【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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1-7 vs大罪魔王(モードレッドside)

 結論から言えば、ディルムッドの宝具は当たることはなかった。

 状況から考えれば、回避は不可、必中の一撃のはずだった。だが、ベルゼビュートに当たることはなかった。より正確に言うならば、ディルムッドは宝具を当てることなくベルゼビュートに弾かれたのだ。

 

「ここだ! ────『憤怒の波濤(モラ・ルタ)』ッ!!」

 

 ディルムッドの宝具がベルゼビュートに迫る────刹那、ベルゼビュートが高速で行動する。

 

「甘ェ! 威圧(いお)とせ、『暴風の大公(バアル・ゼブル』!!」

 

 ベルゼビュートがそう叫ぶと、周囲に黒い風が集まり、と思うとディルムッドの元へと殺到する。

 

「なっ!? ────くっ、ぬぁっ!!」

「ウァァゥッ!?」

 

 さながら鎌鼬(かまいたち)の如く刃物のように鋭利な突風がディルムッドを切り裂き、弾き飛ばす。その余波はフランの元にも届きはしたが、フランはなんとか耐え忍ぶ。

 

「ふぃー、危ねぇ危ねぇ。なかなかやるじゃねぇか」

 

 肩を回しながら、楽しそうに言うベルゼビュート。ディルムッドは完全に膝を突き、フランは立っているとは言え、そのダメージはかなりのものである。

 だが、それでもフランは荒い息を吐きつつ睨み付け、ディルムッドの闘志もまた尽きてはいなかった。

 ベルゼビュートが黒い風を纏い、二人に歩み寄ってくる。ふと、立香達の後ろにて、轟音と共に巨大な土煙が立ち上がる。そこから現れたのは──────、

 

「だぁぁっ! クソがっ!!」

 

 ボロボロになりつつも暴言を吐くモードレッドであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────時はさかのぼり…………────

 モードレッド達はマモンに対して猛攻を仕掛けていた。

 トリスタンは距離を取りつつ弦を弾いて斬擊を飛ばし、ハサンは短剣(ダーク)を投げつつ死角から切りかかる。そしてモードレッドは真正面からマモンに対して斬りかかっていた。

 しかし、そのどれもをマモンは弾き、流し、そして受け止めていた。

 

「だァァァッ! しゃらくせェ!!」

 

 雄叫びをあげるようにして叫ぶと、マモンは右手の大鎌を空に放り投げ、片手の戦槌を両手でしっかり持つと一気に振り下ろす。

 

「そォルァッ!! 『震撼する鉱鉄槌(オア・シェイク・ロア』!!」

 

 マモンが足元に向かって大きく打ち鳴らす。マモンを中心として球形な不可視の衝撃波を生み出し、モードレッド達に襲いかかる。

 

「ぐっ!?」

「のぁッ!?」

「ぐぁッ!!」

 

 衝撃波によって吹き飛ばされた三人のうち、トリスタンは比較的軽傷ですぐさま体勢を持ち直し、ハサンは身軽さ故にか苦痛の声を上げ、屋根の上を転がる。だがしかし、中でも一番にダメージが大きかったのはモードレッドだった。

 

「チッ、クッソがぁ…………鎧貫通かよ、ソレ……」

 

 素面を晒しているが故にか、モードレッドの口から血が一筋流れ、足元にポトリポトリと落ちていく。

 モードレッドの外見こそ無傷のように見えるが、鎧な中は強い衝撃を直に食らったかのような深刻さだった。

 

「おいおいなんだァ? その程度でギブアップか?」

 

 挑発するかのように煽るマモン。モードレッドはそれにまたしても舌打ちをして、耐えるために足元に突いていた剣をマモンに向け直す。

 

「ハッ、テメェこそ、これでネタ切れなんて言うんじゃねぇだろうな」

 

 挑発的に言い返し、マモンを見るモードレッド。そんなモードレッドにマモンは愉快そうな笑みを浮かべ、戦槌を肩に担ぎながら半身を逸らし、大鎌を前に向ける。

 

「なわけねぇだろ。三人相手にしてンなシケたマネするかよ」

 

 そう言って闘気を上げていく。しかしマモンはモードレッドだけではなく、他の二人の動きも注意していた。

 トリスタンは距離を取りつつ隙を見計らっており、ハサンもまた満身創痍ながらに戦意は挫けていなかった。

 互いの闘気が膨れ上がり、隙を見合うかのような沈黙が──────流れることはなく、モードレッドが真っ先に動く。

 

「赤雷よ!!」

 

 自身に突っ込んでくるモードレッドを、マモン悠々と待つ。そして体をひねりながら両手を後ろに大きく振りかぶる。

 

「"Take that,you Fiend"(これでも食らいな)!!」

「"Be crushed,for you"(潰れちまいな)!!」

 

 互いの攻撃が激突・交錯し、拮抗する。だがしかし、それも長くは続かず、モードレッドは吹き飛ばされる。

 モードレッドの攻撃は持続性がなく瞬間的な威力が高い。それに対してマモンの攻撃は重量や勢いによる持続性があり、体力をも削っていくものである。

 競り負けたモードレッドは吹き飛ばされた先にある家屋に衝突してしまう。土煙を煩わしく思いながらも家屋から出て叫ぶ。

 

「だぁぁっ!! クソがっ!!」

 

 思わず暴言を吐きながら自分が飛ばされた方向を見る。そこでは、マモンとトリスタンが戦闘しているところであった。

 何度目かわからない舌打ちをするモードレッド。そんなモードレッドに聞き覚えのある声が聴こえる。

 

「モードレッド!? 大丈夫!?」

 

 目線を下に下げると、マモンと似た空気を纏う緑髪の男、そしてそれと戦う立香達の姿があった。

 




編集秘話

実は後半一度データ消えちゃったのよね。だから元のと微妙に違うのよ。流れはほぼ同じだから無問題ネ。
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