勝利の祝典が行われ、ルークとソロはメダルが授与された。
私はといえば、ダンタムとの約束通りバクタ・タンクに入っていた。
パドメとアナキンの結婚式も見れず、ルークの晴れ舞台も見れず、私はいつになったらスカイウォーカー家の祝い事を直接見れるのか。
それから半月後、オビ=ワンの望み通りにルークの下へ来ていた。
「ヘイ!ルーク!」
「え?アリス?」
「君はフォースを知りたいかい?」
少しふざけたが、内容は至って真面目だ。ルークも最初こそ、何言ってんだこいつ、という顔をしてきたが、すぐに理解したようだった。慌てて寝台から立ち上がり、再確認する。
「本当に!?」
「うん。」
「………」
「ん?」
「どういう心境の変化ですか?」
決断した理由はたくさんあるが、まずオビ=ワンの言葉が大きい。彼の言葉がきっかけで、ルークの訓練を決断した。あとは、ダンタムに後押しされたことも大きい。
「オビ=ワンの頼みだから。」
「ベンの?」
「教えることは、自身の成長にも繋がる。オビ=ワンがそう言ってきた。私も未熟だし、まだまだ学ぶことは多いけど、それでも良ければ。」
「お願いします!」
なんだかんだ言って、私も初弟子だ。しかも、ルークのマスター。私に先生役が務まるか怪しい。
「でも、貴女が未熟だなんて……」
「私が未熟じゃなかったら、今頃もっと元気だよ。」
「………」
「そこは否定しようね?」
おかしいなー。違うよ!って言ってくれると思ったのに。ルークまでそういう認識だなんて、お姉さん泣いちゃう。あ、お姉さんじゃないや、おばさんだった。
「そういうことだから。ヤヴィンを離れた後に訓練を始めるよ。あ、今まで通りフランクな対応でいいし、名前呼びでいいから。」
「あ、ちょっと!」
司令部に呼ばれているから、颯爽とルークの部屋を出て行く。
その前にダンタムの部屋へ行き、自分の荷物を開ける。大した荷物の量じゃないけど、その中にはオビ=ワンのライトセーバーが入っている。それを手に取り、プラズマの刃を出す。
今後の為に、使わせてもらおう。
「アリス、何をしている?」
「大丈夫。すぐ行くよ。」
ダンタムに連れられて、司令部へと向かう。
司令部にはモスマ議員に、ドドンナ将軍、レイアがいた。3人に挨拶した後、モスマ議員が本題へと入る。今回呼ばれたのは、私がモスマ議員に話があると言ったからだ。
「レイン将軍、お話とは何でしょう?」
「将軍の務めを解任してほしい。」
「え!?」
レイアが驚いて、裏返った声を上げる。
何も、反乱軍から抜けるわけじゃない。夫であるダンタムにも言ったが、反乱軍には残る。ただ、私が将軍のままだと、自由に動けないからだ。
「ルークを鍛えることにした。」
「それは本当か!?」
「嘘は言いません。」
「アリス、将軍のままでも……」
「ジェダイとしての役割を全うするなら、今までのようにはいかない。私に教え子を守る責任が生まれる。」
反乱軍の将軍として厳しく接するか、ルークの師として全てを叩き込むか。どちらか一択だ。両方は選べない。私も、そこまで器用じゃない。
「分かりました。御武運を、“マスター・レイン”。」
「ありがとうございます。」
これからは、将軍ではない。ただのアリス・レインとして、帝国と戦う。ルークを鍛えれば、あの子が最後のジェダイになる。
ジェダイ・マスターの私は必要ない。
帝国との戦いが終わったら、ダンタムと2人で静かに過ごしたい。
────────
某宙域、スターデストロイヤーにて、ダース・ヴェイダーは閉ざされた部屋で、ホログラムの皇帝に跪いていた。
反乱軍にデス・スターを破壊され、アリス・レインも逃がした。皇帝からの叱責は免れられない。ヴェイダーは文字通り格下げされ、タッグ大将軍の指揮下に追いやられたのだった。
『ヴェイダー卿、余に報告せねばならんことがあるだろう。』
「………ありません。」
『では、アリスはなぜこの場におらぬ?』
皇帝は、アリスの脱走を許したヴェイダーに怒りを抱いていた。統合本部は、設計図が奪われて必死だったことは言うまでもない。しかしデス・スターの力を過信して、反乱軍の攻撃を防げず、アリスの脱走に気付けなかった。
間違いなく、咎はヴェイダーにある。
『確かにターキンやモッティらにも落ち度はあった。なれど今、生きて我が怒りを受けているのは其方のみぞ。左様、其方は帝国史上最大の惨敗劇の、唯一の生存者なのだ。』
「マスター、」
『脱走を許したのも、其方の罪よ。アリスの心を壊せず、彼の者の本質を見誤ったのは其方だ。』
「では、どうすれば……?」
『ヴェイダー卿、今のアリスをどう捉える?』
ヴェイダーは、彼女を拷問した時のことを思い出す。
どんなに傷付けても、アリスの心は決して壊れなかった。それに加え、手を下した自分に忠告をする。弱いと思っていた彼女を、甘く見ていた。
「レインは、ジェダイ・マスターです。あの女は、その器を兼ね備えている。」
『その通りだ。故に、我が物になればその才を現すだろう。余の理想に最も近付いた時、アリス・レインは最高のシスになるだろう。』
「お言葉ですがマスター、レインをシスに変えるのは如何なものかと…」
『我が友よ、よもや情が残っているわけではあるまいな?』
ヴェイダーは、“シディアス”の言葉に恐怖を感じた。
アリスは、かつての親友だった。皇帝はそれを知っていて、アリス自身も知っている。その事実は、ヴェイダーもよく分かっていた。皇帝が懸念していることも分かっている。
その可能性を己に言い聞かせるように、皇帝に否定した。
「いいえ、ありません。」
『よろしい。だがヴェイダー卿、気を付けよ。アリスのフォースは、日増しに強くなっている。本人も気付かぬ程にな。足元を掬われぬよう、用心せよ。』
「はい、マスター・シディアス。」
ホログラムが消え、通信が切れる。
二度目はない。ヴェイダーはそう思わざるを得なかった。
拷問をする中で、アリスに言い放った最後の言葉に込められていたのは、嫉妬だった。自分が手にできなかったもの、自分にはない可能性、ヴェイダーが羨むものを持っている。あらゆる嫉妬から出たのが、あの言葉だった。
皇帝はそれを見透かして、情が残っているのかと問い質した。それはアリスも同じように、ヴェイダーの感情に無自覚ながらも気付いた証拠でもある。皇帝は全てを予期した上で、己が弟子を叱責したのだった。
帝国───皇帝は、静かに忍び寄っていく。
悩んだ結果、閑話を入れることにしましたw
3年もあるんですよw
いろいろ書きたいw