【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】 作:朝霧=Uroboross
お待たせしました最新話。
ちょっとリアル事情忙しくて、ね?
許してくだちい……
アキレウスが発動させた宝具によって、
立香達はアキレウスの突然の行動に驚きつつも、一旦態勢を整えるために休憩していた。
「しっかしまぁ、アイツも突然だったな」
「うん……大丈夫かな、アキレウス」
腰に手を置いて結界を眺める金時と、不安げな返事を返す立香。
その後ろから機械が動く音にも似たものを鳴らしながら近寄るメカエリチャン。
「問題ないでしょう。彼は仮にも英雄、それも不死性を持つ英雄です。そう簡単には倒されないはず」
冷静に、といった風に分析結果を告げる。
立香はそれを聞いても自身の内にある不安感を払うことはできなかった──────。
「いんやぁ?そいつぁわかんねぇかもなぁ」
メカエリチャンの分析に対して、立香達ではない別の誰かの声が返事を返す。
その声の方向へと警戒態勢を取りながら振り向く。そこには────、
「よっ、さっきぶり少年」
「アガリアレプト!?」
少し前に、ベルフェゴールを連れ戻さんと立香らの前に立ちふさがったアガリアレプトが、広場と観客席のようにせりあがった大地の縁に座っていた。
立香の驚く声と共に一気に戦闘準備に入るサーヴァント達。その様子に慌てて弁明し始める。
「おぉい待て待て待て待てっ!もう何にもしねぇって!」
「どうだろうな、寝首を掻く程度はできるのではないか?」
アルトリア・オルタが剣を構える。すると、アガリアレプトはすぐさま縁から降り、両手を上げながら近寄ってくる。
「ほんとだっての!オジサン戦う気ないし!てか戦いたくないし!?」
もはや必死とも言える勢いでまくしたてる。よく見れば額には軽く冷や汗が流れており、態度から見ても"戦いたくない"という雰囲気がありありと伝わってくる。
立香はそんなアガリアレプトを見て、全員に警戒を解くように伝える。
「……皆、下げていいよ」
「……了解した、マスター」
いまだアガリアレプトへの警戒の視線は飛ばしているものの、各々手元の武器を下げていく。
その様子にホッと一息吐くかのように息を吐き出し、両手を上げたまま中座するアガリアレプト。立香はそんなアガリアレプトに問う。
「何しにきたんだ?」
「え?あ、いや、オジサン、上の人の気配追ってきたんだけど。…………そういやどこいったんだ?あのお方は……」
立香の質問にキョトンとして答えたアガリアレプトは、思い出したかのように辺りを見渡す。キョロキョロとしている様は、まるで誰かを探しているかのようである。
「あなたの上司が誰か知らないけど……、ベルゼビュートとか言うやつならあそこの中よ」
半ば呆れたような反応を見せるメカエリチャンは、「あそこ」と言うところで半球形の結界を指差す。
それを見たアガリアレプトは、「マァジかぁ……」と先程よりも大きなため息をこぼしながら頭をガシガシと掻く。
「まぁた後先考えずに動いて……、もうどーなっても知ーらね……」
自棄になったかのような言葉をはいて、地面にしりもちをつくように座り、思いっきり足を伸ばして空を仰ぐアガリアレプト。
そこには「疲れた」「もう動きたくない」とぐうたら精神がまるっと現れていた。
そんなアガリアレプトに苦笑いをこぼす立香。ほんな立香の影が、急に脈絡なく不規則に蠢くのを、アガリアレプトは見逃さなかった。
「……はぁ…………アンタもアンタですよ、"悪神"サマ」
「あれー?なぁんでバレちまうかなぁ……」
アガリアレプトにとがめられたことで立香の影からひょっこりと顔を出す青年。それはアンリ・マユであった。
驚く立香をよそに、さも風呂から上がってくるかのような動きで這い出てくるアンリ。
「いやそんなあからさまじゃバレるってもんですわ。もうちと巧くやりやしょうぜ」
「うぇぇー?マスターは気付かなかったぜ?」
億劫そうな語調のアガリアレプトと、ケラケラと愉快そうに笑うアンリ。どうやら他のサーヴァント達は気付いていたらしく、興味なさげにしている。
だが、そんな緩慢とした空気は、突如として消失し始めたアキレウスの結界によって再び引き締まる。この中から現れるのは一騎討ちに勝った者。はたして────
「ふぅー…………ってて、思ったよりも根性あったなァ……」
肩に手を置き、ストレッチのように回すベルゼビュートの姿があった。空気は一瞬にして張り詰める。
そんなことを素知らぬ顔で歩み寄ってきていたベルゼビュート。だが立香を、正確にはその後ろにいたアンリを視認した瞬間に血相が変わる。
「んなっ、テメェ…………────
──ア"ァンリ・マユゥゥゥッ!!」
「うげっ、ベルゼビュート!?」
アンリを視認したベルゼビュートは瞬時に槍を召喚し、アンリへと投げつける。それを見越してかロボが立香を加えてアンリから離れていく。
アンリは即座に
「待ってたぜェ……この時をよォ!」
「オレは待ってないんだけど、な!」
交差させた二つの歪な短剣で弾き返す。
距離を空けた二人。片方はしかめっ面ながら笑みを深め、片方は汗を流しながらも茶化すような余裕さを見せていた。
やぁ、私だよ。
ラップバトルはまだ書けていないんだ。しばらく待っていてくれ……。
次話もしばらくかかるかもしれないです。