シャトルは程なくして、フェニックス艦隊に合流した。
ラワイズ議員の息子は、コマンダー・サトーと話し合い、フェニックス艦隊に加わることになった。彼は私よりも、父親が死んだ元凶である帝国、ひいては皇帝を倒す為に反乱活動をしていたという。ラワイズ議員とは違って軍事知識はあまりないが、ブラスターの扱いには申し分なかった。充分戦力にはなるだろう。
そして戻る途中、アソーカの存在が消えたのを感じた。
私が完治して復帰する前に、ケイナンとエズラを連れてマラコアへ行くと聞いていた。知ってはいたけど、チョッパー基地のフェニックス艦隊に合流したケイナンとエズラを見て、心が潰れそうだった。
アソーカは消失、ケイナンは視力を失った。エズラは暗黒面に誘われて、危険な道に踏み込もうとしている。フォースの意志は、残酷だ。
「アリス………」
エズラの呼び掛けに応えられず、私は安全地帯から離れた。
ポシェットからメモリークリスタルを取り出し、手の平に浮かべる。
この16年間、私は一度もこの記録を開いていない。記録に頼らず、フォースの導きに従ってきた。なのに、従ってきた結果がこれだ。
状況は、悪い方に進んでいる。
「アリス、今いいか?」
「ケイナン、何?」
クリスタルを仕舞い、聞き返した。
ケイナンは私の隣に正座し、長い息を吐く。
「シスの暗黒卿が、マラコアに現れた。あんたは何を知っている?」
「今になって私の助言を?」
「アリスの言葉を聞きたいだけだ。」
少し考えた後、私は口を開く。
「未来を知ってるって言ったら?」
「何だって……?」
「これから反乱軍がどうなるか、銀河はどう変わるか知ってる。」
「………なぜ今になって反乱軍に加わった?」
答えは、偽善だ。
私の自己満足。反乱軍に加わって帝国を掻き回せば、シディアスを惑わせられると思ったんだ。尚且つ、帝国に向き合うことで、銀河を変えられると勝手に思っていた。
だけど、皇帝と対面したことで、その想いは変わった。
「皇帝は、私が知られたくないことを知ってる。私が大切にしているものを、あいつに壊されたくない。だから、ジェダイとして戦うと決めた。」
安全地帯に戻ろうと、私は立ち上がる。
「アリス、アソーカがここにいたら、」
「アソーカはいない。」
アナキンとパドメもいない。私に残されたのは、ダンタムだけ。彼まで失ったら、私の心は折れる。
「そんな表情はやめてよ。」
「俺は、あんたが力を求めているように見える。」
「………」
「当たりか?」
「やめて。」
「ジェダイ聖堂で暗黒面の恐ろしさを説いたあんたが、暗黒面に手を出すのか?」
「やめてってば!」
手は出さない。ダンタムと約束したから。ここにはいないオビ=ワンにも、失望されたくない。
「………頭を冷やしてくる。」
安全地帯には戻らず、一山越えたところで立ち止まった。腰を下ろそうとすると、突然頭痛がした。ひどい痛みに、頭が割れそうだ。
次の瞬間、意識を引き摺り込まれ、私は暗い部屋にいた。
振り向くと、もう一人の私が椅子に座っていた。拘束はされていなかった。なぜなら、その私は抜け殻だから。
鎮静剤の投与で、動けないようにされている。
拘束しただけでは、私が脱走するのは分かりきっているからだ。それなら、動けなくすればいい。その結果が、鎮静剤の過剰投与。
『お前の愛情が、お前の首を締める。』
どこからか、マスター・プロの声がする。
マスターの言葉は的を射ている。でも、愛情は捨てられない。この感情は、私のものだ。
『アリス、教えを忘れるな。』
マスターの教え、それは守る為に戦うこと。ジェダイの根本的な存在意義であり、あるべき姿。今の私は、その教えからかけ離れている。
『ジェダイは、護り手だ。』
分かっています、マスター。
私はジェダイ。シディアスも認める、型破りなジェダイだ。私の概念は、私だけのものだ。誰にも奪わせない。
次に聴こえたのは、シディアスの低い笑い声だった。
『力こそ全て。暗黒面の力は、通常では為し得ないことを可能にする。』
その声で、私の意識は現実に戻った。
暗黒面に呼ばれている証拠だ。私を呼び続けている。シディアスの声が、今もはっきり頭に残っている。
私を感知するのも、時間の問題。
「あのクソジジイ………」
安全地帯に戻り、R7-D4を探す。
仕事中のR7を引っ張っていき、頼みがあると話す。長い付き合いの私にR7は嫌だと言うが、今回だけだと告げる。本当に、今回だけだ。
「お願い、R7。」
悲しそうなバイナリーに、R7を撫でる。
「みんなの為だから。あんたの為にも、ダンタムの為にも。今回だけ。」
基地の様子を一瞬だけ見て、R7に伝言を残し、記録が入っているクリスタルはすぐにライトセーバーで壊した。
今後は、記録には頼らない。
「ダンタムとケイナンの気を逸らして。私がここを離れやすいように。………そう、お別れ。大丈夫、死なないから。」
私が頷くと、R7はダンタムの下へ行き、私から離れたところに誘導する。それを確認したところで、私も空いているシャトルのハッチを開ける。ハイパードライブの状態を確認して、反乱軍との回路を閉じた。
エンジンを起動すると、反乱軍の隊員が何か叫んでいるのが窓から見えた。私はそれに構わず、シャトルを発進させる。軌道に出た後、ハイパードライブを作動させ、ハイパージャンプした。
これから、帝国と交渉する。
私が歴史に介入したことで、良くない未来が見えた。来たるべき戦いに備えて、私はシディアスと向き合わなければならない。あいつのことだから、抹殺命令を出していても殺しはしないだろう。
全ては、平和な未来の為に。
反乱者たち編、長いだろうか?
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長ぇ。さっさとローグワン編に行け。
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全然!作者のペースで!
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Let's ダークサイド♪