【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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ビッグネーム多杉ィ!

私としたことがアイサツをすっかり忘れていたでござる。
1話の方に改めてご挨拶とエピックシンボルを載せてありますので、よろしければご覧下さいな。





3-7 赤竜一派

 急停止したがために煙を上げるシャドウ・ボーダー。その目前には、腰に二振りの剣を備える、絢爛な純白だが動きやすさを重視したかのような軍服の青年。

 隣には、軍服ではなくゆとりのある服装で、それはさも現代の探偵のような姿でタバコを吸う気だるげな壮年の男がいた。

 

「痛ったぁ……何事じゃ?」

「っ………ッ!? そ、そんな………」

 

 信長の能天気な声とは裏腹に、さも恐ろしげなものをみるかのように、二人を見て息を飲むベルフェゴール。

 

「知ってる相手?」

 

 と、立香が聞く。その質問に、ベルフェゴールが苦い顔をしながら答える。

 

「彼は、彼らは………『赤竜一派』、そのトップと、同じNo.3の"司令長官"だよ……」

『やぁベルフェゴール様、そこにいるんでしょう? 出て来てくれませんか?』

 

 ベルフェゴールのうめくような答えと共に、"宰相"と呼ばれた青年がシャドウ・ボーダーに向かって話しかける。

 彼らの狙いはどうやらベルフェゴールであり、当の本人は顔を青くしていた。

 

「む、無理だ………もう無理なんだ………」

 

 怯えて震え出すベルフェゴール。そんな姿を見て、立香は決心をする。

 

「皆、いけそう?」

「「「「おう!(はい!)」」」」

 

「え?」と呆けた声を出すベルフェゴールを置いて、立香らは外へと向かっていく。

 

「む、無理だよ! 勝てっこないよ! 彼らは大罪魔王に並ぶくらいに強いんだよ!?」

「問題ありません。先輩となら、勝ちます」

 

 慌てて止めようとする声に、毅然とした声で返すマシュの声。その顔は負けるとは微塵も思っておらず、決意に満ち溢れた表情をしていた。

 唖然として彼らが出ていく様を見ていたベルフェゴール。ふと、視線を自らの両手へと下げる。その手は男としてはあまりにも細く華奢であった。

 

「僕、は……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おや?」

 

 立香が外に出て、最初にかけられたのは疑問の声だった。

 声の方を見ると、不思議そうな顔をして首をかしげる"宰相"がいた。

 

「おかしいですね?こちらにいるぱずでは?アガリアレプト司令」

「いやいや、多分中に居るんでしょうよ。てか、そんな簡単に出てくるわけないですって」

 

 小首をかしげる"宰相"に、仕草でも違うといってけだるげに答える、アガリアレプトと呼ばれた男性。

 対して立香らはすでに全員が相手をよく観察して、どう行動するかを探っていた。

 

「ふむ………では貴殿方が"カルデア"というわけですか。では単刀直入に。──────ベルフェゴール様をお渡し頂けますか?」

 

 笑顔を見せる"宰相"。だが、その笑顔には相当の凄みがのっており、立香らの中には冷や汗を流すものもいた。

 

「断る、と言ったら?」

「殺しますね。その後で回収しましょうか」

 

 立香の質問に、なんでもないかと言うように、笑顔のままさらりと答える"宰相"。

 そのあまりの歪さに、立香の背筋が底冷えする。だが、立香はそれでも面と向き合って、

 

「それでも、渡さない」

 

 そう答える。すると、"宰相"は残念そうに首を振って、腰に挿す剣に手をかける。

 

「そうですか……。では……………死んで下さい」

 

 刹那。一瞬で立香との距離を詰める"宰相"に驚く立香。瞬き。ほんの一瞬のうちに剣を抜き、立香を切り伏せようとする。

 しかし、その剣は寸前で別方向から現れた刀によって防がれる。

 

「おや、これは中々」

「マスターに手出しはさせません」

 

 競り合い、互いに弾く。距離が空き、二人は構え直す。

 立香はあまりに突然のことで腰が抜け、フラフラとしりもちをつく。

 そんな立香に、沖田は振り返らず相手を見つめたまま、立香へと告げる。

 

「マスター下がって。今のままでは振れない」

「………わかった。沖田さんも、死なないで」

 

 マシュに手伝ってもらいながら去っていく立香の背に、沖田はボソッと「もう死にませんよ」と呟く。

 そして沖田は、左手に剣を構える青年を見る。それが自分を舐めているということを瞬時に悟るが、あえて何も言わず口を開く。

 

「我が名、新撰組一番隊隊長、沖田総司。いざ参る」

 

 名乗りを上げた沖田に対し、最初はにこやかに反応する。

 

「あぁ、名乗るのを忘れていたね。ボクは"宰相"こと、『ルキフグス・ロフォカレ』だよ。よろしくね」

 

 そう言う彼の雰囲気は、まさしく悪魔というべきものであり、沖田は知らず知らずのうちに、自らの額に汗を流していた。




ルキフグス戦は案外『♪~The Battle is to the Strong~』が似合うかも。


ルキフグス(1)→ギルと似たタイプのセイバー。唯一違う点は射出しないこと。既存の宝具であり、なおかつ自身が"知った"宝具を取り出せる『宝物殿』がある。
見た目はイケメン。中身は無情なカリスマ。
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