尋問って、結局拷問だよね。
コルベットがスターデストロイヤーから逃げられるわけがなく、タナヴィーはトラクター・ビームに捕まってしまった。
タナヴィーはスターデストロイヤーのハンガーに格納されて、私はレイアの下へ駆け寄る。
「レイア、時間切れだよ。R2は?」
「ディスクとメッセージを託して、行かせました。」
レイアはそう言うと、倒れたトルーパーのブラスターを拾う。近付く足音に構えて、襲撃に備える。私が彼女の前に出て構え、彼女のブラスターを下ろさせる。
「何をしてるの!?」
「私も戦うのよ。」
「ダメ!」
言っている間に、トルーパーが脱出艇エリアへ入ってきて、私とトルーパーの撃ち合いになる。
「レイア!奥へ!」
「貴女も、」
「私はいいから!」
「っ……」
レイアが奥へ行き、私はフォースでトルーパーを引き摺り出しながら撃っていく。
「っ!!!」
手の甲にレーザー弾が擦り、身を隠す。大丈夫だ。大した傷じゃない。
「攻撃を止めろ!仲間は捕らえたぞ!武器を捨てるんだ!」
そう言ってトルーパーの隊長は、奥で倒れているレイアを拘束していた。武器を投げ捨て、私は無言で手を上げる。膝をつかされ、上げた腕は後ろ手に錠をかけられた。
「立て。」
黙って従うと、レイアが起こされて、彼女も立たされる。
「貴方達!私は元老院議員です!こんなことをして、」
「レイア、帝国軍には関係ないよ、そんなの。」
「さっさと歩け!」
背中を押されて、脱出艇エリアから連れ出される。他の隊員も、頭に手を置いて連行されていた。隊員達と別れると、私とレイアの前にヴェイダーが歩いてくる。
「随分と横暴ですね、ヴェイダー卿。元老院がこのことを知ったら、」
「姫、下手な芝居はやめろ。アリス・レイン、設計図をどこに隠した?」
「さぁ、何のこと?」
「私達は外交任務中です。彼女は一般市民として、同行しているのです。」
「一般市民?白々しい。レイン、お前が反乱軍の一員だと分かっている。」
ヴェイダーの怒りが、ひしひしと伝わってくる。
「残念だけど、私達は何も持ってないから。」
「そうか。だか、今回は甘くないぞ。有益な情報を吐くまで、自由はないと思え、アリス・レイン。二人を連れていけ。」
トルーパーに肩を掴まれ、スターデストロイヤーに連行される。レイアとは別の独房に入れられて、私は尋問台に固定される。今抵抗すれば、レイアや隊員達の命はない。
「おい、中の女のことを知っているか?」
独房の外から、見張りのトルーパーの会話が聴こえる。
「当然知ってるさ。唯一確認されている、ジェダイなんだってな。ていうか、あれで50代ってあり得ないだろ。」
「おい!私は47だから!鯖読むな!」
つい訂正してしまった。
あーもう、拘束具がうるさい。ここまでして私を拷問したいのか、ヴェイダー。あいつの言う有益な情報なんて、何一つ持ってないのに。
「ドアを開けろ。」
ヴェイダーが独房に入ってきて、拘束された私を見下ろす。
何も言わないヴェイダーに、こっちから口を開いてやった。
「さて、どうするの?」
「お前に聞きたいことがある。」
「あんたの設計図とやらは知らないよ。」
「それのことではない。レイン、スカリフの地上にはどうやって降りた?」
「あぁ、そのことか。」
ヴェイダーもシディアスも知らない、ジェダイの古い技だ。報告を聞いていたようで、ヴェイダーは私が使った技について問う。だが、奴の言う通り甘くはない。
「どうせあんたには使えないんだし、聞くだけ無駄、っ……」
フォースで首を絞められ、言葉が途切れる。
「お前の恐怖の対象はなんだ?」
「誰が言うか……!」
「さぁ、心を開け。」
フォース・チョークから解放され、今度は顔に手の平を向けられた。
ヴェイダーは私の感情を読もうとするが、心を無にして感情の壁で阻む。そして、脳裏に浮かんだのはダンタムだった。奴はそれを読み、一人納得する。
「ダンタム・ルードか。あの男を愛しているのか。」
「うるさい。」
「事実だ。お前にあの男を愛する権利はない。」
「権利なんて必要ない。私達はお互いを必要としているだけ。あぁ、あんたには分からないだろうけどね。」
私はアナキンが歩けなかった道を歩いている。だから、ヴェイダーは私を理解できない。どうして互いを許せたのか、分からないだろう。
「で?恐怖の対象?今はないよ。」
「では、拷問に切り替えるしかないようだな。」
恐怖の対象がないなら、苦痛しかない。ヴェイダーは本気だ。だが、私も簡単には折れない。
「苦痛に屈するとでも?」
「レイン、ジェダイではないお前のことは知っているんだぞ。アナキン・スカイウォーカーとの関係が、その証だ。忘れたとは言わせん。」
「それ自分で言う?」
「良かろう。泣き叫ぶまで続けてやる。死を懇願しても、終わると思わないことだ。」
ヴェイダーは、独房を出て行く。
どうやら、スターデストロイヤーがデス・スターに着いたらしい。私は尋問台から降ろされて、スターデストロイヤーから連れ出される。トルーパーに引き摺られてデス・スターの司令センターに入ると、ヴェイダーを中心に会いたくない面々が揃っていた。
「これはこれは!貴女を捕獲できるとは光栄だ。」
「ターキン、久しぶりだねぇ。捕獲って、私のこと?」
「他に誰がいる?」
「聞いた私が悪かったよ。あぁ、ユラーレン大佐。いつぶり?」
「貴女がルード議員を人質にした時以来だ。しかし、彼を救う必要はなかったらしい。あの時まとめて“処理”していればと、後悔している。」
「それはどうも。」
ターキンにユラーレン、その他にも高官が揃っていた。設計図を盗まれたことは、相当深刻だという証拠だ。それだけ、反乱軍は注視されている。
反乱軍の影響は、確実にある。
「皇帝陛下に従えば、ジェダイは滅びるも同然だというのに。まだ抗うか?」
「あいつ……皇帝が生きている限り、銀河に平和はない。私にも平穏は訪れない。帝国を潰す為なら、私は反乱軍に手を貸す。」
私の潰す宣言に、高官達は騒めく。ジェダイが、帝国に逆らうと宣言しているんだ。これを本気と捉えない将校はいない。
「拷問は確定だ、ヴェイダー卿。」
「仰せのままに。」
ヴェイダーは頷き、ターキンに指示されて私を独房へ連れていく。
これから名ばかりの尋問が始まる。実際は拷問だけど、手加減はされない。最早、情報を引き出す為ではない。
背筋が凍り、自分は怖れていると気付かざるを得なかった。