ロザルを出る少し前、エズラ・ブリッジャーが反乱への呼びかけをした。皆で立ち上がれ、と。私もロザルで実際に聞いた。
その呼びかけで、光が増えていくのも感じた。
反乱は、自由への希望だ。
「意外だな。」
本当に反乱軍が来たらしい。
私がいるスターデストロイヤーに、警報音が鳴り響く。敵襲を告げるアラートだ。外が騒がしい。
『総員、直ちに戦闘配置に就け!』
ターキンの声が、艦内にアナウンスされる。
目を閉じて、フォースで外を探ると、戦いが始まろうとしていた。
帝国軍の船はスターデストロイヤー1隻と、軽クルーザー2隻。対する反乱軍は、改造貨物船のゴーストと、コルベットが2隻。
どんな戦いをするんだろう。
「………」
アソーカが私に気付いた。それと同時に、少し戸惑っている。反乱軍の攻撃は、スターデストロイヤーを撃墜しないように慎重になっていた。
無謀とも言える戦闘に、逆に私の方が焦る。
「いくら何でも、戦力差がありすぎない……?」
この戦力で私を救出しに来たなんて、どう考えても無謀すぎる。独房からでは、私は何もできない。餌は餌らしく傍観してよう。
寝台に座り、脚を組んで寝転ぶ。
鍵?開けられるけど、無数のトルーパーを相手にするのは骨が折れるんだよ。
『あった!ここだ!』
外から声が聴こえてくる。若い子供の声だ。
「あれ?貴女がマスター・レイン?」
「人違いです。」
「違わないだろ!何を言っているんだ!」
「え!?なんで嘘吐いたんだよ!」
「何となく?」
首を傾げればケイレブ、もといケイナンが頭を抱える。
「状況を分かっているのか!?」
「大丈夫、ちゃんと理解してるよ。少年、私がアリス。よろしく。」
本気で信じたエズラ、ごめんよ。
寝台から起き上がって、伸びをする。のんびりする私を、ケイナンが独房の外に連れ出して急かす。
「さっさとここを出るぞ!」
「急ごう!」
「あのー、お二人さん?」
「「何だよ!」」
2人でハモらなくてもいいのに。
「これ、罠だって分かってる?」
「ああ、分かってる。だが、俺達はあえて来たんだ。あんたの存在が必要だからな。」
ブラスターを渡され、3人で監房ブロックを離れる。
ブラスター・ライフルなんて、使い慣れていないから不便だ。ちゃんと当たるかな。ていうか、私のライトセーバーどこ行った。
「どこ向かうの?」
「格納庫!」
「迎えが来る。」
「迎え?」
格納庫に着いた瞬間、“ファントム”と呼ばれるファイターが突っ込んできた。
うわぁ、すごく大胆。
ハッチが開き、中に駆け込もうとすると、尋問官がトルーパーを率いて追い付いてきた。ケイナンが尋問官の相手をして、エズラも加勢する。だけど、2対1なのにケイナン達の方が押されつつあった。
「2人共、少し離れて。」
「おい!何をする気だ!?」
ケイナンの制止を無視して、フォースでストーム・トルーパーを押し飛ばした。トルーパーがぶつかったシャトルは壊れ、煙を上げる。残った数人のトルーパーは、怖気付いて立ち止まった。
尋問官はそんなトルーパーを薙ぎ払い、私の方へ歩いてくる。
「何の真似だ?」
「はて、何のことやら。」
「お前は大人しく捕まる女じゃないだろう。逃げようと思えば、自力で脱出できたはずだ。何を企んでいる?」
奴は私の数歩前で立ち止まり、赤いライトセーバーを起動させる。
何かに気付いた尋問官は、私の挙動を警戒する。
簡単に捕まってやったのは、狙いがあったからだ。帝国の機密にアクセスして、危険な計画、特にシス関連の情報を探っていた。私があえて捕まったのは、囮の為。
そろそろ潮時だったんだ。
「私ばかりに目が行って、何も見えてないね。」
「貴様……!」
「あ、ちょっと待って、それ返してもらうよ。」
「っ!!」
手を伸ばし、尋問官が持つ私のライトセーバーをフォースで引き寄せる。
手元に戻り、私はライトセーバーを起動させた。
「早く来るんだ!!」
ケイナンの呼び声に、私は先に行くように言ってハッチをフォースで閉める。ハッチが閉まる瞬間、黒いRシリーズのドロイドがファントムに滑り込み、私の目的は果たされた。
尋問官と私のライトセーバーが交わり、戦いが始まった。
「陽動だったのか。」
「私は餌だったけど、反乱軍だけじゃなくて、あんた達にとっても餌だったわけ。」
「ターキン総督の命令を聞かずに、お前を殺すべきだった。」
「どっかで聞いた気がする、それ。」
半端な剣筋を振り払い、尋問官をフォースで捕まえて横に放り投げる。
その瞬間、ファントムが戻ってきてハッチが開けられた。ライトセーバーを収めて、私は全力でファントムに走る。フォース・ジャンプで乗り込むと、ハッチが閉められてスターデストロイヤーから逃げ出す。
懐から起爆装置を取り出すと、ケイナンにドン引きされた。
「まさか……」
「えへ。」
ポチッ
スターデストロイヤーのメインリアクターを破壊して、墜とした。ファントム含む反乱軍艦隊はハイパードライブを起動し、すぐにジャンプする。
爆破ってある意味、意志表示だよね。
あれ?違う?………すみませんでした。