【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】 作:朝霧=Uroboross
結論から言えば、ディルムッドの宝具は当たることはなかった。
状況から考えれば、回避は不可、必中の一撃のはずだった。だが、ベルゼビュートに当たることはなかった。より正確に言うならば、ディルムッドは宝具を当てることなくベルゼビュートに弾かれたのだ。
「ここだ! ────『
ディルムッドの宝具がベルゼビュートに迫る────刹那、ベルゼビュートが高速で行動する。
「甘ェ!
ベルゼビュートがそう叫ぶと、周囲に黒い風が集まり、と思うとディルムッドの元へと殺到する。
「なっ!? ────くっ、ぬぁっ!!」
「ウァァゥッ!?」
さながら
「ふぃー、危ねぇ危ねぇ。なかなかやるじゃねぇか」
肩を回しながら、楽しそうに言うベルゼビュート。ディルムッドは完全に膝を突き、フランは立っているとは言え、そのダメージはかなりのものである。
だが、それでもフランは荒い息を吐きつつ睨み付け、ディルムッドの闘志もまた尽きてはいなかった。
ベルゼビュートが黒い風を纏い、二人に歩み寄ってくる。ふと、立香達の後ろにて、轟音と共に巨大な土煙が立ち上がる。そこから現れたのは──────、
「だぁぁっ! クソがっ!!」
ボロボロになりつつも暴言を吐くモードレッドであった。
────時はさかのぼり…………────
モードレッド達はマモンに対して猛攻を仕掛けていた。
トリスタンは距離を取りつつ弦を弾いて斬擊を飛ばし、ハサンは
しかし、そのどれもをマモンは弾き、流し、そして受け止めていた。
「だァァァッ! しゃらくせェ!!」
雄叫びをあげるようにして叫ぶと、マモンは右手の大鎌を空に放り投げ、片手の戦槌を両手でしっかり持つと一気に振り下ろす。
「そォルァッ!! 『震撼する鉱鉄槌(オア・シェイク・ロア』!!」
マモンが足元に向かって大きく打ち鳴らす。マモンを中心として球形な不可視の衝撃波を生み出し、モードレッド達に襲いかかる。
「ぐっ!?」
「のぁッ!?」
「ぐぁッ!!」
衝撃波によって吹き飛ばされた三人のうち、トリスタンは比較的軽傷ですぐさま体勢を持ち直し、ハサンは身軽さ故にか苦痛の声を上げ、屋根の上を転がる。だがしかし、中でも一番にダメージが大きかったのはモードレッドだった。
「チッ、クッソがぁ…………鎧貫通かよ、ソレ……」
素面を晒しているが故にか、モードレッドの口から血が一筋流れ、足元にポトリポトリと落ちていく。
モードレッドの外見こそ無傷のように見えるが、鎧な中は強い衝撃を直に食らったかのような深刻さだった。
「おいおいなんだァ? その程度でギブアップか?」
挑発するかのように煽るマモン。モードレッドはそれにまたしても舌打ちをして、耐えるために足元に突いていた剣をマモンに向け直す。
「ハッ、テメェこそ、これでネタ切れなんて言うんじゃねぇだろうな」
挑発的に言い返し、マモンを見るモードレッド。そんなモードレッドにマモンは愉快そうな笑みを浮かべ、戦槌を肩に担ぎながら半身を逸らし、大鎌を前に向ける。
「なわけねぇだろ。三人相手にしてンなシケたマネするかよ」
そう言って闘気を上げていく。しかしマモンはモードレッドだけではなく、他の二人の動きも注意していた。
トリスタンは距離を取りつつ隙を見計らっており、ハサンもまた満身創痍ながらに戦意は挫けていなかった。
互いの闘気が膨れ上がり、隙を見合うかのような沈黙が──────流れることはなく、モードレッドが真っ先に動く。
「赤雷よ!!」
自身に突っ込んでくるモードレッドを、マモン悠々と待つ。そして体をひねりながら両手を後ろに大きく振りかぶる。
「"Take that,you Fiend"(これでも食らいな)!!」
「"Be crushed,for you"(潰れちまいな)!!」
互いの攻撃が激突・交錯し、拮抗する。だがしかし、それも長くは続かず、モードレッドは吹き飛ばされる。
モードレッドの攻撃は持続性がなく瞬間的な威力が高い。それに対してマモンの攻撃は重量や勢いによる持続性があり、体力をも削っていくものである。
競り負けたモードレッドは吹き飛ばされた先にある家屋に衝突してしまう。土煙を煩わしく思いながらも家屋から出て叫ぶ。
「だぁぁっ!! クソがっ!!」
思わず暴言を吐きながら自分が飛ばされた方向を見る。そこでは、マモンとトリスタンが戦闘しているところであった。
何度目かわからない舌打ちをするモードレッド。そんなモードレッドに聞き覚えのある声が聴こえる。
「モードレッド!? 大丈夫!?」
目線を下に下げると、マモンと似た空気を纏う緑髪の男、そしてそれと戦う立香達の姿があった。
編集秘話
実は後半一度データ消えちゃったのよね。だから元のと微妙に違うのよ。流れはほぼ同じだから無問題ネ。