【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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ダース・ヴェイダーという脅威

ケイナンのコムリンクの信号を追って、帝国軍のベイに向かう。

 

街は封鎖されていて、私達は脱出するのが難しくなっていた。逃げるなら、帝国のシャトルを盗むしかない。見つからなければ、帝国のシャトルで逃げられる。

 

一つの懸念、ヴェイダーを除けば、だが。

 

向かっている間も、寒気は消えてくれなかった。

 

 

「なんで逃げないの……?」

 

 

見つけたケイナン達は、シールド発生装置をシャトルに運びいれていた。必要なのは分かるけど、本当ならそんな余裕はない。帝国軍が迫っている。

 

時間を稼いであげなきゃ。

 

 

「っ!」

 

 

ケイナンとエズラが立ち止まり、2人の視線の先にヴェイダーがいた。

 

ケイナン達とヴェイダーの間に跳び降りて、考える前に全力でフォース・プッシュする。トルーパーは薙ぎ倒されたが、ヴェイダーは踏ん張って体勢を立て直した。2人の前に出る私に、奴は口を開く。

 

 

「やはり反乱軍に加担するか。」

「“皇帝”を惑わせられるなら、私は反乱軍に手を貸す。」

「いずれ滅びる連中と共にいて、何になる?皇帝陛下はさぞ失望されるだろう。」

「勝手に失望すればいい。」

 

 

私とヴェイダーはライトセーバーを起動させ、互いを睨み合う。

 

 

「ケイナン、先に行って。」

「だが、」

「私は大丈夫。早く。」

「………分かった。」

 

 

ケイナンとエズラが乗り込み、シャトルは発着台を離れる。

 

シャトルが離陸したのを確認して、ヴェイダーに向かって駆け出す。走りながらライトセーバーの刃を下に構え、かち合う直前に振り上げる。押し上げた私に対して、ヴェイダーはライトセーバーで防御した。

 

 

「お前はもう少し賢いと思っていた。だが、違うようだ。アリス・レイン、怒りと憎しみを力にできぬなら、お前に勝機はない。」

「それ、シスの論理だから。私は感情に任せて戦ったりしない。仮にもジェダイだから。」

 

 

私に敵意はあれど、殺意はない。

 

それに気付いたヴェイダーはフォースで私を押し飛ばし、壁に叩き付ける。

 

 

「ただの時間稼ぎか、愚か者め。貴様を無傷で捕らえることは、不可能だということが分かった。半殺しにして、“マスター”の前に引き摺り出してやる。」

「そう簡単にはっ…捕まらない……!!」

 

 

フォースで押さえられて、身動きできないまま笑ってやった。

 

次の瞬間、AT-DPの足が爆破され、私とヴェイダーに向かって倒れる。爆破したのは、サビーヌとゼブだった。ヴェイダーが目を離した隙にウォーカーを避け、AT-DPは奴を下敷きにした。

 

だが、そんなことで死ぬようなヴェイダーじゃない。

 

フォースで倒れてきたAT-DPを支えて、奴は横に振り払う。

 

 

「アリス、奴らのように反逆者に成り下がるつもりか?」

「何に対する反逆?帝国?」

「皇帝陛下への反逆だ。」

「何それ。そんなもの、ただの独裁じゃん。見損なったよ。」

 

 

私とヴェイダーの周りで燃え盛る業火が、ムスタファーを思い出させる。

 

そろそろ退却しないと。

 

 

「アリス!!!」

 

 

ヘラが飛ばすシャトルのハッチが開き、ケイナンが叫ぶ。

 

その声に応えるようにフォース・ジャンプして、空で待機するシャトルのハッチに跳び乗る。私を拾ったシャトルはハッチを閉めて、帝国総司令部から離れた。去り際に感じたヴェイダーの怒りが、私の背に刺さり痛かった。

 

一先ず、何とか退却できた。

 

 

「全く!あんたはどうして無茶をする!?」

「平気だよ。」

「奴の相手をするのは、危険だと知っているだろう!!」

 

 

怒鳴るケイナンを宥め、私はベンチに座る。

 

 

「あいつに会ったのは初めてじゃないし、切り抜ける方法も分かってる。」

「ねぇ、あれは何なの?尋問官?」

 

 

エズラが、ヴェイダーの正体を問う。

 

そうか、エズラは知らないんだっけ。

 

尋問官なんて、まだ可愛いものだ。尋問官達は半端者。だけど、暗黒卿はそんなに甘いものじゃない。

 

 

「尋問官より遥かにタチが悪い。あれはシスの暗黒卿、ジェダイの仇敵だ。」

「そんな奴とどうやって戦うの?」

「戦う?生き残れただけでも幸運だった!戦いは避けるんだ!」

 

 

