同時刻、ルードはR7-D4に連れられてケイナンの下へと向かう。R7はケイナンが呼んでいると言ったが、嘘だった。ケイナンに引き合わせられたルードは、R7-D4に壊れたのかと問う。
しかし、R7は故障なんてしていない。
「R7、これはどういうことだ?」
「………何かおかしい。R7-D4、何をさせたいんだ?」
2人の怒りを感知したR7は、慌てて逃げる。だが、それを見逃す2人ではない。ケイナンがR7を捕まえ、問い質す。
「答えろ。アリスの仕業か?」
「待て、ケイナン。アリスはどこだ?」
誤魔化そうとするドロイドに、ルードはR7に迫る。
その時、基地の外れにあるシャトルが発進した。正反対の場所にいるケイナン達は、その騒ぎの理由を知らない。ケイナンはそのシャトルを探るが、何も得られなかった。
そこへ、騒がしさの答えを教えるように、隊員からルードに通信が入る。
『議員、申し訳ありません!』
「どうした?」
『マスター・レインがっ……!』
その言葉に、ルードはリベレーターに走る。
疑いたくなかったが、ルードはその予感を掻き消すように全力で走った。息を切れ切れにブリッジに駆け込み、通信パネルを操作する。アリスの乗るシャトルに繋ごうと試すが、ブロックされて不可能だった。
パネルを殴ったルードは、そのまま蹲ってしまう。
「まさか……そんな………」
追い付いたケイナンは、ルードの傍らに寄る。ケイナンの後ろのドロイドに気付いたルードは、R7-D4を揺すり責める。その表情に、R7は苦しそうな感情になっているのだと認識した。
「R7!お前がいながら、なぜアリスを行かせた!?」
「議員、」
「アリスのことは、私よりもよく分かっているだろう!!」
分かっているから協力したのだと、R7-D4は答えた。
クローン戦争中、アリスは相棒に綻びがあると言った。自分が歴史に介入したことで、いくつかの誤差が生じたと、彼女はドロイドに話した。自分のせいじゃないと逃げて、生じたそのバグを自分で正す。バグを正さなければ、シスは更に力を付けると気付き、彼女は反乱軍に加わったのだった。
ところが、アリスがヴィジョンで見た未来は、それより悪い未来だった。
皇帝がアリスを諦めない限り、反乱軍は巻き添えを食らうことになる。その未来を避ける為、彼女は皇帝を拒むことをやめた。最愛の夫を守る為に。
「議員、R7-D4はアリスのドロイドじゃない。そうだろう、R7?」
ケイナンの問いに、R7は肯定する。
元々はアリスのマスター、プロ・クーンのドロイドだった。ジェダイ・オーダーがなくなり、主がいなくなったドロイドを、彼女が勝手に連れ回していただけ。つまり、R7-D4に持ち主はいない。
ただ、アリスとは信頼関係が深いだけだった。
「どういう意味だ?」
「今はR7-D4の持ち主はいません。形式上は反乱軍に属していますが、アリスが持ち主でもない。だから、R7がアリスに絶対忠実なわけじゃない。」
「っ!R7、“妻”は何を置いていった?」
ルードが問うと、R7はボディの中からアリスのライトセーバーを取り出す。
アリスが去る直前、R7は彼女のライトセーバーを預かっていた。リベレーターの一室に置いていけば、丸腰で行くことが“夫”に知られる。だから彼女は、唯一の武器をR7-D4に預けた。誰にも言わないように、と。
だが、R7-D4はアリスに忠実ではない。こうして、ケイナン達に教えている。それだけ、アリスの盲点だった。
「ライトセーバーを………なぜ?」
その瞬間、R7はホログラムを投影する。
アリスがR7-D4に、自身のライトセーバーを預けた時のやりとりだった。
『R7、あんたにこれを預ける。』
屈み込むアリスは、R7に何かを手渡す。その手にあったのは、ライトセーバーだった。ホログラムだが、ヒルトがはっきり映っていた。
『丸腰?それでいいの。その方が帝国も信じてくれる。何をって、私の申し出をだよ。あんたにも言えない。R7、それを持ってるって誰にも言わないで。自殺行為みたいなことをしてるって、ダンタムを悲しませてしまうから。お願い、相棒。』
ホログラムが消えて、2人は口を噤む。このホログラムで、アリスの行動が分かってしまったからだ。彼女は、帝国と何かを交渉しようとしてる。
その内容は分からないが、アリスが無謀なことをしようとしているのは2人共理解できた。
「追うな?追うに決まっているだろう!」
止めるR7を無視するが、ルードはケイナンにも止められる。
「今回は不可能です、議員。」
「不可能だと!?何を根拠に、」
「貴方を愛したからです。議員、ジェダイが愛情を覚えてはいけない理由を、知っているはずだ。」
「ああ、知っているとも!執着の原因になり得るからだろう!」
「それだけじゃない。貴方を失うことを怖れた。アリスは、貴方を傷付けないように離れたんです。」
もしも暗黒面に呑まれてしまったら、最愛の人を傷付ける。そうでなくても、悲しませないように離れたのだった。
「今追えば、アリスを追い詰めることになる。必要なら、貴方に助けを求めるはずです。その時が来たら、貴方の下へ戻ってくるでしょう。」
「………」
「アリスが何を信じていたか、分かりますか?」
「………希望だろう。」
「ええ、そうです。その希望の為に、アリスは貴方を信じています。我々も信じましょう。」
ルードは頷き、一人ブリッジを出て行く。
彼はアトロンのコーラル・メサを抜けて、センサー・マーカーの前に立ち尽くす。隣にいないアリスを、心配せずにはいられなかった。だが、ルードは信じるしかない。
大きな闇は、すぐ側にある。
書いてて思った。
第三者視点苦手です。
反乱者たち編、長いだろうか?
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長ぇ。さっさとローグワン編に行け。
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全然!作者のペースで!
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Let's ダークサイド♪