【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】 作:朝霧=Uroboross
グワーッ、時間に間に合わないっ、グワーッ!
お仕事あったの忘れてた上に、暑さでバテてて時間までに書けなかったでござる……。
だがしかし!これにて『獣』決着!最終局面、どうぞ!
大地に激震が走る。高々と舞う土煙、その中から山ほどもある拳が地上へと振り落とされる。
その拳の上を駆け登る、真紅と白銀の二つの姿。煩わしいものを手で払うように、別の腕を払いのけようとする。しかし、顔面へと飛来する一筋に、顔を仰け反らせる。
「隙あり!!」「てやぁっ!!」
『ぐぬぁッ!!──図に、乗るなッ!!』
サタナエルの胴体に、二筋の剣閃が袈裟状の切れ込みとなる。すぐさま襲いかかる反撃を辛うじて避け、地上へと着地する。
そのサタナエルのすぐ背後より、黒き閃光がサタナエルを貫く。厳窟王の放った光線は、モロにサタナエルに直撃────したわけではなく、肩甲骨部から少しずれた辺りに当たっていた。
『小賢しいわ!!』
ラリアットの要領で厳窟王へと襲いかかる巨腕。回避が間に合わず、そのまま吹き飛ばされてしまう。
だが、その不意をついて斬擊一閃。それはサタナエルの翼の一つを切り落とすのみならず、その背から伸びる巨大な背角の一つを真っ二つにした。
『ゴァァァァァァァッ!!!』
「くっ、これでも倒れんのか……っ!」
霊基は限界に近く、身体は既に崩壊しかかっており、その肉体は最早動けること自体が奇跡に等しい状態であるサタナエル。だが、エミヤの苦々しい思いが語るように、これでもなおサタナエルは倒れなかった。
その爛々と輝く眼は、なおも執念に燃えており、その活力を失っていなかった。問答から既にいくらか経ち、その身にいくつもの傷を与えたとは言え、未だ衰えないサタナエルの勢いに戦慄する。
『この、程度で……ッ、倒れてなるものかァ…ッ!!』
「一か八か、か…。──────マスター!!」
エミヤが立香を呼ぶ。なおも立ち上がり続け、残ったサーヴァント達からの猛攻を、耐えては飽きぬ反撃を繰り返す。
埒が明かないと察したエミヤは、一か八かの勝負に出ることにした。
「どうしたのエミヤ!」
「皆で"宝具"を使う!それで一気にケリをつける!!不足分の魔力はそこの悪魔が補うはずだ!」
『便利屋扱いですねぇ!?まぁいいのですけれども!』
エミヤの声に、通信からマックスウェルの悪魔からの悲鳴が聴こえる。彼の力のお陰で、立香もサーヴァントらもは魔力を切らすことなく、極限まで動き続けられている。
だがしかし、問題は宝具発動までの時間稼ぎ。だれかがサタナエルの注意を引きつつ、他の全員でサタナエルに攻撃をぶちこむしかないのだが、現状そこまで持ちこたえられるものがいない────────
「──────どォらァッ!!」
『ぐぉぁァッ!!貴様ァ────ベルゼビュートォォッ!!』
遠方より高速で飛来する深紅の三叉槍と、飛んできた方向から、渾身の飛び蹴りをかましてサタナエルの身体を穿つ緑髪の悪魔────ベルゼビュート。
彼だけではない。遠い戦場から駆けつけた七大罪の悪魔達が続々と参戦してくる。
「遅くなってごめん、立香!」
『時間稼ぎは我らに任せよ!だが長くはもたんと思え!!』
一瞬でサタナエルの足元が凍りつき、かと思えば、サタナエルの身体を突如として現れた魔神柱ががんじ絡めにする。
ベルフェゴール、アスモデウスた言った大罪悪魔達がサタナエルの気を逸らしている間に、サーヴァント達は宝具展開の準備に入る。
「"I am the born my sword……"────」
「春の兆し、華の乱舞────」
「我が往くは、恩讐の彼方────」
────この"煉獄という世界"は、サタナエルが作り上げた広大な固有結界でもあるんだ。だから、他の固有結界が干渉すると、一部だけの展開になってしまうんだよ──────
ベルフェゴールを牢獄から救出して暫く、エルメロイⅡ世を交えた会議で、彼はそう告げた。ならば、ただでさえ莫大な魔力を消費する固有結界に加え、さらに莫大に魔力を費やす宝具が重なればどうなるか。
それはつまり、防御が手薄になるということ。
エミヤの周りには、剣が降り注いでは地面に突き刺さっていき、宙には大小様々な歯車が浮き出始める。
ネロの背後には巨大な黄金の劇場が広がり、そこから無数の薔薇の花びらが、ネロの行く手を指し示すかのように舞い散る。
厳窟王はサタナエルへと駆けていき、次第に目で追いきれぬほど高速に動き始め、必殺の一撃を溜めていく。
「
──ベディヴィエール
──ガレス
──ケイ
──ランスロット
──モードレッド
──ギャラハッド
「──これは、世界を救う戦いである!!」
──アーサー
過半数が可決したことにより、聖剣の力が紐解かれる。本来ならば光の奔流が剣から溢れ、極光となるところが、湖面に煌めく月明かりのように、ただ静かに脈動する光となって剣に纏う。
地上で発動すれば、間違いなくいくつもの大地が砕け散るその光は、地上ならばまだしも、ここは煉獄という隔絶された世界。ならば、振るうに不足も遠慮も不要というもの。
「令呪を以て命ずる!!──────サタナエルを、討て!!」
そして、マスターたる立香からの令呪使用によって、全員の魔力に更なるブーストがかかる。
その令呪に、ありったけの気合いを入れるサーヴァント達。サタナエルへと狙いを定め、一気に解き放つ。
「『
「『
「『
宝具の発動を悟った大罪悪魔達が一斉に離れる。サタナエルが遅れて気づくも、時既に遅し。
無数の剣がサタナエルの元へと殺到し、その巨体に何本も刺さっていく。そして、その全てが一斉に魔力爆発を起こし、体内外両方に深刻なダメージを与える。
さらに追い討ちで、ネロと厳窟王の宝具が、サタナエルを挟み撃ちに穿ち貫く。
「『
星の力を帯びた、神聖にして真なる力を解放した光の奔流がサタナエルを真正面から襲う。その光は、悪魔にとっては猛毒に等しいソレであり、何よりも、サタナエルが遥か昔より"弱点"とする『星の輝き』そのものである。
防御する暇もなく、あっという間に光に飲み込まれたサタナエルは、苦悶の絶叫を挙げる。それはまさしく、断末魔というに相応しいほどであった。
『おのれ、おのれ──おのれェェェッ!!貴様ら、如きに、このオレがァァ──────────ッ』
サタナエルの
────そして、閃光が天を貫き、決着を示す。
「────まだだ、まだ終われるものか」
大悪魔は、ただでは転ばぬ。
知っているか?真の魔王は三回変身できるということを。
言葉なぞ無粋。真の決着はこれにて決まる。
【修正版】サタンvs◯◯!!エンディングに見たいのは! 【主土下座】
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