【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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結構四苦八苦してます。
衝動で書いてる節があるので読みづらいかも知れませぬ……

感想とか評価とか、ほんとなんでもいいのよ?
|ω゜)チラッ


4-11 『暴食』と『嫉妬』

 まだ足元がおぼつかず、よろけかけているアキレウスに肩を貸しながら、シャドウ・ボーダーに最後に金時達が入っていく。

 そのシャドウ・ボーダーを、何の気なしに見つめていたベルゼビュート。そこへホームズが近寄っていく。

 

「失礼、Mr.ベルゼビュート」

「ん?おう、どうした」

 

 話しかけられたベルゼビュートは、大した気負いもしていないことを察して軽い返事をする。

 

「いやなに、君は大罪悪魔達の中でどれほどの強さなのかと思ってね」

「あー……あー、なるほどな。まぁさっきのは完璧オレのワガママ優先したからなァ……」

 

 頭をかきながら申し訳なさそうにする。ベルゼビュートとアンリマユの確執 (といえるまでのものではないが)の深さには幾分か呆気にとられたが、そこは二人の話だとホームズは切り捨てる。

 

「どのぐらい、とは言うが、実際オレ達はその時の状況や感情によって出力が段違いになってくンだよな」

「ふむ…続けて」

 

 ベルゼビュートが親切に教えてくれようとする姿勢に、少しばかり驚くも続けさせる。

 気づけば、近くで立香達も聞き耳を立てていた。

 

「でまぁ同じ状況でフェアな状態なら……、オレは上から二番目だな」

「えっ、そんなに強いの!?」

 

 立香の驚いたような台詞は、実際ホームズの中にもあった。

 上から二番目に強い、ということは即ち実質的なNo.2であるということだ。そんな彼がこんなところで、しかものんな早く遭遇するものなのかと、ホームズは疑問に思う。

 

「そんな実質No.2の君が、なぜこんなところに?」

「んー、そうだな……一つ目はそこの坊主────立香坊がどんだけの(モン)か見定めるため」

 

 指を一本立てて理由を言う。その理由はホームズも納得できるものであった。自分たちを討ち倒す者がどのようなものなのかを知りたいと思うのは至極当然のことだ。

 とは言えそれは、実のところ前のロンドン擬きで彼に邂逅しているので果たされているのでは?と内心思う。

 

「2つ目は連れてるヤツらがどれだけ強いのか試したかったのさ。それを知らねぇと、ある意味オレもどうしようもねぇからな」

 

 2つ目もわからなくはなかった。ただどうして困るのかは不明だったが。

 

「んで、3つ目だが………これは向こうに着いたときにわからァ」

 

 そう言ってベルゼビュートが振り返る。その視線に釣られて立香達もその方向を見ると────、

 

「!!ウソ……アレ、『リヴァイアサン』!?本物なの!?」

 

 メルトリリスが驚きの声を上げる。それも無理はない、向こうから波飛沫を上げながらやってくる巨大な姿。それは魚のようで蛇のようであった。

 その姿はまごうことなき『リヴァイアサン』だった。────心なしか速度が一気に増したようにも見えるが。

 

バールーッ!」

「んぅぇっ、この声はまさか……」

 

 段々と近付き、ついに立香達がその顔を目視できる距離まで来ると、竜の頭に乗ってる女性らしきものが勢いよく手を振り、大声で呼び掛ける。

 次いで竜の方を見ると────、なぜか憤怒の表情で迫っていた。

 

『誰よ!今"リヴァイアサン"って言ったの!』

「もう、落ち着きなさいよレヴィ」

 

 立香達の側まで来ると急停止し、噛みつく勢いで怒りを露にする竜。そしてそれを嗜める女性。

 心なしかベルゼビュートの顔が疲れたようになっている、

 

「お疲れ様、バル」

「まだ昔の名で呼ぶのはお前(オメェ)くらいだわな、『リリス』」

「「「「えっ!?」」」」

 

 ベルゼビュートが口にした名前に、その場にいた者達は驚き、女性を見る。見られた女性はキョトンとしていた。

 

「リリスと言えば、創世記で有名なアダムの──」

「あの能無しの話はしないで」

 

 ホームズの話を途中で、毅然とした空気をまといながら否定するリリスと呼ばれた女性。その眼からは徹底した嫌悪感がにじみでていた。

 だが、嘆息して顔を彼方へと向ける。その目は遠く、どこか別の場所を見ているようだった。

 

「あの能無しと私は解り合えなかったの。それは神様だって同じ、私は誰にも理解されなかったの。ただ、皆と同じようにしてほしかっただけなのに、ね……」

 

 物悲しそうな顔をするリリス。それはまるで遠い思い出を懐かしんでいるようで、もう叶わないものを見ているようでもあった。

 なんとも言えない空気が広がる中、リリスは手を軽く叩いて雰囲気を変える。

 

「さっ、こんな話は置いときましょ。改めまして、私は貴方達を迎えに来た者。七大罪の一角、『嫉妬(エンヴィー)』ことリリスよ」

『で、私がレヴィアタンね。間違ってもリヴァイアサンだなんて呼んだら海に沈めるわよ』

 

 竜が笑顔 (恐らくでしかないが)で凄むのに、立香らは黙って頷いた。下手なことを言うと不味い、とすぐに察してしまうほどの威圧感であった。

 

『じゃあ細かいことは行きながら説明するから、さっさと私の背に乗って頂戴?』

 

 そう言って背を向けるレヴィアタンに、立香はおっかなびっくりながらも乗っていく。

 まだ停車していたシャドウ・ボーダーでは、「海だ!海へ行かせろ!」と叫び暴れるキャプテンを、金時らが抑えていた。

 

「おう、何サラッと帰ろうとしてんだ。テメェも行くんだよ」

「げぅっ、もうちょっと優しくしてくんない?てかアレに乗るのオレ勘弁なんだけど……」

 

 こそこそとシャドウ・ボーダーに乗り込もうとするアンリマユを、その首根っこを掴んだベルゼビュートが引きずって連れてくる。

 文句を垂れるアンリマユに、レヴィアタンはいい笑顔で、

 

『あら、別に嫌ならいいのよ?乗らなくても。その代わり口の中に入れてくけれど。うっかり飲んじゃっても責任取らないわよ?』

「いえ、ダイジョブです……」

 

 観念したようにぐったりとするアンリマユを放り投げるベルゼビュート。

 レヴィアタンの頭に乗っていたリリスはベルゼビュートに振り返り、

 

「バルも、後でちゃんと来てよ?」

「おう、行けたら行くわ」

 

 そんな当たり障りのない返し文句を言ってから、リリスはレヴィアタンに行ってよしの合図をする。

 離れていくベルゼビュートに立香は振り返って声を上げる。

 

「ありがとう!また会おうね!」

 

 ただ黙って手を振り返すベルゼビュートは、一人ごちるように、

 

「悪魔に"また会おう"なんて言うんじゃねぇっての…」

 

 と、どこか寂しげながらも呆れているのであった。

 

 





更新ペース報告。
平日→2、3日に1話ぐらい、21時更新予定。
休日・祝日→なるべく1日1話を目指します…。22~23時更新予定。

で、よろしくお願いします。

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