイクも使い物にならなくなった。私は岩が落ちてくる前に、バイクを急発進させる。

 

 

「じゃあねー!」

 

 

手を振って、私は渓谷から離れた。

 

罠にかけようとしてきた連中を、逆に罠に落としてやった。

 

この14年間、何度も尋問官が追ってくるけど、ヴェイダーは一度も来なかった。私も怨恨の対象のはずだから、追ってこないはずないのに。それだけ、疑問が解けなかった。

 

その内、答えが分かるだろう。

 

14年に至る隠遁生活は、終わりを迎えようとしていた。

 

 

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