【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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閑話:訓練もどきをやろう【前編】

デス・スター破壊から数週間後、私は“ホーム・ワン”の一室で瞑想をしていた。

 

昔のように心を無に、

 

 

「アリス!」

 

 

無にできなかった。

 

レイアが入室してきて、ルーク達が戻ったと分かった。

 

ルーク、レイア、ソロ、R2はサイムーン1の潜入任務へ行っていた。帝国の隙を突き、反乱軍は兵器廠の破壊を狙った。私は別件の任務があったから同行できなかったが、一足先に戻った私に見えたのは、ルークとヴェイダーの初対決だった。

 

訓練を始めたばかりのルークが太刀打ちできるはずがなく、未熟な教え子は呆気なくヴェイダーに打ち負かされた。

 

辛うじて任務を成功させ、彼らはホーム・ワンに帰還したのだった。

 

 

「おかえり。ルークは?」

「それが……貴女に近付きたくないって。」

「レイア」

「……」

「ルークを呼んできて。」

 

 

レイアに笑顔でお願いして、ルークを呼び出す。

 

隣にR2がいて、ルークがヴェイダーと対決することになった経緯を説明してもらった。

 

 

「おかえり。何か言うことは?」

「何のことです?」

「ルーク、そこに正座して。」

「ハイ」

 

 

正座させ、私が教えてきたことを聞く。

 

 

「私、何を教えたっけ?」

「奴と戦うな、と。」

「そうじゃない。ジェダイは敵討ちしないって教えたよね?」

「でも貴女だって、怒りのままに奴へ切りかかったじゃないか!」

「お黙り。」

 

 

あれはノーカンだ、ノーカン。

 

拷問を受けた後の精神状態で、怒るなという方が無理だ。あの時は、本当にまずかった。止めてくれたチューバッカに感謝だ。

 

え?ソロ?あの若造にも一応感謝してあげよう。

 

 

「あれは事故だから。」

「事故?」

「何でもない。それで?デス・スターの子午線トレンチの再現だって?」

「あれこそ事故だ!」

「しかも、自分がオビ=ワンと私の弟子だって言ったと?」

「………すみませんでした。」

「分かった。この件は忘れよう。旅支度して。」

「え?旅?」

 

 

反乱軍のシャトルを一隻借りて、ある惑星に向かうことにした。私という先生だけで、何か変わるとは思えない。やっぱり、教材は必要だよね。

 

 

「あんたの故郷にね。」

「故郷……ええ!?」

「タトゥイーンに行くよー。」

 

 

ホーム・ワンを出る前に、私は司令部へ行き、ダンタムに一声かけた。

 

 

「ちょっとその辺に行ってくるね。」

「アリス」

「ん?」

「スカイウォーカーの訓練か?」

「そうだよ。………え、何?」

 

 

ダンタムに背を押されて、人気のない倉庫に押し込まれる。

 

 

「どうしたの?」

「アリス、どこへ行こうと構わないが、無茶はしないでくれ。」

「もうしないよ。心配しないで。」

「なら良い。」

 

 

壁を背にキスをされて、ダンタムの頬を撫でる。

 

しかし咳払いが聞こえて、私は夫を突き飛ばしてしまった。

 

 

「随分と大胆ですね、“先生”。」

 

 

決してその気になってない。ただキスしただけだ。夫とキスをしただけ、うん。

 

 

「やめて……」

 

 

恥ずかしくて、顔が熱くなる。

 

顔の火照りを抑えながら、ルークを引きずってハンガーへと向かった。

 

食料だけ積み込み、シャトルのエンジンを立ち上げる。R2-D2も連れていき、シャトルに接続させる。レイアとソロには、予めルークから説明してもらった。“お互い”の成長の為には、タトゥイーンに行く必要がある。

 

ホーム・ワンを離れ、シャトルはハイパースペースへと入る。

 

ハイパースペース航行中も、ルークのトレーニングをする。基本中の基本であるフォームⅠは、オビ=ワンに教えられていたからできていたが、まだフォースの扱いがなってない。これが共和国時代なら、ルークはイニシエイトのままだ。

 

リモートとブラスト・シールドを使って、フォースの初歩を訓練させた。

 

 

「フォースを感じて。」

「やって、っ!ます、っ!」

 

 

スピードを上げたら、2回もルークのお尻にスティング・ビームが当たってしまった。

 

 

「じゃあ、手本ね。」

 

 

ライトセーバーを取り出し、リモートをオンにして、ブラスト・シールドを被る。ある程度スピードを上げて、難易度も上げる。スティング・ビームが撃たれ、私は全て防いでみせた。

 

 

「今のをやれと!?」

「うん。大丈夫。あんたのお父さんも火傷だらけだったから。」

「あの父が?」

「そうだよ。私だって、マスターに叩き込まれたし?」

「アリスのマスターはどんな人だったの?」

「私のマスターは………」

 

 

昔を思い出して、苦い思い出が脳裏に浮かぶ。

 

 

「厳しかったなぁ。」

「厳しかった割には、アリスは不真面目じゃないか?」

「ソンナコトナイヨ。」

 

 

任務はしっかり、しっかり………

 

しっかりやってなかった。あれ、ダメだ。真面目じゃない。

 

 

「ベンの話は本当だったのか。」

「え、何の話?」

「貴女は仲間の手を焼かせるジェダイだった、と。」

「おかしいな否定できないや。」

 

 

今思うと、迷惑しかかけてない。まぁでも、若気の至りってやつだよね。あの頃は私も若かった。

 

 

「それより続き!」

「もう!?」

「ほら始めるよー。」

 

 

トレーニングは、ハイパースペースを出るまで続けた。タトゥイーンの宙域に出る頃には、何とかできるようになっていた。だけど、まだまだ実戦は難しい。

 

ハイパースペースを出た後、シャトルは大気圏を抜けて、オビ=ワンの隠れ家から少し離れたところに着陸する。

 

 

「なぜオビ=ワンの隠れ家なんだ?」

「ちょっとは役に立ちそうなものがあるかな、って思って。」

「僕の訓練にですか?」

「うん。あー……」

 

 

オビ=ワンの隠れ家に着くと、タスケンが物色していた。当然、邪魔者の私達はタスケンに攻撃される。しかし、ルークがライトセーバーを取り出したら、タスケン・レイダーは逃げていった。

 

 

「何を探せばいいんだ?」

「それこそフォースで探して。」

「せめて、どう探すか教えてもらえないかな?」

「私が教えても、私が見つけたものはあんたの探していたものじゃない。自分で見つけて。」

「そんな……」

 

 

宛にしているようだけど、私はこの隠れ家に初めて来たんだ。私より、ルークの方が繋がりがある。その繋がりがあるルークでなければ、探し物は見つからない。

 

 

「んじゃ、私は外で待ってるね。その方が集中できるでしょう?」

「集中!?何を!?」

「フォースを使うの。頑張ってー。」

 

 

オビ=ワンの家から出て、ドア横に座る。

 

そのまま瞑想に入ると、これから起きることが予見できた。カンティーナで、誰かがルークを探している。あのアーマーを見る限り、私の知っている賞金稼ぎだ。

 

喉まで出かかっているのに、思い出せない。

 

マジで誰だっけ?

 

 

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