それから数分後のことだった。
タナヴィーは光速航行が続けられず、もうすぐ目的地というところでハイパースペースを抜けてしまった。私はブリッジに走るが、辿り着く前にスターデストロイヤーから攻撃を受け始める。シールドが保つはずがなく、船は更に大きく揺れる。
ブリッジに走り続けていると、私を探しに来たレイアと出会した。
「レイン将軍!」
「姫!?なぜブリッジを離れたんですか!」
「父が緊急時に貴女から離れるな、と。」
「逆です!私と一緒に行動してはいけません!」
必死に考えて打開策を練るが、どのプランもレイアが危険に曝される。
「アストロ・ドロイドはいますか?」
「R2-D2、至急こちらに来てください!」
レイアはコムリンクでR2-D2を呼び出す。オマケにC-3POもいるだろうけど、今必要なのはR2-D2だ。
「それで?この船の目的地はどこでしたっけ?」
「タトゥイーンです。ケノービ将軍に助けを求めるはずでしたが、それは叶いそうにありません。」
「オビ=ワン!?」
「ええ。彼の助けを得るなら、設計図を手に入れた今しかありません。」
「確かに。今なら、あの人も来てくれる。あ、R2!」
私を憶えていたR2-D2は、嬉しそうな反応をする。R2が喜ぶところ申し訳ないが、今の状況では一番厄介者だ。私はジェダイだ。レイアの身を危険に曝すことになる。
「分かってる、分かってるよ。レイアは私が何とかする。R2、極秘任務があるの。」
「え……?」
レイアを名前呼びしたことで、彼女は目を見張る。
R2-D2がバイナリーで言ってきたのは、レイアを守ってほしいということ。R7と同様に生意気だけど、とても優秀なドロイドだ。優先事項は分かるはずだ。
「貴女、父とどういう関わりが……?」
「ベイル・オーガナ議員とは、クローン戦争の頃から親しくさせてもらっていたの。姫、貴女が産まれた時もね。」
「齢47とは本当だったのね。」
「年齢は言わないで!あ、気軽にアリスでいいから。」
間も無く、タナヴィーは拿捕される。その前に、設計図を遠くへ持っていかなくてはいけない。帝国が奪い返す前に。
「R2、設計図と“これ”、預かってて。」
私のライトセーバーを渡し、R2-D2のボディに仕舞わせる。
私が戦えば、レイアも攻撃される。その為の武器を持っていては駄目だ。私もレイアも丸腰なら、まず私を無力化しようとするはずだ。
恐らく、尋問されるだろう。
「レイア、設計図のディスクをR2-D2に。」
レイアがディスクをR2のボディに入れようとしたところで、船がまた激しく揺れる。
「レイン将軍……アリス、R2-D2に設計図を預けるなら、ドロイドを船から逃がしましょう。」
「それなら、良い方法がある。」
レイアの手を引き、私は脱出ポッドへ向かう。
有機物である人間が乗れば探知されるけど、無機物のドロイドなら探知されない。つまり、無事に船を降りられる。私が乗ろうものなら、確実に撃ち落とされる。
脱出ポッドが死に場所なんて、絶対嫌だ。
「脱出ポッドにドロイドを入れるのね?」
「そういうこと。それとレイア、オビ=ワンにメッセージを。私が見張るから。」
「分かりました。」
ライフ・ポッドのエリアの陰に隠れて、見張りをする。
見張りを始めたのも束の間、2人のトルーパーがこちらに向かってくる。片方のトルーパーをフォースで押し飛ばし、もう一人はラリアットして気絶させた。ここまで簡単そうに見えるけど、音もなくっていうのは難しい。
『レイン将軍────』
通信が妨害され、声が途切れる。
その瞬間、頭に声が響いた。
『反乱同盟軍の基地はどこだ!!』
ヴェイダーの声が、はっきりと聴こえる。
『お前が口を割らなければ、姫が死ぬぞ。』
それは脅しだった。ヴェイダーはレイアではなく、私に口を割らせようとしている。尋問ドロイドでは効果がないから、奴は拷問を選ぶ。
直後に聴こえたのは、自分の悲鳴。
苦痛の奥に、暗黒面の力を感じる。恐怖を抑えなければ、ヴェイダーの思う壺だ。奴を怖れてはいけない。
まさか、今になって拷問されるとは想定してなかった。
『アリス・レイン、反乱軍が滅ぶのは変わらないぞ。お前の希望も、ここで消え去るのだ。』
その声の後、私は床に膝をついていた。やけに鼓動がうるさい。たった数十秒のことなのに、息が苦しい。
トルーパーの足音が聴こえて、拾ったブラスターを構える。
動揺している場合じゃない、戦わなきゃ。
次回、エピソード4に突入します!