《注意書き》
拷問シーンがあります。
流血、薬物投与など、過激な描写です。
耐性のある方のみ、スクロールしてお読みください。
尚、気分を害されても責任は負えません。
薬がアリスに投与された直後、レイアの独房にターキンが入ってくる。非戦闘員も同様のレイアは拘束されておらず、寝台に座っていた。独房のドアが閉まり、彼女は警戒する。
そんなレイアに、ターキンが口を開く。
「姫、反乱軍の基地はどこにある?」
「何度言えば分かるんです?私は反乱同盟軍とは無関係です!」
「だが、アリス・レインと行動していたのは事実だ。あの女は反乱軍の将軍。もしかすると、レインの方が有益な情報を持っているかもしれんな。」
その時、アリスの絶叫が外から聴こえてくる。絶叫を聞き、レイアは逸らしていた視線をターキンに向ける。アリスが何をされているか、容易に理解できた。
「アリスに何をしているの!?」
「大したことではない、少しばかりもてなしているだけだ。」
「もてなしですって!?あれでは拷問よ!」
「それなら貴女が代わるか?」
「っ……!」
レイアは顔を真っ青にさせる。
「貴女が傷付けば、あの女の心も折れるだろう。だが、情報は手に入らない。」
「誰が言うものですか!今すぐやめさせて!」
「それは無理だ。では、こうしよう。貴女が黙り続ければ、レインに投与する薬を増やしていく。」
「薬……?」
「開発中の痛覚過敏剤だ。」
開発中と聞き、彼女はターキンを蔑んだ目で見る。非人道的な行いだということは、誰が見ても明らかだ。反乱軍が潰されれば、こんなことがまかり通ってしまうと、レイアは悟る。
「アリスを実験台にしたのね!なんてことを……!」
「姫、口を閉ざすのは構わんが、あの女の“もてなし”は終わらないぞ。」
ここで一旦、アリスの絶叫が止まった。その後に、ヴェイダーがレイアの独房に入ってくる。ヴェイダーはレイアの感情を探り、口を開く。
「終わった、の……?」
「いいや、まだだ。レインは情報を吐いていない。」
「ヴェイダー卿、1時間毎に薬を増やせ。」
「情報を引き出す前に、レインが精神を崩壊させたら意味がないと思うが?」
「っ!」
二人の会話に、レイアは手を握り締める。
「姫、あの女を助けたいのなら、情報を吐くのだ。」
「嫌です。決して話しません。」
「全く、揃いも揃って頑固だ。仕方あるまい。姫、貴女にも尋問ドロイドを使わせてもらおう。」
レイアは、情報を明かせばアリスが殺されると思っている。その為の拷問だと捉えていた。アリスが処刑されることはないが、ヴェイダーとターキンはレイアがそう受け取るように仕向けていた。
そして、拷問されているアリスも意図を察していた。
『レイア!耳を塞いで!!』
フォースの力で届いた声に、ターキンは驚愕する。身も心もボロボロのはずなのに、己よりレイアを気にしている。ジェダイを知るターキンでも、信じ難いことだった。
「アリス……!」
「ヴェイダー卿、“拷問”を再開しろ。」
ターキンは、もう“もてなし”とは言わなかった。
「お任せを。」
「やめて!!」
「余所見をしている暇はないぞ。」
尋問ドロイドが、レイアに迫る。
────────
痛覚過敏剤を投与されて、私は拷問された。
まず電気を流された。痛みの感度が上がっているせいで、想像を絶する苦痛が私を襲った。何度も意識が飛びかけたが、別の薬を使われ、気絶は許されなかった。
それでも折れない私に、ヴェイダーが使ったのはごく普通のナイフだった。
ムスタファーの時と同じように、奴は左肩を貫く。流れた血がアームカフに流れて、象られた黄色いスターバードが赤く染まる。御守りだったカフが血に染められ、抑えていた苦痛がひどく苦しくなった。電流による痛みとは違って、痛みが残る。
私の絶叫は、呻き声に変わる。
ヴェイダーは一旦拷問をやめ、独房を出てどこかへ消える。恐らく、レイアの独房だ。あの子が絶叫を聞いていたら、私のせいで怯えているかもしれない。
フォースを使って、私はレイアに聴こえるように、ありったけの声を張り上げた。その声で、ヴェイダーが戻ってきて、拷問が再開された。傷口を見下ろして、思わずヴェイダーに吐き捨ててしまう。
「ライトセーバーを使わないなんて………」
ライトセーバーは傷口が焼けるから、血は流れない。視覚的にも、感覚的にも、奴は私に痛みを与えたいんだ。既に精神が擦り減っているというのに。
何より、アームカフを汚してしまったことがショックだった。
「言ったはずだ。お前の弱みは分かっている。」
「この……!」
「その怒りと憎しみを、力に変えれば良いものを。」
電気が流され、再び絶叫する。
ダンタムと、暗黒面に手を出さないと約束している。ここで呑まれたら、彼に合わせる顔がない。耐えなければ、私は私ではなくなる。尋問官にされた時のように。
また意識が飛びそうになるが、薬で引き戻されて拷問が再開される。その繰り返しだ。息は切れ切れで、心臓が破裂しそうだ。
「気絶は許さんぞ、レイン。」
「悪趣味……」
「そう言えるのは今だけだ。」
今度は別のシリンジが用意され、首筋に刺された。その薬品は刺された部分から焼けるように熱くなり、薬というよりも毒のようだった。全身が熱を持つまで、時間はかからなかった。
「何これ………」
「気付いているだろう。投与したのは強い筋弛緩剤だ。まもなく、身体の自由が利かなくなる。痛みに足掻くこともできず、苦痛から逃げることもできない。」
何が残るかと言えば、反射的に出てしまう絶叫だけ。痛みに悲鳴をあげれば、それでいい。ヴェイダーは、私にはっきりそう言った。
「死にたければ、泣き叫んで乞え。そうすれば、望み通り殺してやる。」
容赦のない言葉に、敵意が篭った目をヴェイダーに向ける。私の変わらない態度に、奴は電圧を上げる。痛みが強くなって、絶叫しかできず、もう喋る余裕すらなかった。
「これがアリス・レインか。弱い女だ。」
ヴェイダーは呆れるように言い放ち、拷問を止める。中断された理由は、ターキンに呼ばれたからだ。筋弛緩剤を使われても、五感は残っている。
ターキンに何かを言われ、奴は独房を出て行った。
虚な意識の中、気付いたら死を望んでいた。