尋問官がライトセーバーを突こうとした瞬間、船が揺れる。小さな揺れではなく、大きな揺れだ。私も尋問官も体勢を崩し、床に手を突く。
これは、攻撃されたような揺れだ。
尋問官は、艦長に連絡する。
「何があった!?」
『敵襲です!』
「敵襲だと!?反乱軍か!!」
『いえ、奴らは、』
艦長の声は途切れ、雑音に変わる。艦内にアラートが鳴り響き、船が攻撃を受けていることを知らせる。ただ、この攻撃は反乱同盟軍じゃない。
反乱軍の攻撃は、ここまで荒々しくない。
「お前の仕業か?」
「そうだといいけどね。」
「何だと?」
「私は初めから誰も宛にせず、投降した。なのに、援軍が来た。これは、私の援軍じゃない。」
私が予期した援軍じゃない。
この先は、私にも予期できない。この船で死ぬかもしれない。たけど、この尋問官は止めなければならない。
「まだ終わってない。この部屋から出るなら、片方が死ぬ時だよ。」
「上等だ。殺してやる。」
尋問官は赤いライトセーバーを起動させ、何度も振ってくる。私はそれを必死に避ける。だけど、勝ち目のない戦いなのに、負ける気はしなかった。
私は壁に追い詰められ、尋問官は嫌な笑みを浮かべる。
「お前の負けだ。」
「あんた、勘違いしてるよ。」
「何がだ?」
「ジェダイにとって、勝ち負けは関係ない。重要なのは、生き残ること。」
そう言うと、尋問官はライトセーバーを真っ直ぐ突く。怒りの一撃は、隙を生む。私はその隙を狙った。
ライトセーバーの剣筋を、フォースを使って逸らす。完全に逸らすことはできず、光刃は左腕の二の腕を貫いた。だが、それは百も承知。貫かれたまま、尋問官のライトセーバーで手錠を壊し、右手で奴の胸倉を掴む。渾身の力で尋問官を組み伏せた。
「なっ…動け、」
なぜ動ける?
尋問官がそう言いたいのが分かった。続きを言わせず、奴を玉座の後ろの窓に叩き付ける。窓の外では、TIEファイターとインターセプターが戦っている。窓にヒビが入り、私の企みに気付いた尋問官は、すぐに焦り始める。
「おい、まさか、」
「道連れって、良い言葉だよね。」
「やめろおおおおおおっ!!!」
全力でフォース・プッシュして、窓を割る。窓の近くにいた尋問官は外に吸い出され、帝国のTIEファイターにぶつかり死んでしまった。TIEファイターにぶつかるのは、さすがに予期してなかった。
私はドア横のオブジェに掴まり、吸い出されるのを防ぐ。
しかし左腕は怪我で使えない為、右腕だけで掴んでいる。通常はシステム上、窓が割れたらシャッターが閉まるが、まだ閉まらない。その前に、私が力尽きそうだ。
左腕の前に、背中も負傷している。限界は、すぐそこまで迫っている。もう掴んでいられず、心の中で悲鳴を上げた。
そして、ついに手が離れる。
「っ……!」
死ぬ。
そう思った瞬間、誰かに右手首を掴まれた。
「アリス!!」
一番会いたかった人が、目の前にいた。彼は私を必死に引き留めて、オブジェに掴まっている。意識が飛びそうになるのを、懸命に保つ。
ようやくシャッターが閉まり、私は“ダンタム”の上に崩れ落ちた。
「ダンタム、ありがとう……」
「無事で良かった。」
彼の顔を見た瞬間、私は気を失った。
───────……
気を失ったアリスを抱えながら、ルードはコムリンクを取り出す。
「ゲレラ、アリスを見つけた。すぐに脱出する。」
『了解した。ハンガーに行け。回収に向かう。』
ルードはアリスを抱えて、部屋を脱出する。
艦内のトルーパーは既に脱出済みで、彼の逃走を止める者はいなかった。
ハンガーに着いたルードを、ゲレラの改造シャトルが迎えに来る。ルードが乗り込むと、シャトルはハンガーを後にする。シャトルが離れた後、スターデストロイヤーはケイト・ニモーディアの森に墜ちていく。
ルードは、その光景を無言で見つめる。
「議員さんよ、そいつ一人の為に危険を冒したのか?」
「ああ。」
「帝国は黙っちゃいないぞ。」
「それで良い。私は議員を辞めるつもりだ。」
「議員にしちゃあ気に入ったぜ。」
“パルチザン”の戦隊はハイパースペースへ入り、ケイト・ニモーディアから去る。
アリスは応急処置が行われ、傍らではルードが見守る。銃座からはヘクターが降りてきて、彼もアリスの傍らに腰を下ろす。
「議員、遅くなってしまい申し訳ありません。」
「いや、いいんだ。戻ってきてくれて感謝する。」
ヘクターはクローン戦争の後、自分でバイオ・チップを摘出していた。ジェダイが粛清された後、反乱同盟軍ができるまでは、退役を待たずに姿を消していたのだった。アリスはそれを知らなかったが、あえて探すこともしていなかった。
そして今回、ルードの声が掛かり、反乱活動に手を貸すことになった。アリスの救出は、その一環だった。ヘクターは無愛想ながらも、アリスを助けに向かうことに同意した。
アリスとヘクターの関係は、今でも変わっていない。
「議員、将軍は大丈夫だ。」
「分かっている。」
医療ドロイドによってアリスに点滴が打たれ、ルードとヘクターは部屋を出て行く。
部屋を出たルードは、コックピットへ行きゲレラに声を掛けた。
「ゲレラ、協力感謝する。」
「俺は構わないが、この後はどうする?」
「反乱軍の、フェニックス艦隊を探してくれ。」
「承知した。」
パルチザンの戦隊は、フェニックス艦隊がいる範囲に指針を執る。
フェニックス艦隊と合流した過激派の彼らが、冷めた視線を向けられるのはお約束だった。
アリスは、眠り続けていた。
彼女の意識が戻ったのは、3日後のことだった。
───────……
気を失ってから3日目に、目を覚ました。
左腕に点滴に繋がれて、左の二の腕がズキズキする。背中は治ったらしいけど、二の腕は3日じゃ治ってくれないみたいだ。
段々と我に返り、スターデストロイヤーでのことを思い出す。
「やらかした………」
何をって、たくさんある。
自分からシディアスに会いに行って、暗黒面に惑わされた。しかも尋問官に殺されかけ、挙句の果てにダンタムの前で気絶。失態ばかりで、ダンタムに顔向けできない。
起き上がろうとして、私はベッドから落ちて痛みに踞る。
「いってぇ……何これ……?」
ライトセーバーの傷って、こんなに痛いっけ?
そもそも、私はどこにいるんだろう。
「なっ……ドアをロック…だと……!?」
これはあれか。脱走対策か。反乱軍の人達、絶対私をトゥーカだと思ってる。脱走しようとしたのは間違いないけど、私は断じてトゥーカじゃない。
仕方なく、ドア横の通信機を使うことにした。
何この手間めんどくせぇ!!!
反乱者たち編、長いだろうか?
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長ぇ。さっさとローグワン編に行け。
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全然!作者のペースで!
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Let's ダークサイド♪