【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】 作:朝霧=Uroboross
ニンジン君の活躍にこうご期待
「はぁっ!」「でぇいっ!」
「遅いッ!!」
片方は禍ツの聖剣、もう片方は雷を纏う鉞。二方向からの同時攻撃を、その大槍を目にも留まらぬスピードで振るい、弾き返す。
弾き飛ばされた二人の背後から、その胸を目指して槍の穂先が突かれる。さらには挟み討つかのようにロボが襲いかかる。
「ハッ!当たるとでも思ったか!」
挟み討ちに対して槍を回すことでロボの顎をかちあげ、その穂先でアキレウスの刺突を止める。
「グキュゥ!?」
「なにっ!?」
そのあまりの超絶技巧に思わず驚くアキレウス。穂先は寸分違わずアキレウスの槍の穂先とミリ単位0で止められており、力を入れて押しても微動だにしなかった。
ふと、ベルゼビュートが顔を上げる。その怖気に、アキレウスは背筋に寒気を感じる。
「ふん。────ぜェりあァ!!」
「ぐぬぉぉぁぁっ!?」
アキレウスが押してもビクともしなかった槍の交差を、ベルゼビュートは手首で穂先を跳ねらせるだけですぐに弾き、そこから振りかぶってアキレウスを薙ぎ飛ばす。
驚くべきはその技巧。彼は、一連の行動を、ただ地面に刺すだけでそこが陥没するほどの重さの槍を、片手ど行っているということであろう。
「アキレウス!?」
「ぐっ……平気だ、マスター。だが、思ったよりヤベェな……」
いかに不死身と言えど、その超重級の一撃は体内にまで響いている。外傷は問題なくとも、その内部まで癒すことはできない、ケイローンの経験から知っていたものの、その鈍痛は自らの不注意を物語っていた。
「はン、そんなモンかよ。まだ足りねぇなァ」
「ぐっ……」
メカエリチャンの放った兵装によって巻き起こった砂煙の中、槍を肩に担ぎながら悠々と歩むベルゼビュート。
黒いコートのはためくその姿には傷一つなく、ヘシアンによって傷つけられたはずの頬の傷もいつの間にか消えていた。
「なんだ?まさかこの程度だなんて言わねぇよな?あのディルムッドとかいう騎士サマはまだやれてたぜ?」
「────はっ、舐められたもんだぜ」
そう言って立ち上がるアキレウス。その手に握られた槍に力を入れる。
訝しげに、見下すかのようにアキレウスを見るベルゼビュート。槍を地面に刺し、ベルゼビュートに向かって指名するかのように指を指す。
「『暴食』の魔王ベルゼビュート……、おれは、あんたに一騎討ちを申し込む!」
高らかな宣言が響く。それを聞いたベルゼビュートは、一瞬呆けるも、頭を支えるかのように片手をあてる。だが、次第に肩を揺らしながら堪えるような笑いを上げる。
「クックック……クハハハ……ハーッハハハハ!オレと!一騎討ち!ハハハ、面白いじゃァねぇか!」
もはや堪えきれずといった風に高笑いをする。
一頻り笑いきって一息つくと、一変して真剣な顔をする。
「いいだろう、その勝負受けて立とう」
「そうか、ならお誂え向きの場所を出してやるよ──『
アキレウスが突き立てた槍の穂先から、特殊な空間が広がっていく。それに対して微動だにせず迎え撃つベルゼビュート。
二人が空間の中へと取り込まれ、互いに向き合う形になる。
「ここはおれの宝具で出来た、小手先の技なしの地力勝負の空間。詳しい説明はいるか?」
「はッ、いらねェよ。要は卑怯臭いことなしに殴り合う場所だろ?」
コートに手を突っ込みながら、アキレウスの正面まで歩くベルゼビュート。その途中でコートを剥ぐように脱ぎ捨て、互いに面と向き合う。
「オレの名はベルゼビュート、七大罪の魔王にして『暴食』の徒。来るがいい英雄、テメェの全部をぶっ飛ばしてやる」
「我が名はアキレウス、英雄ペイレウスが一子。そっちこそ、受けて後悔すんじゃねぇぞ大罪魔王」
にらみ合い、無言の空気が流れる。見上げる形のベルゼビュートと、見下す形のアキレウス。両者の闘志がせめぎあい、瞬間──────
「「いざ尋常に、勝負ッ!!」」
互いの拳が交差する。
バイクにタイマン、そして族と懐かしい90年代をぶちこみまくってますね。あ、作者若者な方です。
ちなみに湘爆とBad boy´sが好みですぞ。