ケイナンがエズラにそう説明する。ただ、説明が一つ足りない。マスターのケイナンは、パダワンのエズラに肝心なことを教えていない。

 

 

「ケイナン、もう一つ説明を加えなきゃ。」

「これ以上何がある!?」

「奴らは不死身じゃない。」

 

 

エズラが、アニメで呟いていたことだ。

 

暗黒卿は強いが、乗り越えることはできる。アナキンの息子、ルークが闇の中の父を救ったように。

 

ケイナンは格が違うと言ったけど、そもそもフィールドとジャンルが違う。

 

 

「それより、早く逃げましょう。周回軌道に出るのよ。」

「ダメだ。スターデストロイヤーがいる。」

 

 

ロザルは封鎖されている。私も、ケイナンと同じ意見だ。周回軌道に出れば、間違いなく撃墜される。

 

 

「この船は遅い上に、武器がない。密航でもしないと出られないわ。」

 

 

サビーヌの言葉に、ヘラは考え込む。心当たりがあるようで、密輸してくれそうな人がいるという。ケイナンとエズラは誰なのか分かったらしく、2人して反対する。

 

 

「他にいないわよ?」

「ならその人に頼るしかないね。ヘラ、コックピットに行こう。ほら、ケイナンも行くよ。」

「待て!俺は反対したからな!」

 

 

ヘラと2人でケイナンを引き摺って、コックピットに入る。ヘラが通信を繋いで、その人と連絡を試る。

 

ホログラムに現れたのは、超有名人だった。

 

 

「ランド・カルリジアン!」

「知ってるのか?」

「一応。ルード議員がお得意様だから。」

『その通り。彼は俺の商売で関わりが深い。君関連でな。』

「何だって!?」

 

 

ランドさん、お口が軽いわよ。

 

 

「カルリジアン、口を閉じてくれる?」

『これは失礼。それで、何用かな?』

「密輸したいものがある。」

「帝国の封鎖を抜けて、人を密輸して。」

 

 

私達の頼みに、カルリジアンは仕事の顔になる。彼は何事も、商売として応対する。例え反乱軍相手でも。

 

 

『助けたと知られれば、俺は帝国に追われる。あんたらは何をくれる?』

「シールド発生装置があるわ。」

『それは商売になる。いくつもらえる?』

「2基よ。」

 

 

ヘラの答えに、カルリジアンは満足しなかった。相手はギャンブラーでもある。誤魔化しは効かない。

 

彼はヘラに、ギャンブラーなら三流だと言って、6基だと見抜き3基分を求める。

 

 

「半分も寄越せと言うの!?」

『死んだらシールドも意味はない。』

「分かった、3基やる。取引成立だな?」

『良いだろう。生憎、俺は今ロザルにいない。採掘場にいる、代理のドロイドに用意させよう。』

 

 

そう言って、カルリジアンは通信を切る。

 

通信が切断された後、ケイナンはカルリジアンの先程の言葉を問う。

 

 

「アリス、あんた関連の取引とはなんだ?」

「なーに、簡単なことだよ。ガセ情報を流してもらっただけ。」

「どういうこと?」

「議員と密会するには、帝国の目を逸らす必要があるの。」

「それだけの為にか?」

「そう、それだけの為。」

 

 

私とルード議員の関係は、誰も知らない。知っているのは、フェニックス・ホームにいるR7-D4のみ。相棒だけが、私達の関係を知っている。

 

反乱軍とて、教えられるわけがない。

 

情報はどこで漏れるか分からないのだから。

 

 

「あ、代理のドロイドってあれ?」

 

 

シャトルが採掘場に着き、ドロイドが出迎える。

 

 

「そうだ。」

「行きましょう。」

 

 

私達はシャトルを降りて、ゼブとエズラがシールド発生装置を船から下ろす。代理のドロイドはそれを受け取り、代わりに応答機、トランスポンダーを寄越した。

 

ヘラがドロイドとやりとりしていると、エズラが何かを見つけて、スピーダー・バイクでどこかへと向かう。ケイナンがバイクでそれを追う。

 

2人が向かった方を見ると、ターキンタウンから煙が上がっていた。

 

目を閉じてフォースに集中すると、ヴェイダーの影が見える。あいつの指示だ。私達の恐怖を煽っているだけでなく、私へのメッセージだと気付いた。

 

ヴェイダーは、無関係な人々を巻き込んでいる。私の憎しみを煽りたいんだ。あいつの挑発に乗れば、更に無関係な人々を巻き込む。それだけは絶対にダメだ。

 

私は憎しみに支配されないように、拳を握るしかなかった。

 

 




タグに「ストーカー案件」を加えるべきかな?www
私が悪いけど、シディアスがストーカーとして認識されててもうwww
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