【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】 作:朝霧=Uroboross
このお話をもって、『煉獄魔境大罪記 ゲヘナ』は完結致します。
何度も何度もですが、ここまでお付き合い頂いた皆様には感謝しかありません。
こんな素人作品を気に入って頂けて、本当にありがとうございました。
正直、途中でやめたくないとは絶対に思っていたので、ちゃんと続けられて本当に良かったです。
それではエピローグ、どうぞ
煉獄での大戦闘からしばらく経ち、カルデア一行はついに彷徨海へと辿り着く。
その後、協力者の案内の元、立香達は次なるインド異聞帯へと向かうため、様々な準備をしていた。"ビーストⅢ:L"に続き、"ビーストⅥ:R"との連戦にて疲労しているだろう中でも、気丈に振る舞う立香。
さて、そうこうしているうちに、不意にカルデアの霊基グラフに異変が起こる。
「ん?なんだこれ!?召喚グラフに強制介入してきてる!?」
「は!?す、すぐ止めるのだカルパッチョ君!!」
「だからムニエルですって!ダメだ!介入が強力すぎて止められない!」
死に物狂いでコンソールをたたくも、召喚式が稼働し、勝手に何者かが召喚される。それは一人ではなく、複数人もの反応が起こっていた。
固唾を飲んで見守る職員一堂。そこに慌てて駆けつけるダヴィンチとホームズ。ついに召喚が完了し、その姿が現れる。
「お、お前達は──────」
彷徨海にできた新しいカルデア。そこのマイルームにてマシュと共に休んでいた立香。重くなる空気を吹き飛ばすかのように、他愛ない話を語り合う二人。
そんな中、通信機からの呼び出しがかかる。
『あーもしもーし、立香くーん?悪いんだけど、中央管制室まで来てくれるー?』
「ダヴィンチちゃんからの呼び出しですか……一体どうしたんでしょうか」
「わかんないけど、行ってみよう」
疑問に思いながらも、ダヴィンチちゃんからの呼び出しに応えて向かう二人。こころなしか、通信機越しではあったが、ダヴィンチちゃんが苦笑しているような雰囲気が漂っていた。
立香達が中央管制室へと到着すると、記憶に新しいものの、聞きなれた笑い声が聞こえてくる。それに続いて、
立香とマシュは互いに顔を見合わせると、すぐさま室内へと駆け込んでいく。するとそこには──────
「────おゥ!久しぶりだな!兄弟!!」
「ベルゼビュート!皆!」
愉快愉快と呵ヶ大笑するベルゼビュート。その後ろには、縮こまって顔を覗きこませるベルフェゴールや、物珍しそうに眺めるリリスやレヴィアタンなど、かつて煉獄にて共に戦った悪魔達がそこに居た。
ふと、立香は何か足りないような違和感を覚える。辺りを見回すが、立香は何が足りないのかが解らなかった。
「おう兄弟。探してンのアイツら────『
「それだ!」
ベルゼビュートからの指摘にはっとする立香。そう、今現在ここに立っている悪魔達の中でも、サタンとアザゼルの二人だけがここにはいなかった。
悪魔達と縁を結んだ、というのならば、彼らとも縁を結んでいたとしてもおかしくはないはず。しかし、彼らの姿はどこを探しても見当たらない。
「やぁやぁ、キミの疑問にはボクが答えよう」
「うわっ!?だ、誰…?」
立香の横からひょっこりと現れる、割と現代風な軽装に身を包んだ青年。彼は、人当たりの良さげな顔を浮かべて言う。
「まず初めまして。ボクは『マステマ』。元大罪悪魔『憂鬱』のマステマさ。煉獄での元凶の一人と考えてくれたまえ」
朗々と語るも、カルデアの面々は、彼自ら元凶な一人と明かしたのと同時に、色々と予想外すぎる展開に、まさしく鳩が豆鉄砲を食らったかのような顔になる。
悪魔達は『また始まったよ』と言わんばかりの反応で、肩をすくめるなど呆れた反応をしている。
「あの二人が来ない理由だけどね?結論から言うと、彼らは君達には手を貸さないのさ。その理由の一つが、"『獣の権能』の放棄"にあるからだね」
そんな呆気に取られる立香達を余所に、マステマはなおも語っていく。
曰く────
『獣の権能』を放棄したことで獣としての機能を喪った。その上、実質的に彼らはアラヤよりガイア寄りの存在となった。だから彼らが
────とのことだった。
「うーん、あの二人の力を借りれれば百人力どころか、億人力だったんだけどなぁ」
