帝国軍を撒いた後、キャピタル・シティへと紛れ込んだ。そして現在、宇宙港にある帝国のシャトルを盗んだ。ロザル星系は、帝国の目が多い。少しでも離れなければいけない。
「おい待て!このシャトルは、な、なんだ!?うわぁー…!」
トルーパーをフォースで押し飛ばし、シャトルから追い出す。
シャトルのエンジンを立ち上げて、すぐにプラットフォームを発った。適当に座標を殴り込み、ハイパードライブのレバーを引く。
「追跡装置………なし!よし!」
センサーの反応もない!よし、今回も撒けたぜ!
自動操縦に切り替えて、帝国軍の情報を漁る。恒例のように、まずは捕まったジェダイがいないか確認する。
あ、ヴォスは生きてる。
「なんだかんだ生きてたのか、あの人。」
嫌いだから会いに行かないけどね。
オビ=ワンも、生きている。彼に関しても、だらしない生活で怒られたくないので、知らないふり。寧ろ一番会いたくない人。
いや、違う。一番会いたくないのはシディアスだ。
「………」
久しぶりに瞑想に入ってみる。最後に瞑想したのは、4年前。なぜ瞑想してなかったのかと言えば、原因はシディアスだから。
尽く干渉されるとか、何の罰ゲーム?
案の定、またシディアスの干渉が入った。
「消えろ。」
そう呟けば、シディアスの意識は消えた。
次に感じたのは、尋問官の気配だった。ハイパースペースを抜けた瞬間、スターデストロイヤーが待ち構えていた。シャトルはトラクター・ビームに捕まり、スターデストロイヤーに引き寄せられていく。
「おっかしいなぁー。」
追跡装置はないのに。
シャトルはハンガーに収容され、ハンガーのゲートは閉じられた。シャトルのハッチは抉じ開けられ、ストーム・トルーパーが突入してくる。大人しく手を上げれば、トルーパーの間を縫って尋問官が現れた。
「帝国軍から逃げられると思ったか?」
「またあんたか。」
ロザルで鉢合わせた尋問官だ。
なんで正確に私を見つけられたのか、全く分からない。
「追跡装置なくない?」
「ああ、追跡装置はない。だが、お前を見つけたのは俺ではない。ヴェイダー卿だ。」
「………へぇ。」
ふーん、自分で来ないんだ。
「で?拘束?」
「他に何がある?」
「いや、お茶くらい用意してくれないのかなって。」
「するわけないだろ!拘束しろ!」
ライトセーバーを取られて、手錠された後にトルーパーに肩を押され、シャトルを降りる。独房まで連行され、中に放り込まれると鍵をかけられた。外に見張りがいるが、その先にはトルーパーが大勢いる。
尋問台に乗せられなかっただけましか。
「開けろ。」
数時間後、嫌な声が聞こえて、その声の主が入ってくる。軍服を着た男が入ってきて、護衛のトルーパーに席を外させた。同席するのは、尋問官のみ。
多少老けてはいるが、私はその士官を知っている。
「14年ぶりですな、アリス・レイン。」
「ターキン提督。あ、今は総督か。わざわざ会いに来たわけ?」
「私とて不本意だ。だが、簡単に捕まってくれるとはな。」
ターキンは先日、旗艦であるソヴリンを失ったばかり。パウアンの大尋問官も、マスター・ビラバの弟子に敗れて自ら死を選んだ。そして今、私が拘束されたから、ものすごく機嫌が悪い。
「うーん、簡単ではないと思うよ。そこの尋問官、何度も失敗してるし。私の逮捕って、皇帝直々の命令だったんでしょう?」
失敗という言葉に、尋問官は私を睨む。
この尋問官がしつこかったのは、皇帝の命令だったからだ。ヴェイダーという弟子が手に入った後は、この私だ。シディアスは、未だに私を暗黒面に堕とそうとしている。
無駄なことだけどね。
「手に負えなかったということだ。」
「だよね。彼、半端者だもの。」
その瞬間、フォース・チョークをかけられた。気道を絞められるが、それをターキンが止める。離された後もけろりとしている私に、尋問官はライトセーバーを取り出して突き刺そうとしてくる。
私はそれを、ツタミニスで受け止めた。
「っ!!!」
驚いた尋問官はライトセーバーを収め、一歩退く。
ツタミニスがどういうものか、この男は知っている。
「ほら、半端者じゃん。」
「まさか、あり得ない!!」
「苦痛から逃れたあんたとは違う。」
尋問官は、苦痛に負けた者。苦痛に耐えられず、暗黒面に手を伸ばした。そんな奴が、ツタミニスを理解できるはずない。
「それで?私を尋問するの?」
「残念だが、尋問ではない。貴女には、反乱者共を誘う餌になってもらう。」
また餌かよ。
クローン戦争終盤でも、ジェダイ評議会に餌扱いされた。帝国にも餌扱いされるとは思わなかった。
だけど、誰が私なんかを反乱軍に引き入れたいと思うのか。
自分で言うのもあれだが、私は模範的なジェダイじゃない。
「来るはずない。誰も私を欲しがらないよ。」
「果たしてそうかな?楽しみに待つがいい。」
ターキンはそう言って、尋問官を連れて出て行く。
私はそれを呼び止め、問いを投げかける。
「ターキン総督、この世で一番恐ろしいことって何だと思う?」
「私に恐ろしいものはない。それは貴女の恐怖だろう。」
「そう。だけど、何を恐れていると思う?」
ターキンは真剣に考えてみるが、何も思い浮かばなかったらしい。私に続きを促して、答えを待つ。
「希望を失うこと。反乱軍は希望の光。私の死で反乱軍が残るなら、それを優先させる。」
「希望など、幻想だ。光が消えるのを、この檻から見ていろ。」
今度こそ、2人は独房から出ていった。
反乱軍は、力を増している。帝国の圧政は酷くなる一方で、それと反対に反乱軍に加わる者も増えている。自由を求めて、立ち上がる人々は増えていく。
幻想じゃない、希望が反乱軍を強くする。