【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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3-幕外 何ゆえの『怠惰』なのか

 ナマケモノ、ロクデナシ、ゴクツブシ、使えないやつ。

 そんな風に罵倒されるようなイメージを抱かれやすい『怠惰』という言葉。『怠惰』という罪名。

 でも、『怠惰』というのは本当はそんなのじゃない。少なくとも、僕はそう思ってる。

 

 

 

 僕は遥か昔から、生来の悪魔として生まれてきた。年齢は大罪悪魔の中でも僕がダントツで歳上だし、実力も本来の力が出せるなら『憤怒(ラース)』よりも強いって言われてる。

 でも、僕はそんなに荒事は好きじゃないんだ。ただ、毎日ゆっくり過ごせられるならそれでよかったんだ。

 

 

 争いは好きじゃない。

 そんな毎日競って争って一体何が楽しいの? それは本当に君したいことなの? 

 どうしようもないならそれはしょうがないよ。だってやらなくちゃいけないんだから。でも、やらなくてもいいのにやるのはおかしいよ。嫌なら嫌って言わなきゃいけないよ。

 

 何かに追われるのは好きじゃない。

 自分のやりたいことは自分のやりたいようにやればいい。自分がこうだと思ったなら、正直に言えばいい。他人がどう言おうと自分は自分なんだから。

 

 僕らは機械じゃないんだ。

 僕らに何の義務もないし、何の強制力もない。あるのはただ『自分は自分』、ただそれだけ。

 なのになんで皆見下したり、忙しなくしているんだろう。苦しいならやめればいい。自分を見失うよりかは何倍もいい。

 

 

 僕が原始魔術を使えるのは、単なる気まぐれだった。時間だけはいくらでもあったから、何度もトライ&エラーをして徐々に上達していった。

 DJ業だって、ほんとはただの暇潰しで、気付いたらいつの間にかハマってただけ。

 

 

 引きこもってたのも、だらしなくしてたのも、無駄に疲れることを避けてただけ。無駄に無駄を重ねて頑張ったところで、それは何の積み重ねにもならないんだから、無理したっていいことなんてないんだから。

 

 

 毎日だらしなくたっていいじゃない。僕らは機械じゃないんだから、息抜きだっているんだよ、休みだって欲しいんだよ。

 働けなくてもいいじゃない。僕らは無理して働く必要なんてないんだよ。必要なものは昔から自分たちが賄ってきたんだから、またゼロから始めればいいからね。

 

 苦しんで、悲しんで、辛い思いしてどうして無理をしなきゃいけないの? 

 僕はそんな生き方はしたくない。そんなのは多分ら「どうしてこうなっちゃったんだろう」って後悔するから。

 そんなことなら、僕は後悔してでも毎日だらしなく生きていく。自分のやりたいことをやって、自分を明け透けに出して生きていく。

 

 

『怠惰』の定義は、皆人それぞれなんだろうけど、でも、出来れば悪いイメージは持たないで。

『怠惰』になるっていうことは、誰かしら必要なことなんだよ、絶対、絶対そういうところがなきゃ辛くなっちゃうんだよ。

 

 

 だから、さ? もう無理しないで。僕らは僕らで生きていこう。さぁ、一緒に、もうなんでもいいやってなっちゃうぐらいにだらけよう。

 そうして未来に生きていくんだ。そうして僕らの人生は繋がっていくんだよ。

 泣かないで、苦しまないで、もういいんだ。たまには立ち止まったって、誰も文句は言わないよ。なんたって──────

 

 

 

 

 僕らは仲間なんだから

 




根が悪魔とは思えないぐらいに優しいベルフェゴール。
あれ?悪魔ってこんなんだっけ?
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