【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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帝国の逆襲(Ⅴ)
女心を侮るな


ヤヴィンの戦いから3年が経った。

 

反乱軍はヤヴィン4から撤退して、現在は惑星ホスに基地を設営している。

 

反乱運動の傍ら、私はオビ=ワンの頼みに従って、ルークを鍛えた。ルークはフォースの使い方を学び、ライトセーバーの扱いを覚えた。型の基本であるフォームⅠを習得させ、多少は組み手ができるようになっていた。

 

 

「いつまで正座すればいいんですか?」

「反省するまで。」

 

 

そして今、ルークをベッドの上で正座させている。

 

理由は、私の訓練をサボった上に、偵察の帰りにワンパに襲われたから。訓練で教えたはずなのに、フォースで予知できなかったんだ。もし予期できていれば、無傷で帰れていた。

 

ルークの怠慢が悪い。

 

 

「アリス、その辺にしない?」

「レイア………」

 

 

ルークはレイアの登場に嬉しそうに顔を上げる。その後ろには、ソロとチューバッカがいた。レイアの機嫌が良くないのは、ソロのせいか。

 

ん?聞いた話だと、ソロは反乱軍を去ったんじゃ……?

 

 

「まだいたんだ。」

「悪かったな、姫が引き留めてくるんでな。」

「レイア、マジ?」

「違います。エネルギー・シールドが作動するのを待てと、ライカン将軍が言ったのよ。」

「俺みたいな良い男と別れるのが辛いからだろう?」

 

 

良い男?どこが?

 

 

「呆れたものね。一度精神医に診てもらったら?貴方が良い男なら、ルード議員はとても良い人よ。」

「待って、ダンタムは私の夫だから。」

「分かってるわよ。でも、ハンは違うわ。」

 

 

その言葉に、チューバッカは笑う。

 

 

「何がおかしい?このデカむく!おい!お前も笑うんじゃねぇ!」

「だって、青いなぁって!………ブフゥッ」

「笑い堪え切れてねぇぞ!」

 

 

経験者から言わせれば、ソロはレイアのことを何も分かってない。女の子はストレートに行けば良いものじゃない。それが嫌な人だっている。

 

 

「だが一度は止めようとしたろ?俺がいないと生きていけないってさ。」

「何を……よくもそんなデタラメを!2枚目気取りのこの大嘘吐き、恥知らず!」

「恥知らずはねぇだろうが!」

 

 

はっきり言うなぁ、レイア。

 

でも、同じ立場なら私も言ってる。間違いなく言う。それにナルシストも加えて言うな。

 

 

「自分の気持ちを知られるのが照れ臭くて、かっこつけてんだ。」

 

 

違うぞ、ソロ。レイアは本当のことを言っただけだ。よく言ったレイア。

 

 

「貴方に女の気持ちなんて分かるもんですか。」

 

 

次の瞬間、レイアはルークにキスをする。待って、君達兄妹だよね。2人共知らないけど、兄妹だよ。いいの?

 

 

『全士官は司令室に集合せよ!』

 

 

アナウンスが流れ、レイアはソロを睨み付けて出て行く。それを追って、ソロとチューバッカも出ていった。全士官ってことは、何かあったらしい。

 

 

「アリスは良いのか?」

「だって私、将軍辞めたし。」

「貴女もよ!」

「えー」

 

 

戻ってきたレイアに強引に連れ出されて、司令室へ向かう。

 

ライカン将軍が、お客が来たと告げる。レーダーが拾ったのは、ドロイドの電子音だった。何を言っているのか分からないけど、放置は良くなさそうだ。

 

 

「マスター・レイン、どう思う?」

「そのマスターってやつやめない?C-3POってどこにいるの?3POなら翻訳できるんじゃない?3POー!」

「はい!マスター・レイン!私めはここにいます!」

「このドロイド何て言ってる?」

 

 

3POに電子音を聴かせると、いつものように答えてくれた。

 

 

「このドロイドは、帝国軍の暗号を言っております。」

「帝国………」

「俺が調べてくる。」

「“ハン”」

 

 

ソロを呼び止めれば、目を見開かれた。

 

名前で呼んだのは、初めてだ。生意気で良い男とは言えないけど、行動力は称賛に値する。その敬意を込めての名前呼びだった。

 

 

「気を付けて。」

「ああ、分かってるよ。」

 

 

ソロはチューバッカを連れて、外へ向かう。帝国のドロイドだったら面倒だ。もしそうなら、この基地は撤退しなければならない。

 

反乱軍は、日に日に追い詰められている。

 

 

「戦闘準備をしてくる。」

「貴女まさか……」

「私も地上で戦う。大丈夫だよ、レイア。反乱軍の人達は必ず脱出させるから。」

「そうじゃないわ。貴女が脱出できなかったらどうする気?」

「ちゃんと脱出する。約束するよ。」

 

 

司令室を出て、ルークの部屋に行く。

 

ルークの傷はもう完治している。だけど、病み上がりのルークに地上はきつい。あの子はスノースピーダーに乗せよう。

 

 

「ルーク」

「アリス、一体何が……?」

「ソロが隕石を調べに行った。もしかしたら、帝国のプローブ・ドロイドかもしれない。撤退命令が出るかも。」

「貴女は?」

「私は地上で反乱軍を助ける。あんたはスノースピーダーに乗って。」

「アリス、待って!」

 

 

ルークの声に、立ち止まる。

 

 

「吹雪の中で、ベンが言ったんだ。ダゴバへ行けって。」

「ダゴバ………」

「知っているのか?」

「知ってる。でも、行くなら艦隊に合流してから。今は反乱軍を助けて。」

 

 

そう言って、今度こそ出ていく。

 

なぜオビ=ワンは急かしているのか、分からない。ルークをダゴバへ連れていく予定だったけど、どうして急かすのか分からない。瞑想でも、何も予期できなかったんだ。

 

 

『アリス』

 

 

その声に振り向くと、霊体のオビ=ワンが立っていた。わざわざ姿を現したオビ=ワンに、私はわざと無視する。こんな時に現れるなんて、どう考えても諭しに来ているとしか思えない。

 

格納庫近くの通路の壁に寄り掛かって、霊体の親友を睨み上げる。

 

 

「何の用?」

『お前は知らないだろうと思ってな。少し前、ヴェイダーにルークの素性を知られたぞ。アミダラ女王のこともな。』

「………」

『アリス、ルークをヴェイダーに会わせてはならん。』

「………分かってる。」

 

 

オビ=ワンに静かに答え、私は背を向ける。

 

 

『皇帝の関心がルークに向いたとはいえ、お前への執着は消えていない。決して侮るな。』

「用心する。」

 

 

振り返らずに告げて、格納庫へ入る。

 

ヴェイダーがルークの素性に気付いた。きっかけは、やはりサイムーン1だろう。自分のライトセーバーを、ルークが持っていたのだから。

 

更に、あの子が私とオビ=ワンの弟子だと公言したことも大きい。

 

もう少し自制心をつけてくれないと困るな。

 

スターデストロイヤーが空に映ったのは、それから数十分後のことだった。

 

 

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