カルリジアンが用意させたトランスポンダーで帝国軍の目を眩まし、私達が乗るシャトルはハイパースペースに突入する。ハイパースペースを抜けた後、無事フェニックス艦隊と合流した。
めでたし、めでたし。
なーんて、無理だった。
ドロイドのチョッパーが送信機の作動を知らせてきて、私達はブリッジに駆け込む。
「コマンダー・サトー!帝国に尾けられたわ!艦隊を退避させて!」
「コマンダー、当域に未確認の船が……」
また寒気を感じて、私はブリッジから出て行こうとする。
「アリス、何をする気?」
「迎撃する。」
「「まさか、」」
「察しが良いね、パダワンズ。」
アソーカとケイナンのハモリに、私はにっこり笑って出て行く。
真っ直ぐハンガーへ向かい、インターセプターのコックピットに乗り込む。照準器を切り、コマンダーの指示を待たずに発進させる。
あのTIEファイターに乗っているのは、ヴェイダーだ。
「R7連れてくれば良かったあああああぁぁっ!!」
スピンでレーザー弾を避けながら、思わず叫ぶ。
ジェダイ・オーダーがあった頃も、私が操縦して、R7が砲撃という役割分担をしていた。
何度も言ってるけど、操縦は苦手です。
マスター・プロに叩き込まれた操縦術が、私を生かしていると言っても過言じゃない。あの指導がなかったら、私はもう死んでいる。マスターに、それだけは感謝してる。
いや、感謝してるのはそれだけじゃないけどさ。
マスターとヴェイダーの操縦術、戦いはどうなるのか。
「ああぁぁぁまずい………」
中隊が、ヴェイダーによって次々に撃破されていく。奴は容赦なく墜としてきている。ゴーストも、奴のTIEファイターに手間取っていた。
ヴェイダーはAウィング2、3機を放置し、今度は私のインターセプターを狙ってくる。
マスターのストーカー精神を引き継いでない?気のせい?
「っ…」
なかなか攻撃が当たらない。動かないでほしいなー。無理だと分かってるけどさー。
その瞬間、ヴェイダーの攻撃が銃砲に当たり、私の乗るAウィングは煙を上げる。
「レーザー砲がやられたあああああああっ!!!」
攻撃はできない。
それなら、スターデストロイヤーを道連れにしても構わないよね?
『何をする気!?』
「ヘラ、構わず行って。自力で何とかする。」
『帝国に捕まるわ!待ってて、回収するから!』
「いいから。スターデストロイヤーを潰さないと、私の気が済まない。」
『そういう問題じゃ、』
通信を切り、レーザー砲が使えないままスターデストロイヤーに近付く。私のマスターが教えてくれた操縦術なら、スターデストロイヤーを撹乱できる。マスターと私だからできる、操縦術だ。
マスターと私にできた師弟の絆が、原作にはない戦い方を生んだんだ。
さーて、どうしてやろうか。
Aウィングでスターデストロイヤーのハンガーに突っ込み、不時着する。ライトセーバーで窓を強引に開け脱出して、群がるトルーパーをフォースで押し飛ばした。全力のフォース・プッシュで、フォースが可視化できる程だった。
「ば、化け物……!」
ストーム・トルーパーの誰かが呟く。
怖気付くトルーパーを放置して、Aウィングに積んであった爆弾をテレキネシスでばら撒く。意識のあったトルーパーは、まずいと思ったのか格納庫から逃げていった。
ハンガーで大爆発が起これば、スターデストロイヤーでも墜とせるだろう。
「第二の宣戦布告、ってね。」
そう言って、起爆させる。
ウォーカーやTIEファイターが爆発する中、私はハンガーから逃げて、脱出ポッドに飛び込んだ。射出ボタンを叩き、スターデストロイヤーから離れれば、船はあちこちで爆発連鎖していた。
生命維持システムだけ残して脱出ポッドのエンジンを落とすと、爆破したスターデストロイヤー以外は消えていた。幸い、船の残骸のお陰で感知されなかったけど、これでは反乱軍にも見つけてもらえない。
なんか既視感があるけど、気のせいだ。
私はただ、漂うだけ。
「突っ込むんじゃなかった……」
後悔しても、後の祭り。見つけてくれるまで待つしかない。帝国が私を見つける前に、反乱軍に見つけてもらわないとまずい。
ポッドの中で正座し、目を閉じる。
フォースと繋がって瞑想を始めた。
意識の底に、黒い靄が見える。今の私は、光明面と繋がっている。つまり、この靄は暗黒面、闇の帳だ。
その時、ハイパースペースからコムルク級ファイターが現れ、ハッチが開かれる。
「ナイトブラザーの船?」
脱出ポッドはファイターに回収され、船はハイパースペースへと入る。
ポッドで待っていれば、赤いライトセーバーが突き刺され、抉じ開けられた。
「やはり、お前はまともじゃない。」
赤いダソミリアン・ザブラク、モールが私を見下ろす。
そういえば、何気に初対面だわ!
ナブーの封鎖戦では、モールが来る前に船に戻ってるし。アミダラ女王が戻る時も、付いていってないし。クローン戦争中も、厄介者として聞いていただけ。マンダロア封鎖戦でも、捕らえたと聞いていただけ。
本当に一度も会っていないとか、逆に奇跡じゃね?
「初めまして?」
「ふざけているのか?」
「冗談。なんでこんなところに?」
ついさっきまで、帝国軍と反乱軍が戦っていたのに。ずっと隙を狙っていたらしい。なんて周到な奴。
「お前に用がある。」
「は?私?」
「そうだ。あぁ、反乱軍と連絡が取りたいだろう。通信機を貸してやる。しばらく戻らんと伝えろ。」
「いやいや、待ってよ。素直に連絡するわけないでしょ。」
モールは帝国に次ぐ脅威、第2位。安易に連絡すれば、反乱軍を更に危険に曝す。私がその危険を招くわけにはいかない。
「またお前を放り出してもいいんだぞ。」
「それは困る。元いた場所に戻すなんて、トゥーカじゃないんだけど?」
あれ?また既視感?私は捨て猫じゃないのに。あ、オビ=ワンにも似たようなこと言われたわ。
「俺は本気だからな。」
「分かったよ!手は貸す!けど、反乱軍には自分の回路を使うから。」
「それなら早くしろ。通信するなら今だぞ。」
ファイターの受信機をハックして、フェニックス艦隊に連絡を取る。ケイナンの呆れる顔が目に浮かぶ。何これ、父親に連絡するのを嫌がる小娘みたい。
ん?私悪くなくない?
迷子って、私のせい?
お待たせしました。
クローンウォーズの最終回観てて、モールいいなって思ってw
なんだかんだで初登場www