今の状況を説明しよう。
私は今、ウォーカー5機に追われている。クレニックという長官が私の参戦を知り、AT-ATを投入してきた。砲弾が撃たれる場所は分かるが、フォースの幻影とはいえ、これはさすがに手間がかかりそうだ。
埒が明かないと思い、反対方面に切り返してウォーカーの足元に走る。ライトセーバーでAT-ATの足を切り、フォースで押して2機潰した。次に辺りの岩をフォースで持ち上げ、目の前のウォーカー2機目掛けて放つ。視界を塞がれたAT-ATは方向を変えて、味方のウォーカーに体当たりしてしまう。2機が倒れ、私は残り1機のウォーカーにフォース・ジャンプで跳び乗り、ハッチをライトセーバーで抉じ開ける。
「なっ……!」
「離れろ!」
中のトルーパーがブラスターを撃ってくる。私はそれを避け、ライトセーバーでブラスターを壊した。トルーパーの射線はパニックで逸れ、予知する必要もなかった。
「あんた達、そこから出てもらうよ。」
「な、なんだ!?」
「身体が……!」
「うわああああああっ!!」
トルーパーを外に放り出し、私はウォーカーの中に入る。
帝国の司令部に連絡を繋ぎ、音声通信をする。
「ここの責任者を出して。」
『私が長官のクレニックだ。ジェダイまで来るとは、反乱軍も本気らしい。どうやってスカリフに着陸した?』
「あんたに教える義理はない。知ってる?大昔、ジェダイは一人で軍と戦ったんだよ。」
そう言って、通信を切断する。
ウォーカーの中から出て、下に降りると同時にAT-ATの頭を切り落とす。制御を失ったAT-ATは、真っ直ぐ前に倒れた。ここはこれで終わりだ。
次は……
「あっちだね。」
帝国の安全管理施設を見上げる。
その施設へ走り、見張りのトルーパー達をフォースで左右に押し飛ばした。
「あー、やらかした。パスワード式とかアナログすぎるでしょ。」
トルーパーを潰すんじゃなかった。今時パスワード式のドアとか、どんだけアナログなの。まぁ問題ないけど。
ライトセーバーをドアに突き刺し、丸く円を描く。その中心を蹴り飛ばし、向こう側のトルーパーの何人かに当たって倒れて、私は穴を潜る。しかし、トルーパーは沸いてくるもので、すぐに応援が駆け付けた。
「動くな!!」
一斉にブラスターを私に向け、トルーパーの隊長が牽制してくる。
これで、少しは時間が稼げただろう。ジンとキャプテン・アンドーは今頃、シタデル・タワーにいるはずだ。あとは、彼らが設計図を奪取するだけ。
私はそろそろ時間切れだ。
「トルーパーの皆さん、私というジェダイの的を撃ちたいだろうけど、もうお別れしなきゃ。」
「は……?」
「では、ご機嫌よう。」
意識を引き戻され、スカリフから私の姿が消えた。
フォースの幻影って、とても疲れるんだよね。下手したら戻れないし。この後すぐ戦えって言われたら、シンジケートですかって言いたくなる。
シャトルで目を開けた私の前には、ダンタムとR7-D4がいた。R7は別として、なぜダンタムがいるんだ。ヤヴィン4にいるはずなのに。
「えっと、何してるの?」
「前回それをやった時のことを忘れたのか?」
「あはは、まっさかー。」
笑ってはいるけど、実はそんな元気はない。以前使った時のことを知っているとはいえ、ダンタムにはお見通しだった。いくら若い身体のままでも、フォースの幻影を長時間飛ばし続けたら疲れる。
「アリス」
「分かってる。ごめん。でも、すぐにスカリフに行かなきゃ。反乱艦隊は?」
「プロファンディティが向かった。」
「ラダス提督が?」
「ああ。だから君は、」
「ダメ、行かなきゃ。ヴェイダーが来る。」
設計図を守る為に、多くの高官が来る。無事に撤退できるとは思えない。帝国も必死なんだ。
「どうしてもか?」
「どうしても。」
そう懇願すると、ダンタムは折れた。
「では、私も行く。」
「え」
「君を一人にしたくない。」
「待って、」
「待たない。もう決めた。」
ダンタムはそう言って操縦席に座り、レバーを引く。目的地は、スカリフ。今度は、夫であるダンタムと向かうことになる。
私の心を、不安が埋め尽くす。
「不安なのは私も同じだ。だが共に戦えば、乗り越えられる。」
「………そうだね。」
ダンタムは反乱司令部に連絡し、そのままスカリフへ向かう旨を伝える。私はともかく、ダンタムは議員だから止められたが、彼は司令部の制止を聞かなかった。私の為に、来ると決めたんだ。
「ダンタム、生きて戻ったら評議会から外されるよ。」
「構わない。行動できる時に行動しなくては、反乱軍の意味はない。君の言う通り、可能性がある限り戦わなければ、希望も消える。」
全ては帝国、皇帝を倒す為だ。
シディアスに希望は理解できないだろう。シスに希望はない。理解できないから、小さな反乱の火も消そうとした。
火は消そうとすればするほど、勢いを増す。
それが反乱軍だ。
────────
その頃、オーガナの養女であるレイアは、ホロ通信で父に言われたことを思い出していた。
タナヴィーⅣは、ラダス提督のプロファンディティで修理中のままスカリフへ向かっていた。ハイパードライブの修理も不完全で、懸念材料が多いが、レイアはそれを承知で父からの依頼を引き受けていた。
『レイア、レイン将軍と合流したら、彼女の傍を決して離れるな。』
「どういう意味ですか?」
『レイン将軍は気まぐれ者だが、ジェダイとしての実力は確かだ。クローン戦争を生き抜いた猛者でもある。お前を守ってくれるだろう。』
「お父様……」
『幸運を祈る。』
プロファンディティはハイパースペースを抜けて、スカリフの軌道へと出る。そこへアリスのシャトルも現れ、続いてXウィングなどのスターファイターも到着する。アリスのシャトルは反乱司令部の指示通り、プロファンディティにドッキングする。
レイアはアナウンスで、アリスとルードが砲台へ向かったことを知る。
『こちらレイン。オルデランのお姫様、聞こえますか?』
女性の声に、レイアは通信に応答する。
「聞こえます、レイン将軍。レイア・オーガナです。」
『私は砲台へ向かいます。この戦いの目的をご存知ですか?』
「ラダス提督から既に聞いています。希望の為の戦い、と。」
『その通りです。決してタナヴィーから出ないでください。貴女も希望なのです。』
レイアは、アリスの言う希望の意味が分からなかった。希望はデス・スターの設計図であって、自分ではない。なのに、彼女は自分を希望だと言う。
答えが分からない彼女は、ジェダイの言い回しだと自分に言い聞かせた。
レイアは通信を切った後、船長に指示を出す。
「アンティリーズ船長、至急ハイパードライブの修理を終わらせてください。」
「しかし、どんなに急いでもタトゥイーンに着くか着かないかの修理になってしまいます。」
「構いません。一度ジャンプできれば充分です。」
「承知しました。」
到る箇所で、希望の光が灯っていた。
レイア、アリス、ジン………
彼女達は、戦いは長くはならないと知る由もなかった。アリスの予期通り、反乱軍と同じように、帝国も必死だった。余裕のない帝国に、容赦はない。
戦いは激しさを増していく。