【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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操り人形は笑わない

数ヶ月後。

 

エズラは尋問官の一人に苦戦していた。

 

ルードとエズラの2人は、ガレルに訪れていた。そこで、待ち伏せしていたかのように、マスクをした尋問官が現れたのだ。ルードはある目的の為に先を行き、エズラが尋問官を引き受けたのだった。

 

若きジェダイは、赤いライトセーバーを防ぐのが手一杯だった。尋問官の力強い押しに、エズラは体勢を崩す。その隙を突かれ、エズラはフォース・プッシュされて壁に背を打つ。

 

 

「クソッ……!」

 

 

一言も話さない尋問官に、エズラは恐怖を感じずにはいられなかった。

 

だが、ここで尋問官を倒さなければ、道は更に険しくなる。エズラは意を決して、ライトセーバーを握り締める。その感情に、尋問官はようやく口を開いた。

 

 

『………無駄なことを。』

「何だと?」

『ここで死ねば、楽になれるぞ。アリス・レインのように。』

「お前がアリスを殺したのか!?」

『そうだと言ったら?』

 

 

怒りを露わにして、エズラは尋問官に突っ込んでいく。

 

 

『愚か者め。』

 

 

そう言うと、尋問官はエズラをフォース・チョークする。動きを封じられたエズラは、必死に抵抗した。彼はフォースで看板を落とし、尋問官の気を逸らす。看板で気を逸らしている間に、エズラは更にスピーダーをけしかける。

 

その隙に、エズラは尋問官から逃げ出した。

 

コムリンクで合流したルードと、使い古されたドッキング・ベイに潜む。

 

 

「エズラ、無事で良かった。」

「アリスを探すどころじゃない。議員、ここは一旦帰るべきです!」

「ダメだ。最後の痕跡が、ここなんだ。必ず見つける。」

「さっき、あの尋問官が言ったんだ。アリス・レインのように、って。もし、殺されていたら……」

「やめろ。」

 

 

アリスが死んだと、ルードは認めたくなかった。何ヶ月も待ったのだ。彼に引き返すという選択肢はない。

 

 

「議員……」

「アリスは生きている。」

 

 

ルードは、拳を握り締める。

 

これが悲劇の序章だと、2人は知る由もなかった。

 

エズラとルードが逃げた後、尋問官はスターデストロイヤーの薄暗い一室に入った。その意識は虚で、椅子に座ると手足に錠がかけられる。その様子を、スローンが見下ろしていた。

 

 

「エズラ・ブリッジャーを殺し損ねたな。躊躇ったか。」

『躊躇いなどない。“邪魔”が入ったせいだ。』

「まだ抵抗するか。」

 

 

スローンの指示で尋問ドロイドが現れ、尋問官に薬品を投与する。更に薬を追加され、注射を打たれる。薬が効き始めると、拘束が外され、尋問官は自由になった。

 

 

「同じ失態を犯せば、我々が手を下す。」

『もう失態などない。次は仕留める。』

 

 

ライトセーバーを手に、尋問官は部屋を出ていく。それを、スローンは冷めた笑みで見送る。一人になったスローンは、通信を繋いでプロジェクターを起動する。

 

ホログラムに映ったのは、皇帝だった。

 

 

「皇帝陛下」

『新しい尋問官はどうだ?』

「“邪魔”が入り、一度失敗しました。しかし、薬を追加して自我を弱めました。」

『よろしい。くれぐれも油断するでないぞ。』

「承知しております、陛下。」

 

 

通信を切り、スローンは部屋を出ていく。

 

ブリッジに戻り、パトロール・トランスポートが地上に降りていくのを見つめた。計画に失敗はない。予定通りだと、スローンは満足げに笑う。

 

流れは、大きく変わる。

 

────────

 

真っ暗だ。

 

私は今、真っ暗な空間にいる。辺りは、暗黒面のフォースで満たされている。どれだけここにいるのか分からない。

 

早く脱出しないと、頭がおかしくなりそうだ。

 

 

『お前がアリスを殺したのか!?』

『そうだと言ったら?』

 

 

遠くから声が聴こえる。尋問官と、エズラの戦いだ。あの尋問官は、普通の尋問官じゃない。エズラが潰されてしまう。

 

あいつを止めなきゃ。

 

フォースに集中して、尋問官の動きを封じた。その隙に、エズラは逃げてくれた。ダンタムと一緒に、このまま逃げてほしい。

 

