【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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お待たせしました。
なかなか更新できなくてすみません…。



2-7 相撃つ軍勢

『"宣戦"七大罪(強欲)のマモンッ! 予告通りテメェらを蹂躙してやらァッ!!』

 

 距離がまだ遠く離れているはずのマモンの声が、カルデアの周囲にいる者達全員に響き渡る。

 その直後、悪魔の軍勢の中から無数の光弾がカルデアへと向かって飛来してくる。

 

『仮想理論、接続良し! 聖槍との記憶回路接続、良好! 今回限りだけどいけるよー!』

「はい! 疑似円卓回路接続──────それは全ての疵、全ての怨恨を癒す我らが故郷。顕現せよ! 『いまは遥か理想の城(ロード・キャメロット)』!!」

 

 マシュの、かつての宝具が姿を現す。終局特異点以後、"彼"がいなくなったことで発動できなくなり、それ以降あくまで模したものでしか発動できなかった鉄壁の宝具。

 本来ならば、これは広範囲を防げるような代物ではない。しかし、マシュの守護の覚悟とダ・ヴィンチ達による技術によって限定展開することができた。

 

『全弾、防御確認!』

「っ、王様!!」

 

 立香の呼び声に、今まで腕組み仁王立ちをしながら軍勢を見ていたギルガメッシュが反応し返す。

 

「叫ぶでない、視ておるわ。さて……この我に向かって砲撃をかます不敬者には、相応の罰を与えねばなるまい」

 

 そう言ってギルガメッシュは、手元に石板と杖斧を顕現させる。ギルガメッシュが魔力を込め始めると、石板に輝く文字が浮かび上がり、一気に収縮していく。

 

「見るが良い! 我が至高の財を持って貴様らに裁きを下す! 放て! ──────『王の号砲(メラム・ディンギル)』ッ!!」

 

 ギルガメッシュの叫びと共に、背後に彼の王の城壁が現れ、無数の光矢が放たれる。それは放物線を描きながら悪魔の軍勢へと向かっていく。

 ギルガメッシュの宝具と共に、遠距離への攻撃手段を持つ者達は次々に攻撃を放っていく。それでもなお、敵の進撃の勢いは止まらずカルデアへと向かってくる。

 

「ほほう? 悪魔というからには絡め手が多いかと思ったが、存外漢気があるではないか。これは滾るな、坊主!」

「だぁもう! だから耳元で騒ぐなと言っているだろう!」

 

 カルデア側の先頭にて、戦車に乗って仁王立ちをするイスカンダルと、その後ろで大声に耳を塞ぎながら抗議するエルメロイ二世。

 イスカンダルの顔には、戦いへの高揚を隠せないかのように笑みが浮かんでおり、敵の軍勢を見つめている。

 

「ふぅむ、これは出し惜しみなぞできんな! そうであろう坊主!」

「坊主坊主言うな! 好きにしろ、バックアップぐらいはしてや────────ぅおぁっ!?」

 

 エルメロイ二世の抗議の声も最後まで聞かず、戦車の手綱を張って走らせるイスカンダル。そして片手に手綱を持ち、空いた片手にて剣を抜いて声を上げる。

 

「さぁ行くぞ!! 我ら人も大地も、煉獄をも蹂躙せんと進む者ぞ! 我が後に続けぇ!! 『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』ィッ!!」

「「「「ウォォォォォ!!」」」」

 

 イスカンダルの後ろから彼を慕う英霊の軍勢が現れ、各々の武器を構えて突撃していく。

 そんな中、エルメロイ二世はふと疑問を持つ。

 

「…………おかしい、ライダーの宝具は固有結界のはず。なのになぜこんな中途半端なんだ……?」

 

 呟くように吐いた疑問は、目前まで迫っていた悪魔達の轟音でかき消される。

 エルメロイ二世が疑問に思ったのは、本来ならばイスカンダルの宝具は、世界そのものを塗り潰すような固有結界が現れるはず。なのに今はイスカンダルの後ろで限定的に砂漠となっているだけであった。

 

「■■■■、イ、スカ、ンダ、ル──ッ!!」

 

 疾走するイスカンダルの隣に並ぶように、ダレイオス三世が象に騎乗して駈ける。その後ろには何万もの不死兵が続いていることから、すでに宝具である『不死の一万騎兵(アタトナイ・テン・サウザント)』を発動していると見れる。

 

「おお! お主も来たか! ならばこそ恐れるものなど何も無し! 行くぞぉ!!」

「■■■■!!」

 

 二人の雄叫びと、彼ら率いる軍勢の声が合わさり、何者にも引けをとらない無双の軍となる。

 そして遂に、イスカンダルらと悪魔の軍勢が互いに迫り、火蓋が切って落とされる。

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