【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

70 / 173
健やかなる時も、病める時も。

尋問官がライトセーバーを突こうとした瞬間、船が揺れる。小さな揺れではなく、大きな揺れだ。私も尋問官も体勢を崩し、床に手を突く。

 

これは、攻撃されたような揺れだ。

 

尋問官は、艦長に連絡する。

 

 

「何があった!?」

『敵襲です!』

「敵襲だと!?反乱軍か!!」

『いえ、奴らは、』

 

 

艦長の声は途切れ、雑音に変わる。艦内にアラートが鳴り響き、船が攻撃を受けていることを知らせる。ただ、この攻撃は反乱同盟軍じゃない。

 

反乱軍の攻撃は、ここまで荒々しくない。

 

 

「お前の仕業か?」

「そうだといいけどね。」

「何だと?」

「私は初めから誰も宛にせず、投降した。なのに、援軍が来た。これは、私の援軍じゃない。」

 

 

私が予期した援軍じゃない。

 

この先は、私にも予期できない。この船で死ぬかもしれない。たけど、この尋問官は止めなければならない。

 

 

「まだ終わってない。この部屋から出るなら、片方が死ぬ時だよ。」

「上等だ。殺してやる。」

 

 

尋問官は赤いライトセーバーを起動させ、何度も振ってくる。私はそれを必死に避ける。だけど、勝ち目のない戦いなのに、負ける気はしなかった。

 

私は壁に追い詰められ、尋問官は嫌な笑みを浮かべる。

 

 

「お前の負けだ。」

「あんた、勘違いしてるよ。」

「何がだ?」

「ジェダイにとって、勝ち負けは関係ない。重要なのは、生き残ること。」

 

 

そう言うと、尋問官はライトセーバーを真っ直ぐ突く。怒りの一撃は、隙を生む。私はその隙を狙った。

 

ライトセーバーの剣筋を、フォースを使って逸らす。完全に逸らすことはできず、光刃は左腕の二の腕を貫いた。だが、それは百も承知。貫かれたまま、尋問官のライトセーバーで手錠を壊し、右手で奴の胸倉を掴む。渾身の力で尋問官を組み伏せた。

 

 

「なっ…動け、」

 

 

なぜ動ける?

 

尋問官がそう言いたいのが分かった。続きを言わせず、奴を玉座の後ろの窓に叩き付ける。窓の外では、TIEファイターとインターセプターが戦っている。窓にヒビが入り、私の企みに気付いた尋問官は、すぐに焦り始める。

 

 

「おい、まさか、」

「道連れって、良い言葉だよね。」

「やめろおおおおおおっ!!!」

 

 

全力でフォース・プッシュして、窓を割る。窓の近くにいた尋問官は外に吸い出され、帝国のTIEファイターにぶつかり死んでしまった。TIEファイターにぶつかるのは、さすがに予期してなかった。

 

私はドア横のオブジェに掴まり、吸い出されるのを防ぐ。

 

しかし左腕は怪我で使えない為、右腕だけで掴んでいる。通常はシステム上、窓が割れたらシャッターが閉まるが、まだ閉まらない。その前に、私が力尽きそうだ。

 

左腕の前に、背中も負傷している。限界は、すぐそこまで迫っている。もう掴んでいられず、心の中で悲鳴を上げた。

 

そして、ついに手が離れる。

 

 

「っ……!」

 

 

死ぬ。

 

そう思った瞬間、誰かに右手首を掴まれた。

 

 

「アリス!!」

 

 

一番会いたかった人が、目の前にいた。彼は私を必死に引き留めて、オブジェに掴まっている。意識が飛びそうになるのを、懸命に保つ。

 

ようやくシャッターが閉まり、私は“ダンタム”の上に崩れ落ちた。

 

 

「ダンタム、ありがとう……」

「無事で良かった。」

 

 

彼の顔を見た瞬間、私は気を失った。

 

───────……

 

気を失ったアリスを抱えながら、ルードはコムリンクを取り出す。

 