「と言うがね、ダヴィンチ。あの二人の気質を考えると、むしろこちらに牙を剥きかねない。というのが私の推論だが、どうかね?ミスター・ベルゼビュート」
どこから持ち込んだのか、感想したスルメを咥えて味わっていたベルゼビュートに、ホームズが問いかける。
ベルゼビュートを含め、悪魔達全員から「その通り」と言わんばかりのサムズアップが返される。だが、立香だけは違った。
「────いや、違うと思う」
「ふむ?」「おん?」
立香は、最後にサタンに捕まれたとき、彼の目を見ていた。そこには、人間に対する落胆と怒りは確かにあった。あったが、それよりも────
「多分、期待しているからだと思う。俺達に、何より、人間達のこれからに期待しているから、彼は、手を貸さないんじゃないかな」
「──────、そうだね。君はどうやら、ただの"子"ではないらしい」
立香の推論から、慈愛に満ちた目で見つめるマステマ。それは労りであり、それは同情であり、なによりそれは、感心でもあった。
立香の答えによって、またもや考え込むホームズ。そんな彼にあきれたり、あちらこちらとまた賑やかになっていく。
「ま!こっからはオレ達全員で力貸してやっから、ドーンと構えとけや、
「ありがとう、ベルゼビュート!皆!」
輝くような笑みを浮かべて、立香の感謝に応えるベルゼビュート。他の悪魔達も、皆様々だったが、一様に立香に強力する態度を見せる。
この物語はここでオシマイ。彼らがどうやって人理を取り戻していくのか、どんなドラマを作り上げていくのか、その全ては貴方達次第です。
けれど、けれども──────
この嘘つきで、悪知恵が働き、凶悪と伝えられてきた私達悪魔を信じてくれるなら、ならば私達は、貴方の信頼に応えましょう。
悪魔の契約は絶対です。する側も、される側も、中身はきちんと守るのです。だからこそ、その契約に反しない限り、貴方を
ここまでのご愛読、お疲れ様でした。
後書きを利用して、最後に足りなかった疑問点をいくつか上げて答えさせて頂きます。
Q,ぶっちゃけ、『バビロンの大淫婦』出んの?
A,出ません。あちらはあちらで、おそらくアーケードの方で出ると予想されているので、あくまでそうだろうなという関係性だけ示唆しただけです。
Q,サタンの宝具ってEXじゃないの?
A,まず、サタンの宝具はサーヴァントになったことで弱体化しているので、ランクが本来よりもガクンと下がっているんです。『獣』の時なら『EX』になるのですが、サーヴァントになると『A+++』になります。
それがどのくらい下がったかと言うと、熱湯がちょっと温かいぬるま湯になった感じです。絶妙に何とも言えないぬるさ。これには魔皇も渋面。
Q,なんでカミサマあんななのさ?
A,大体神様ってこんなもんよ……。有名な話(かどうかはわかりませんが、)で『神は救いはすれど、導きはしない』と言われるらしいです(ソースは不明)。
実際のとこ、大体その通りなのでは?と思います。私の方では、基本的に神様というのは、『世界をただしく運営するための管理機構』という認識で書かせてもらっています。それは今後の作品でもそうなるかなと思います。
宗教に詳しい方には、「それ失礼では?」と言われるかも知れませんね…。
Q,度々ラテン語混じってるの作者の趣味?
A,趣味と代換です。ほんとは原典通りヘブライ語で通したかったのですが、いかんせん翻訳と解読が難しすぎて断念しました………。
ヘブライ語、ムズカシイ………。
Q,結局クロスオーバーのタグとかって何だったのさ。
A,作者の超不安症的性格が発動した究極的保険です。割とどのラインがクロスオーバーになるんだ……?と、処女作なのもあって不安になりまくった結果、「ならもう保険ついでにつけてしまえ」と付けました。つけないよりかは良いかと………ゴメンネ。
まだまだ疑問点はあるかも知れませんが、ぶっちゃけ処女作だから許してほしいと言われればそれまでだし、できるなら伝えきりたいところもあったのですが、流れ的に厳しいなぁと四苦八苦してしまい………(笑)。
ですが、皆様が楽しんで読んで下さったならなによりです。ここまでの長い月日、非才に付き合って頂き、ありがとうございました!
『煉獄魔境大罪記 ゲヘナ』、これにて完結です!!