【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】 作:朝霧=Uroboross
A,カルデア正面玄関で戦闘指揮を取っています。
ちなvsマモンは見えるほどに目立ってます。
『ハハハハハハ! どうした! そンな程度かァ!?』
"三体"のマモンが三人を追い詰める。それぞれが一人ずつ相手しており、その全てが元々のマモンと同等の強さを持っていた。
「チィッ! うざってぇんだよ!」
モードレッドが苛立ちのままに剣を振るう。感情任せとはいえ、モードレッドは英霊。そうでなくとも洗練された剣技を持つ。しかし、そんなモードレッドの剣をマモンは難なく避ける。
なぜそうなったのかはしばらく前になる──────。
「来いよ、遊んでやる」
マモンは大鎌をモードレッド達に向けながらそう挑発する。その顔には余裕の笑みが浮かんでおり、それが余計にモードレッドを苛立たせた。
「いいさ、殺ってやる────よッ!!」
そう言ってモードレッドは飛び込む。しかし、それを見切っていたかのように、マモンの体のひねりを利用した反撃で相殺される。
だが、モードレッドの後ろから金時とグレイが左右から現れ、マモンを挟み撃ちにしようとする。
「っととっとっとォ、おいおい、3対1は卑怯じゃァねェか?」
それに気づいたマモンは、ヘラヘラしながらも二人の攻撃をひらりひらりと避けてさがる。
モードレッドが追撃を加えようと、空いた一瞬を狙うも、先程までとはうってかわったような滑らかな動きで受け流されてしまった。
「はァン、そっちがその気なら…………"開封"、『
マモンの言葉と共に、腰につけていた袋が勝手に開きはじめる。そして中からマモンの背丈ほどはある大きな鏡のようなものが現れる。
「んだ……? そりゃ……」
「オレ様本来の宝具、『足蹴の宝石』よォ。ま、言ってみりゃ棄てられちまったオタカラだな」
モードレッドのつい、といった風にこぼした言葉に、マモンは自慢げに話す。
袋から出てきた鏡は、ゆっくりとマモンの側へと降り、その鏡面をマモンへと向ける。すると──────、
「なっ!?」
「えっ!?」「マジかよ!?」
「なんだそりゃぁ……」
三人が驚いた理由、それは────
『まっ、中にはこういうのもあるからな』
そうおちゃらけるマモンは、三人に増えていた。鏡の中から、真っ黒な姿ではあるがマモンが二人現れ、元いたマモンと同じ動きと言葉を放っている。
その様子にものが達が呆然としていると、マモンが笑みを浮かべたまま鏡の中へと入っていく。
「あっ!? 待ちやがれ!」
「誰が待つかよバーカ」
と言い残してマモンは鏡へと消えてしまう。それと同時に鏡が勢いよく回り出して、ついにはどこかへ消えてしまう。
モードレッドはマモンを追おうと鏡へと駆けていたが、その前に鏡から出てきたマモンの分身が立ちはだかる。さらに周りに気を張ると、金時にもグレイにもそれぞれ一人ずつ立ちはだかっていた。
「倒せるもんならやってみろよ」
「ちっ、うっせぇ邪魔だってのっ!」
先程までの本体とほぼ変わらない強さを持つ分身体。それが一人に一体ずつ付くというのがどれほどの苦難か、モードレッドはそれを思い、歯噛みする──────。
〈カルデア前戦場 ??? 〉
「──────よっとォ」
鏡より現れたマモンは、宮殿のような場所、その玉座が置かれた場所へと出てくる。内部は禍々しい空気で満ちており、そこらじゅうに悪魔達が息吐くかのような気配があった。
「うっし、じゃあ始めるかねェ」
手を打ち鳴らして両手を広げる。その手の上には2つの宝具があった。
一つは先程までマモンが持っていた大鎌。もう1つはミニチュアサイズの宮殿であった。そう、この宮殿こそがマモン本来の宝具の1つ──────、
「母体、『
『胎動する万魔殿』、それは数多の悪魔を内包せし城塞宝具。それに地獄の女神より譲渡された宝具を合成していく。
宝具を合成するという荒業をしながらも、まるでなわてことのないような顔をしながら粛々と進めていく。
「──────完成」
ニヤリと笑みを浮かべて終わりを告げる。マモンの手によって作り替えられたことで新たに生まれた宝具。それが今、マモンの手の中にある。
ふと、玉座から見て正面の方向を見る。そこにはスクリーンのようなものが写し出されており、中ではモードレッドらと自身の分身達が戦っていた。
「ちったァ骨があったけどよ…………随分と詰めが甘ェもんだ」
薄ら笑いを浮かべてマモンは手の内にある宝具を発動する。中で渦巻いていた薔薇のような茨が解き放たれ、マモンのいる万魔殿から"裏世界"を侵食していく。
「さぁ起きろ! そして飲み込め! オレ様の、そして人間共の欲のように!! ────────『