【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】 作:朝霧=Uroboross
悪魔の軍勢とイスカンダルの軍勢がぶつかり合い、戦線が開く。悪魔達の"
「行きます!」「選り取り見取りだぜ、グレイ!」
悪魔達の中へと降り立ち、手に持つ大鎌=アッドを振り回して次々と倒していくグレイ。
空を飛ぶものに関しては、撃ち落とせるアーチャークラスの者達が対処にあたっている。
「冥土の土産に見て死ねぃ! これが魔王の『三段撃ち』じゃぁ!!」
「"I am the bone my sword…………"カラドボルグッ!!」
各所で戦火が飛び交い、広大に入り乱れる戦場となっていく。
そんな中、円卓の騎士らと共に立香を護るために側に控えていたモードレッドは、ある一点を見て目を細める。
「悪ぃマスター、ちょいと出張ってくる」
「わかった、気をつけてね」
そんな短い、しかしそれでも互いに伝わるような感覚を持つやり取りを済ませて、モードレッドは赤雷を纏い見つめていた一点を目指す。
そこには、大鎌を振り回す紅髪の悪魔──────マモンがいた。
愛機である"ペイルライダー"に股がりながら、器用に大鎌を振り回して近づく英霊〈下っぱ〉を蹴散らしていく。
時折、相手側の外した対空攻撃が落ちてくることがあるものの、巧みな運転で全てかわしていく。さらに避けながらサイドボックスから鈍く輝く宝石を落としていく。すると、あちこちで爆発が巻き起こる。
「けッ、他愛ねぇ──────」
そうマモンがいい掛けた時、
「アッド!」「おうさ!」
その掛け声が聞こえると共に、目前に刃が迫る。マモンは仰け反りながらバイクから降り、現れた敵を見据える。
「ハハハッ、やるじゃねェか。ちょっとヒヤッとしたぜ」
「おいおいヤバいんじゃねぇか?」
「でも、やらなきゃ」
強い意思を目に宿す、フードを被った少女。そして軽薄な雰囲気を出す匣────否、大鎌を持っていた。
骨のありそうな相手だ────そう思い、ニヤリ共に笑みを浮かべる。手元の大鎌を持ち直し、狙いを定める。
「来るぞ!」「ッ!」
疾駆、激突。互いの刃が交差し、せめぎあう。しかし、膂力で悪魔に敵うはずもなく、グレイは弾き飛ばされる。
「くぅ……っ!」
「まだまだだろォ!?」
連撃に次ぐ連撃。自由に、変幻自在に切り刻んでかるマモンの大鎌に対して、グレイは攻勢に出れずにいた。
そして、一瞬の隙を突かれ、攻撃を受けきれずグレイは体勢を崩してしまう。
「くぁっ……!」
「あの世で会おうぜ────」
マモンの凶刃がグレイに向かう──────刹那、赤雷がほとばしる。
「ッ、はァッ!!」
「オルァッ!!」
グレイを袈裟斬りに斬ろうとしていた刃の向きを無理矢理に変えて迎撃するマモン。それは丁度、モードレッドがマモンの首を切り落とそうとするところであった。
「よう"
「おいおいマジかよ"
互いに罵倒と興奮が入り交じったかのような声を上げ、また激突する。
切り結び、離れて、そしてまた鍔競り合う。赤い雷跡と、紫色の刃閃が何度も何度も混じり合い、一瞬の領域となる。
「おっとぉ、隙ありだぜ!」
「ッ!?」
不意の轟雷に撃たれ、マモンの動きがほんの一瞬だけ止まる。その一瞬を見逃さなかったモードレッドはマモンの土手っ腹を蹴り飛ばす。
地面を転がりながらも跳ねて体勢を立て直すマモン。先程声のした方であろうところに視線を向けると──────、
「ん? 余計なお世話だったか?」
「ったりめぇだ! っていいてぇが、正直助かった」
それはさも黄金のように、輝く雷を走らせる一人の東洋人────坂田金時だった。
マモンは自身の体に着いた土埃を払い落としながら相手を見る。
「おーおーいてぇいてぇ…………それなりに効いたぜ雷男」
「そいつぁどーも。……つってもまぁ、あんまり効いてねぇみたいだがな」
片手斧を肩に担いで、サングラスをかけていてもしかめっ面をしているその様に、マモンはクックッとこらえるような笑いを溢す。
「ったりめェだ。こんなもンで大罪魔王がくたびれるかよ」
そう言って大鎌を片手で、水平に相手に向けて挑発する。
「来いよ、もっと遊ぼうじゃねェか」