【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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はい、お察しの通り、やる気が切れる前に書き貯めしてます。


3-10 許されぬ怠惰

 〈カルデア内 食堂〉

 

「やぁやぁさっきの見てたよー。随分とやるみたいだねぇ」

「うぇっ? あ、う、うん……そ、そうかな?」

 

 ダヴィンチの褒めに照れるベルフェゴール。

 食堂内ではベルフェゴールの歓迎会のようなものが開かれていた。そこでは様々なサーヴァント、特にキャスター系のサーヴァント達から質問攻めになっていた。

 

「ちょっと、戦闘記録見たわよ。何あれ、何で無詠唱であんなのできるのよ」

「ふむ、確かに。見たところルーンも使っていないようだが?」

 

 メディア、スカディと、どんどん多くの魔術師達に囲まれるベルフェゴール。

 あたふたとしながらも質問に対して一つずつ丁寧に答えていく。

 

「え、えっとね……、まず、僕が使うのは、『原始魔術』って言う、魔法と魔術が別れる前のものなんだ」

「ほう」

 

 スカディが前のめりになって聞く。

 ベルフェゴールは説明しながら氷の彫像を形作っていく。それはまるで水晶でできたスカディであった。

 

「こんな風に、細かいこともできるんだ。あっ、僕に合うのは氷と、あと軽い時空系、です……」

「具体的に何が出来るんだい?」

 

 そんな光景を立香は微笑ましく見ていた。そこへマシュがお茶を運んでくる。

 

「先輩、お茶をどうぞ」

「ん、ありがとうマシュ」

 

 ズズズとお茶をすする立香。落ち着きながら監獄で会った男のことを考えていた。

 一体、彼は何を伝えたかったのか。ボーッとしながら考えにふけっていた。

 

「先輩?」

 

 そんな立香の様子をみかねたマシュが声をかける。半分ボーッとしていた立香はその声で我に帰る。

 

「え? あ、ごめんマシュ。ちょっと、考え事してた」

「考え事、ですか?」

 

 首をかしげていぶかしげな仕草をとる。どう説明したものかと首をひねるが、なかなかいい言葉が思い浮かばず、とりあえず流すことにした立香。

 そこへ丁度グレイを連れたエルメロイⅡ世が通りかかる。

 

「あっ、エルメロイ先生」

「……Ⅱ世をつけてくれマスター。それで、何用かね」

 

 立香に呼び止められたエルメロイⅡ世が苦言を言いながら立香の元へと来る。

 グレイと一緒に席につき、立香の話を聞く態度をとる。

「お茶持ってきますね」とマシュは席を外していく。

 

「で?呼んだからには何かあるのだろう?」

「はい、実は──────」

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 

「ふむ……"道化師"、か……それに『シェムハザ』か……」

「わかるんですか?」

 

 一通りの話を聞いたエルメロイⅡ世が、立香の話に出てきた重要語句であろう言葉を繰り返して呟く。

 グレイは頭に? マークを浮かべているが、エルメロイⅡ世はそれよりも立香の質問に答えることを優先した。

 

「あぁ……そうだな。まずは"道化師"については何もわからない」

 

 わからないと言われたことに、残念そうに肩を落とす立香。しかし、

 

「だが『己を見失うな』という言葉や『今いる場所を見失うな』というのは興味深い。なにかしらを示唆しているのだろう。マスターも気を付けたまえ」

「……はい」

 

 そう、ここは悪魔達の本拠地であり、本来ならなにが起こってもおかしくはないのだ。立香はそれを再確認し、真剣な表情となる。

 それを見たエルメロイⅡ世は軽く頷くと、話を続けようとする。

 

「さて……では肝心の『シェムハザ』という者についてだが──────」

 

 何者かということを話そうとしていたエルメロイⅡ世。

 だがその次の瞬間、カルデア中に強烈な衝撃が走る。

 

「うわぁ!?」「なによぉ!?」「「なんじゃぁぁ!?」」

 

 皆それぞれの反応を見せる中、ベルフェゴールが何かに気づいたかのような反応を見せる。

 

「この反応……まさか!?」

 

 そういうと廊下へと駆け出していく。それを見かけた立香や他の面々もベルフェゴールにつらってついていく。

 

 

 

 

 

 

 立香が廊下へ出ると、呆然と、しかし驚きに染まった顔をするベルフェゴールが窓の外を見ていた。

 不思議に思った立香は、ベルフェゴールが見ている場所と同じ方向を見る。するとそこには────

 

「ベルゼ……ビュート……」

 

 遥か先にてバイクにまたがりながらこちらを見るベルゼビュートの姿があった。

 ふと、ベルゼビュートが片手を上げるとどこからともなく槍が手元に飛んで来て、回しながら穂先を下げる。

 

「なんで、ここに……」

「……槍を、投げたんだ……」

 

 ベルフェゴールの絞り出すかのような声の内容に、驚愕の反応をする面々。

 不意に立香がベルゼビュートを見直すと、ニッと笑みを浮かべ、来いと言わんばかりに手でクイッと招き、そのまま走り去っていく。

 

「…………宣戦布告……」

 

 その声に反応できるものは、今はこの場にはいなかった。




はい、次章はお楽しみベルゼビュート編となります!
ヤー!楽しみだなぁ!(自らハードルを上げていく)
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