たまにはドロイドに主役を譲ろう
私達は今、元分離主義同盟の基地にいる。
帝国の封鎖を抜けて、大昔に使われていた基地に入ったのだった。
そこには、ヴァルチャー・ドロイドとドロイド・トライ=ファイターが60体程残っている。ヘクターとウォルフは嫌そうな顔をしたけど、今回の主役はこのドロイド達。このドロイド達に指示を出すのが、チョッパーの役目だ。
「本気でこいつらを使うのか?」
「カラス、ドロイド・トライ=ファイターは共和国にとって厄介だった。帝国にも厄介なはずだよ。」
「分かった。聞こうじゃないか。」
ドロイド・トライ=ファイターは、ディスコード・ミサイルを搭載している。そのミサイルの中に入っているのは、バズ・ドロイド。奴らは撃ち込まれた船に張り付き、船体を破壊する。おまけに、TIEファイターでは小さすぎて正確に狙えない。
それを全部説明すると、カラスは納得してくれた。
「あ、私達も戦う前提だからね?」
「将軍!?」
「気は確かですか!?」
「至って真面目だから。ヘクター達はあのシャトルを使って。」
「あんたはどうする?」
カラスの問いに、私は秘密と言って教えなかった。
「貴女はまた……!良からぬことを考えてますね!」
「落ち着いてよヘクター、いつものことでしょう?」
「プロ将軍が嘆きますよ!」
「待って、それはずるいよ、ウォルフ。」
マスターの名前を出すなんてずるい。
今回は、私もいろいろ考えている。分離主義派のドロイドを選んだり、チョッパーの手を借りたり、これでも考えた方だ。私流のやり方だけど。
「その良からぬことが、帝国に打撃を与えるんだよ。ほら、始めるよ。R7、基地の電力を立ち上げて。」
R7に電源を入れさせると、ドロイド達の電源も入る。チョッパーが予め命令を吹き込み、命令を受けたドロイドはすぐに基地を飛び立つ。これで、陽動作戦が始まった。
「シャトルに!」
シャトルに乗り込み、軌道上へと出る。
スターデストロイヤーは私達に気付くが、時既に遅し。ヴァルチャー・ドロイドがスターデストロイヤーを攻撃していく。ドロイド・トライ=ファイターがディスコード・ミサイルを撃ち、バズ・ドロイドがブリッジと動力室に侵入する。
さすがクローン軍も手間取ったドロイドだ。
「本当に大変だったよねぇ……」
「アリス、何を年寄りみたいなことを………」
「え?だって、もう40歳過ぎてるけど?」
「………そうでした。」
ヘクター、わざとなの?ねぇ?わざと?
確かに40歳超えてますよ。産まれたのはクローン戦争の20年少し前なんだから。身体が老けないとは言っても、そういうところで年齢を実感しちゃうんだよね。
座席を立ち、貨物室への梯子に足をかける。
「じゃあ、ちょっと行ってくるね。」
「「どこに行く気ですか!?」」
クローン2人が止めてようとしてきて、それをR7が邪魔する。作戦を知っているのは、R7-D4とチョッパー、私だけ。R7が私の指示で貨物室へ降りると、カラスまで止めようとしてきた。
「R7!アリス!何を企んでいる!?」
「んー、R7が帰ってからのお楽しみ!」
貨物室からR7を送り込み、私は相棒が戻ってくるのを待つ。R7-D4は優秀なドロイドだ。スターデストロイヤーといえど時間はかからない。
そして、R7は私の作戦通りに“TIEインターセプター”を運んできた。
さすが相棒!!!
ヘクター達が来ない内に乗り込み、レバーを引く。TIEインターセプターは急発進して、ドロイドとTIEファイターの戦いの中へ突っ込む。その光景が目に入ったのか、耳が痛くなるようなカラスの怒声が通信機から聴こえてくる。
『あんたは何をやっているんだ!!!』
「カラス、声量下げよう。」
『言っている場合か!』
「大丈夫、任せて。」
シャトルも加勢して、スターデストロイヤーを守るTIEファイターを撃ち落としていく。バズ・ドロイドがリアクターを破壊したようで、スターデストロイヤーは傾き始める。今回は墜とす予定じゃなかったけど、潰しても問題ないよね。
そこへ、ゲイレン・アーソの娘の捜索チームから通信が入った。
『こちら“フルクラム”。聴こえますか、“クラッシャー”?』
「誰がクラッシャーだこの野郎。」
フルクラムは暗号名だ。通信の相手は、キャシアン・アンドー。反乱軍の工作員だ。
ヤヴィン4からの通信ということは、もうゲイレンの娘を見つけたのか。
ていうか、私の暗号名はいつクラッシャーになった!?
「つまり、戻れってことでしょ?」
『そうです。時間稼ぎはもう充分です。』
「了解。すぐ戻る。」
通信を切って、コムリンクでヘクター達に連絡を取る。
「ヘクター、帰還命令が来た。すぐ戻るよ。」
『了解しました。TIEインターセプターから降りてください。』
「お迎えよろしく。」
ドロイド達がTIEファイターの相手をしている間に、私はシャトルに横付けする。エンジンをオーバーヒートさせてからシャトルに乗り込んで、TIEインターセプターを離れる。生憎、私は綺麗に返してあげる程優しくない。
「ハイパージャンプして!」
TIEインターセプターが爆発したのと同時に、シャトルはハイパースペースへと入る。
任務は無事に完了した。
「アリス」
「はい、何かな、カラス?」
ベンチで寝そべっていると、カラスがコックピットから降りてくる。
「あれが作戦だったのか?」
「そうだよ。私達の任務は、帝国の気を逸らすことだったから。」
そうでなければ、あそこまで暴れない。
「だからと言って……!あんたはやりすぎだ!」
「別に問題はないでしょう?」
「道理でシンドゥーラ将軍が浮かない顔をしていたわけだ!」
「今なんて?」
「シンドゥーラ将軍だ。」
「その後!何、浮かない顔って?」
私の問いに、カラスは口籠る。
そもそも、なぜカラスが付いてきたのか分からなかった。ヘクターとウォルフは分かるけど、カラスまで潜んでいたのは、本当に予期できなかった。まさか、ヘラがきっかけだったなんて……
「ヘラは将軍だし、私の任務のことは知ってるよ。もしかして、ヘラのその反応を見て来たの?」
「“ジェダイには見えない”って言われないか?」
「よく言われます。」
これでもジェダイ・マスターなのよ。不本意ながら称号を与えられたものだけどね。会う人みんなにジェダイらしくないと言われる。
「適材適所ってあるでしょう?モスマ議員もちゃんと分かってて、私にこの任務を出したんだよ。逆に私が捜索に向かってたら、未来が変わってたよ。」
「未来……?」
「知ってると思うけど、ジェダイは未来を予期する。反乱軍の評議会と私で話して決まったことだから。はい!この話終わり!チョッパーホロチェスやろー!!」
チョッパーを呼んで、休憩室にあるホロテーブルのデジャリックに誘ってみた。一度遊んでみたかったんだよね、これ。人の対戦見てて、楽しそうだなぁって思ってたんだ。
シャトルがヤヴィン4に着くまで、私とチョッパーは延々とデジャリックをやっていた。
勝敗?ドロイドの頭脳に勝てるわけないじゃん!