【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】 作:朝霧=Uroboross
闘志燃え上がる室内に、一人、また一人と眼に炎を宿らせていく。
「ふん、マモンとやらが来るのであったな。どれ、罪を背負いし者の力、我が見定めてやろう」
「やれやれ、仕方ないから僕もギルと一緒にいくよ」
堂々と不遜に言うギルガメッシュと、隣でやれやれとばかりに呆れ笑いを浮かべるエルキドゥ。
離れたところでは"征服王"イスカンダルに絡まれるエルメロイ二世と、それを案ずるグレイの構図が出来上がっていた。
「ハハハハハ!! 悪魔の軍勢とぶつかり合うとは、また滾る話よな、坊主よ!」
「ええいうるさい! 耳元で騒ぐなバカッ!!」
「だ、大丈夫ですか師匠」
またある場所では────────
「ふっはっは! この第六天魔王たるワシの力を見せるときが来たようじゃな!」
「いやいや、相手ガチな魔王ですよ? ノッブみたいなパチモンじゃ勝てないですって」
「なんじゃとぉ!?」
高らかに笑う織田信長と、冷静な返しをする沖田総司のコンビが言い合っていた。
彼女らだけでなく、カルデアの、この室内にいる誰もが互いに士気を高め合っていた。
そんな中、ようやくイスカンダルから解放されたエルメロイ二世は、フラフラとグレイに支えられながらも、立香とベルフェゴールの側へと来る。
「はぁぁ……」
「し、師匠……」
「だ、大丈夫ですか……?」
グレイと立香が心配する中、エルメロイ二世は手で払うような仕草をして問題ないと伝える。
「ベルフェゴール……だったね。敵の具体的な数値を知りたい。いいかな?」
エルメロイ二世に話しかけられたベルフェゴールは、ビクッと驚いたものの、おずおずと頷く。
「ぇ、えっと…………《
「ふむ…………いや、充分だ。感謝する」
感謝の言葉を言うと、エルメロイ二世は黙考し始める。そんなエルメロイ二世に、立香は恐る恐るといった風に聞く。
「どう……?」
「あぁ……。マスター、まず彼は信用できる」
エルメロイ二世が断言する。それはベルフェゴールは信用できる悪魔であるということだった。
エルメロイ二世が断言したことにより、サーヴァント達はベルフェゴールに対する見方を変える。
「さぁてさてさて? それじゃあ
ダ・ヴィンチが音頭をとって皆を集める。これよりカルデアは、マモンへの本格的な作戦を取り始めていく────────。
──────《強欲》は笑う。口角をつりあげ、数多の軍勢を率いてただ一点を目指す。
爆音を鳴らし、自らの相棒たる"死神"に股がり、荒野を疾走する。
ついぞ先ほど、大罪会議にてカルデアへの本格的な侵攻が下された。これにより、マモンは自らの軍勢を率いて先駆けを行った。
無論"兄"たるベルゼビュートへの報告は済んでおり、許可も降りている。その際に言われたことはただ一言。
『悔いは残すなよ』
その短い一言に、マモンはシビレていた。かの王からの激励に、思いやりに、マモンは打ち震えていた。
「────シャハハハ、滾ってきたぜェ」
《鉄馬》のかき鳴らす爆音の中で、先頭を走るマモンはそう一人言を言う。
後ろには、自分と似た者同士な荒くれ者の部下達が、エンジンを吹かして爆走している。そんな部下達に、マモンは自身の本来の"宝具"たる布袋からメガホンのような宝具を取り出すと、爆音よりも大きな声をあげる。
「さぁテメェらァ! 祭りの時間だァ、"
「「「「「アイッサーッ!!」」」」」
煉獄の荒野を、悪魔達の鬨の声と爆音で震え鳴らす。
彼らの心内はただ一つ、『我らが総長に、我らが《暴食》に勝利を』と。
猛る彼らを止められるのは、はたしているのだろうか────────。