R2が持つデス・スターの設計図が抽出され、情報部が分析をする。
だが、ここで問題が発生した。
「ダメだ。」
「行かせて。」
「ダメだと言っているだろう。」
「お願い。」
「ダメだ!」
私とダンタムの押し問答が起きている。
事の発端は、分析が完了して、軍議が終わった後のことだった。
デス・スターの脅威は本物だけど、リアクターさえ破壊すれば、連鎖反応で破壊できると判明した。小型機なら、子午線トレンチを飛んで、排熱孔に命中させることができる。そう説明され、私もインターセプターに乗るつもりだった。
ところが、怪我人認定された私はドクターストップを食らった。
医療ドロイドだから、ドクターストップではないけど。
「何をしているんです?」
出撃前のルークが、一歩離れて私達を見る。
「スカイウォーカー、言ってやってくれ。アリスはこの状態で、Xウィングに乗ろうとしている。怪我人に許可は出せない。」
「………頑固者め。」
「聞こえているぞ。本当なら、バクタ・タンクに突っ込みたいくらいだ。」
「アリス、ルード議員は正しい。ファルコンで倒れた貴女は乗るべきじゃない。」
「倒れた……?」
ルークが爆弾を落としていき、私はダンタムを見る。
ソレハイッテナカッタナー。
「………アリス。」
「ハイ」
「即タンクに入るか、デス・スターの破壊を見届けてからタンクに入るか、どちらがいい?」
「後者の方がいいです……」
「よろしい。」
2人で司令部へ行くと、デス・スターがヤヴィンに現れたと報告を受けた。やっぱり追跡装置があったみたいだ。まだ射程圏内には入っていないけど、いずれは圏内に入る。
「アリス!?」
「安心してくれ、姫。後でタンクに入ると約束させた。」
「そうでしたか、良かった。」
デス・スターを破壊できたら、の話だ。
Xウィングの部隊がヤヴィンを離れ、展開する。
「各隊隊長、点呼せよ。」
『了解。………各機、準備良し。』
その時、誰かの視線を感じた。味方のものじゃない。これは、ヴェイダーのものだ。
奴が、私を見ている。
「アリス、どうした?」
「何でもない。」
明確な敵意を返すと、その視線は消えた。ヴェイダーが私を見てきたのは初めてだ。シディアスと同じようなことしやがって。
「各中隊長へ。レーダーに敵の戦闘機を捉えた。警戒せよ。」
『計器には何も映らないぞ!』
当然、帝国軍も対抗してくるだろう。
各中隊がTIEファイターに応戦し、一機ずつ墜としていく。
『ルーク!ケツに一機尾かれたぞ!』
心配になってフォースで探ると、ルークのXウィングに異変を感じた。飛べなくはないけど、一度離脱した方がいい。案の定、ルークはレッド・リーダーに安否確認された。
『レッド5、どこにいる?レッド5、応答しろ!』
『振り切れない!』
レーダーを見ると、レッド5機をTIEが狙っていた。それを、間一髪でウェッジ・アンティリーズが撃ち落とした。
『ゴールド中隊、突入する!』
『こちらレッド中隊、了解!』
ゴールド中隊が子午線トレンチに突入する。
それとほぼ同時に、デス・スターの射程内のカウントダウンが短くなった。
「射程内到達まで5分!」
これが成功しなければ、私達はあと5分でお陀仏だ。
ルークとフォースを信じよう。
『新たな敵機が現れたぞ!』
ヴェイダーだ。奴自らTIEに乗って迎撃してきている。一旦引かせないと、撃ち落とされる。フェニックス艦隊のように。
「ゴールド中隊!その一機に注意して!」
ゴールド中隊が退避して、レッド中隊の3機が子午線トレンチに突入する。その中には、ルークもいる。その3機を追って、ヴェイダーも子午線トレンチまで突入する。
残り1分。
レイアと顔を合わせて、レーダーに視線を戻す。
『ルーク、なぜ自動照準装置を切る?』
『大丈夫だ、任せてくれ。』
強いフォースを感じる。
オビ=ワンの声が聴こえて、信じろと言われた。信じないわけがない。アナキンの息子だ、彼ならやれる。
「射程圏内に入りました!」
ヴェイダーがルークを撃ち落とそうとした時、レーダーにファルコン号が映る。更には、ヴェイダーに従っていたTIE2機がファルコンに撃墜された。これで、ヴェイダーのみだ。
次の瞬間、レーダーが高温を感知して、デス・スターが消えた。
私達はまだ生きている。
思わずダンタムを抱き締めた。
「アリス!」
「っ……!」
自分からハグしておいて、肩の傷に当たって痛いと呻く。
とりあえず、ターキンザマァ。
「ダンタム、随分満足そうだね?」
「当然だろう。君を傷付けた要塞が消えたんだ。満足だ。」
「愛してる!」
人前だけど、つい言ってしまった。
「よく喧嘩しねぇよなぁ。」
「当たり前だ。こんなん見たら、喧嘩なんてするわけないだろ。」
オペレーターの、若者2人の会話が聴こえた。
喧嘩しないのは、毎度どちらかが折れているからだ。お互い夫婦という自覚がないし、互いを支えているからできる。そうでなければ、私達は結婚すらしない。
「君はまた人前で……」
呆れつつも、今度はダンタムから抱き締められる。彼の肩越しにオビ=ワンの霊体が見えて、私は笑みを浮かべた。彼も私を見て、安心したような表情をした後、姿を消した。
遠くにいたが、彼の言葉はしっかり聴こえた。
オビ=ワンが告げた言葉に、私は意を決する。