【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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サーセン、誤投稿しちゃいました……。

さて、ここからエピローグを除けば最後の章となります。

vsサタナエル、改め魔皇サタン、最終決戦となります。
さぁ、飛ばしていくぞぉー!!




第八章 黙示失墜
8-1 怒り、駆ける


 

 "それ"からすれば、周りにたかる有象無象はそれこそただただ目障りなだけであった。潰そうと思えばいつでも潰せるハエのようなもの、と。

 だがそれこそが、己が最も戒めたはずの慢心であり、己が最も軽蔑する"傲慢"であったのだ。実際、"それ"は今、己の慢心によって苦悶の声を挙げているのだから。

 

 

 ────痛い、痛いッ!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイッ!!!!

 

 

 空想樹(魔力源)が、切られた、伐採(きら)れた、殺さ(きら)れた、砕か(きら)れた、壊さ(きら)れた、失っ(きられ)た!!

 

 おのれ、おのれカルデア。おのれ英霊。おのれサーヴァント。────おのれ人間。

 

 

 ふざけるな。ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザフザフザフザフザフザフザフザフザフザフザフザフザフザフザフザ──────

 

 

 ────許さぬ。赦してなるものか。その身体、その血肉、その存在。貴様のありとあらゆるもの全て、全て全て全て全て、断じて赦してなるものか。許せるはずがあるものか!!────────

 

 

 

『オオォォォォォ!!藤丸立香ァァァァァァァッ!!!』

 

 "霊基(身体)"が崩壊していく。受ける傷が増えていく。受けた傷は治らない。徐々に、徐々に、己の身体が朽ち落ちてゆく。

 

 

 ──第一再誕、修了。

 

 

 ──第二再誕、不完全。

 

 

 ──第三再誕、不可能。

 

 

 持って5分にも満たぬ僅かな時間。だがそれでも、『獣』は限界を迎えようとしている身体を反転させて、バベルの街へと半ば己を引きずるように飛翔する。

 否、もはやそれは飛翔とは呼べず、醜く地を這いながら、翼を必死に羽ばたかせ、今までとはうって変わって物凄い速度で向かっていく。

 

 その眼は、憤怒と憎悪にまみれ、目指すは白紙となった地上──ではなく、その怨恨の矛先たる人間のいる己が街。

 並み居る英霊達ですらその勢いを止めることはできず、暴走機関車のように、遠く離れていたはずの街へと、1分もかからず走破する。

 

 建ち並ぶ街並みを破壊し尽くしながら、見据える存在はただ一人。人類最後のマスターにして、己の野望を打ち砕かんと、あらゆる妨害をものともしなかった人間。

 

 ──必ず、貴様を、殺すぞ。藤丸立香────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空想樹を伐採し、シンと静まりかえるバベルの塔の前。それを逃すはずもなく、サーヴァント達は残る眷族達を打ち倒していく。

 立香が一息つき、マシュやサーヴァント達が駆け寄ろうとしたその時、

 

 

 

 

 

『藤丸立香ァァァァァァァッ!!』

 

 

 

 

 

 突如として響きながら近付いてくる地鳴り。その方向へと顔を向けた立香の目前には────巨大な、竜の顎が迫っていた。

 

『先輩ッ!!』

 

 マシュが悲痛な声をあげる。暗吞とした、迫りくる口腔。その巨大さに、最早避けることすらできないと本能で解り、固まってしまう立香。

 世界がスローモーションとなり、"死"を目の前に待つ。走馬灯がよぎり始める立香。そして────

 

『グアァッ!!?』

「うわっ!?」

 

『獣』は金色に輝る無数の鎖に絡めとられ、その動きを止めて地に伏せる。その瞬間を狙って、厳窟王が立香の側へと転移し、『獣』の進行方向から飛び去る。

 唐突な浮遊感に意識が舞い戻るも、上手く状況が判らず混乱する立香。やがてシャドウ・ボーダーの側へと降り立ち、立香は降ろされる。

 

「先輩っ!怪我は!?大丈夫でしたか!?」

「ま、マシュ、落ち着いて……」

 

 よろける立香に、不安げなマシュ。慌てて立香のことを支え、大事ないことを確認してほっと一息つく。

 だが、そんな安息も長くはなかった。次々と響く破砕音。立香が振り向くと、今まさに、無数に繋がれていた鎖を破壊し尽くして自由にならんとしている『獣』がいた。

 

 

『Aaaaaaaaァァアアアァァァァッ!!!』

 

「ぐっ、ごめんマスター。抑えきれなかったみたいだ」

「小癪な…っ、これでも止まらんか、ケダモノめ!!」

 

 エルキドゥとギルガメッシュの毒吐く声が聞こえる。しかし立香は、目の前の『獣』────サタナエルから目を外すことができなかった。

 その姿はまさしく"竜"。他人事であればカッコイイなどという感想を抱けたかもしれない。だが、実際に目にすれば、その恐ろしさ、覇気、威圧感、存在感、そしてなりよりも────向けられる憎悪に、背筋が凍りつく思いであった。

 

『赦さぬ……赦さぬぞ藤丸立香ァァァッ!!我が野望を砕き、そして人理を取り戻すなどという蒙昧な理想に取りつかれた愚者めが……ッ!』

 

 よくよく見れば、サタナエルの身体は既に限界であるのか、ところどころ砕けて粒子に還り始めていた。それでもなお気にした風もなく、ただ立香一人を視ている。

 再びその顎を開き、息も絶え絶えでありながらなお狂ったように怒りと憎悪を吐き続ける。

 

『貴様だけは……貴様だけはッ!!必ずここで──────殺すッ!!

 

 サタナエルが、身体からその存在が軋むかのような悲鳴を挙げる。だが、それを上回る怒りの波動を、立香ただ一人にぶつける。

 その圧倒的なまでの力に、立香の身体は恐れに震える、しかし、ここに集うは万夫不倒にして一騎当千の英雄達。そんな彼らから伝わる闘志によって自らを奮い立たせる。

 

「俺達だって、負けられない!────行くぞ、皆!!」

「「「「「おう!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

煉獄魔境大罪記 ゲヘナ

虚ろなる煉獄の聖杯

 

 

 

 

 

 

 

 

 





スカイツリーレベルの巨体のドラゴンが、一直線にがむしゃらに追い掛けてきたらめっちゃ怖いよね。
普通に自分も怖い……。

ちなみに余談ですが、サタナエルとバベルの街は数十キロ以上離れていました。それをあっという間に走破してくるビーストさんマヂパネェ………。




【修正版】サタンvs◯◯!!エンディングに見たいのは! 【主土下座】

  • 正義を夢見た守護者
  • ただ一度の為の魔神剣
  • 獣を追い続けた聖剣使い
  • 不遜なる薔薇の皇帝
  • 監獄より這い出た復讐者
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