尋問官はパトロール・トランスポートに乗り、スターデストロイヤーに戻ると、薄暗い一室へ入って行く。奴が椅子に座ると、手足を固定され、スローンが姿を現した。スローンは尋問官に薬を大量に投与して、それを眺める。

 

薬が効き、私の意識は遠退き始め、自分が置かれている状況を理解した。

 

ただただ、ダンタムに謝るしかなかった。

 

────────

 

ドッキング・ベイに隠れているエズラとルードが見つかり、2人は帝国軍から逃げる。

 

エズラがルードを誘導し、宇宙港の密集地から離れようとすると、2人は帝国軍に囲まれる。帝国軍を率いているのは、マスクをした尋問官。エズラがライトセーバーを起動したのを見て、尋問官もライトセーバーを取り出す。

 

 

『さっさと逃げればいいものを。』

「アリスはどこだ!?」

『言ったはずだ。アリス・レインは死んだ、と。諦めの悪い奴らだ。』

「そんなはずはない!私には分かる!彼女は生きている!」

『信じたければ信じればいい。お前達も、あの女と同じ末路を辿れ。』

 

 

尋問官がエズラに向かっていき、ライトセーバーを振り被る。エズラは咄嗟に防御し、刃を回して尋問官に足払いをかける。難なく避けると、尋問官はエズラの首を絞める。

 

 

「っ……!」

『未熟者め。その程度で反乱をしていたとは、つくづく呆れる。』

 

 

本気の殺意に、エズラの意識は落ちようとしていた。そこにルードがブラスターで、尋問官の気を自分へ向けさせる。エズラを離した尋問官は彼の狙い通り、標的をルードに変えた。

 

ルードはフォース・プッシュされ、コンテナに背を打つ。彼が当たったコンテナはへこみ、尋常ではない力だと分かる。手加減する気のない尋問官は、蹲るルードの前に立つ。

 

 

『大人しく傍観していれば助かったのに、弱い男だ。あの女もさぞ失望しているだろう。』

「彼女はそんな人じゃない!」

『お前は何も知らない。死んで奴に聞くがいい。』

「やめろおおおおおっ!!!」

 

 

尋問官は、赤いライトセーバーを振り下ろす。ルードは腕で顔を覆い、その痛みを待った。しかし、いつまで経っても彼に痛みは来なかった。

 

尋問官は寸止めの如く、ギリギリのところでライトセーバーを止めていた。

 

 

『クソ……!邪魔しやがって!!!』

 

 

尋問官は呻き出し、自分の近くにいるストーム・トルーパーの数人を切り殺す。更に動揺する帝国軍を、フォース・プッシュして全トルーパーを押し飛ばした。呻き続ける尋問官は、ライトセーバーで自らの手の甲を突き刺す。

 

その間にルードが離れ、エズラは尋問官に切りかかる。

 

 

「エズラ!!!」

 

 

エズラのライトセーバーが尋問官の右肩を貫き、コンテナを背に体勢を崩す。それだけでは倒れず、尋問官は声を張り上げる。だが、その言葉は2人に向けたものではなかった。

 

 

『“お前”は黙っていろ!!』

 

 

誰かに向かって叫んだその言葉に、2人は頷き合う。

 

ルードは走りながら尋問官を撃ち続け、エズラは反対から向かっていく。ルードのレーザー弾がマスクに当たり、エズラは尋問官がふらついたのを狙ってフォース・プッシュする。

 

尋問官は今度こそ倒れ、動かなくなった。

 

 

「議員!何をしているんですか!」

 

 

ルードは尋問官に近付き、屈み込む。その手は、マスクを掴んでいた。エズラの呼び声に、ルードは静かに答える。

 

 

「もしこの尋問官がアリスを殺したのなら、彼女を殺したその顔を拝んでやりたい。」

 

 

ルードは、ゆっくりとマスクを外す。曝された素顔に、彼は血の気が引いた。それは、エズラも同じだった。

 

信じられない事実に、エズラとルードは言葉が出なかった。

 

倒れているのは、ずっと探していたアリス・レイン、本人だった。

 

 





操られる=暗黒面に落ちるではありませんw
と、言い張ります。

iPhoneケース来る前にローグワン編迎えそうな勢いなんですけど、次進んでいいですか?www
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