 

「ゲレラ、アリスを見つけた。すぐに脱出する。」

『了解した。ハンガーに行け。回収に向かう。』

 

 

ルードはアリスを抱えて、部屋を脱出する。

 

艦内のトルーパーは既に脱出済みで、彼の逃走を止める者はいなかった。

 

ハンガーに着いたルードを、ゲレラの改造シャトルが迎えに来る。ルードが乗り込むと、シャトルはハンガーを後にする。シャトルが離れた後、スターデストロイヤーはケイト・ニモーディアの森に墜ちていく。

 

ルードは、その光景を無言で見つめる。

 

 

「議員さんよ、そいつ一人の為に危険を冒したのか?」

「ああ。」

「帝国は黙っちゃいないぞ。」

「それで良い。私は議員を辞めるつもりだ。」

「議員にしちゃあ気に入ったぜ。」

 

 

“パルチザン”の戦隊はハイパースペースへ入り、ケイト・ニモーディアから去る。

 

アリスは応急処置が行われ、傍らではルードが見守る。銃座からはヘクターが降りてきて、彼もアリスの傍らに腰を下ろす。

 

 

「議員、遅くなってしまい申し訳ありません。」

「いや、いいんだ。戻ってきてくれて感謝する。」

 

 

ヘクターはクローン戦争の後、自分でバイオ・チップを摘出していた。ジェダイが粛清された後、反乱同盟軍ができるまでは、退役を待たずに姿を消していたのだった。アリスはそれを知らなかったが、あえて探すこともしていなかった。

 

そして今回、ルードの声が掛かり、反乱活動に手を貸すことになった。アリスの救出は、その一環だった。ヘクターは無愛想ながらも、アリスを助けに向かうことに同意した。

 

アリスとヘクターの関係は、今でも変わっていない。

 

 

「議員、将軍は大丈夫だ。」

「分かっている。」

 

 

医療ドロイドによってアリスに点滴が打たれ、ルードとヘクターは部屋を出て行く。

 

部屋を出たルードは、コックピットへ行きゲレラに声を掛けた。

 

 

「ゲレラ、協力感謝する。」

「俺は構わないが、この後はどうする?」

「反乱軍の、フェニックス艦隊を探してくれ。」

「承知した。」

 

 

パルチザンの戦隊は、フェニックス艦隊がいる範囲に指針を執る。

 

フェニックス艦隊と合流した過激派の彼らが、冷めた視線を向けられるのはお約束だった。

 

アリスは、眠り続けていた。

 

彼女の意識が戻ったのは、3日後のことだった。

 

───────……

 

気を失ってから3日目に、目を覚ました。

 

左腕に点滴に繋がれて、左の二の腕がズキズキする。背中は治ったらしいけど、二の腕は3日じゃ治ってくれないみたいだ。

 

段々と我に返り、スターデストロイヤーでのことを思い出す。

 

 

「やらかした………」

 

 

何をって、たくさんある。

 

自分からシディアスに会いに行って、暗黒面に惑わされた。しかも尋問官に殺されかけ、挙句の果てにダンタムの前で気絶。失態ばかりで、ダンタムに顔向けできない。

 

起き上がろうとして、私はベッドから落ちて痛みに踞る。

 

 

「いってぇ……何これ……?」

 

 

ライトセーバーの傷って、こんなに痛いっけ?

 

そもそも、私はどこにいるんだろう。

 

 

「なっ……ドアをロック…だと……!?」

 

 

これはあれか。脱走対策か。反乱軍の人達、絶対私をトゥーカだと思ってる。脱走しようとしたのは間違いないけど、私は断じてトゥーカじゃない。

 

仕方なく、ドア横の通信機を使うことにした。

 

何この手間めんどくせぇ!!!

 

 

反乱者たち編、長いだろうか?

  • 長ぇ。さっさとローグワン編に行け。
  • 全然!作者のペースで!
  • Let's ダークサイド♪
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。