【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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アスモデウスの立ち絵はデュオスクロイタイプです。



5-4 偽物暴露

「なん、で……」

「その問は、『なんで倒したはずの魔神柱が』か、もしくは『落ち延びた魔神柱は全て倒したはず』……か?」

 

 ニヤリと笑みを浮かべ、立香の内心を表情から読み取るデール。その様子に立香はまたさらに警戒心を露にする。

 

「何興奮してるのよ、アナタ。早く座りなさいな、話ができないじゃない」

 

 そんな険悪な空気の中、もう一人の"アスモデウス"────アシュリーの声によって意識を外され、立香の警戒心は多少落ち着く。

 デールのことを警戒しながらも、立香はフルーレティが用意してくれていたイスに座り、同じくガーデンテーブルの周りに座るアスモデウスらを、当初よりも気を張りながら対面する。

 

「さてと、まずお話する前に────アナタにかけられたその悪質な偽装を剥がすことから始めましょ」

 

 アシュリーはそう言うと、おもむろに指を拳銃のように立香に構えながら、爪先ど何かを引き裂くように振り下ろす。

 すると何か紙のようなものが破られる音がなり、途端に言い様のない大きな力の風圧が立香に襲いかかる。

 思わず顔をそむけた立香だったが、すぐにそれは止み、慎重に顔を上げていく。

 

「──なっ」

「おぇ!?立香君!?」

 

 目の前には、確かに偽のカルデアへと戻ったはずのシャドウ・ボーダーとダヴィンチちゃん、更にはサーヴァントの皆が庭園であるこの場所に集合していた。

 さらに周りの景色をよく見ると、空は真っ黒な穴のようなものから、暗雲と燃えるように、かつ血のように紅い空が広がっていた。

 加えて、空を突くような、それでいて今にも崩れ落ちそうな高層ビルのような建造物があちこちに建っており、180度も変わった景色に、立香は唖然とする他なかった。

 

「改めてようこそ。地の果て、絶望の底、全ての終わりの世界。"堕落魔界都市『ソドム』"へ。歓迎するわ、カルデアの皆様」

 

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「──つまり、我々はその『虚飾』────『アザゼル』という悪魔に偽りの世界を見せられていたというわけだね?」

「そういうことよ。こんなのに引っ掛かるなんて甘い──なんて言えないのよね。実際、アイツのコレ(・・)は私達でも騙されるもの」

 

 立香やサーヴァント達は、ホームズとアシュリーとの会話を静かに聞いていた。

 曰く────自分たちが今まで見ていたのは、『虚飾』が本来の目的を隠蔽するための布石であった。

 曰く────『虚飾』及び『憤怒』の目的は、漂白された地上へと進出し、世界を塗り替え、その上であらゆる可能性の世界を滅ぼして統一し、新たな楽園を築くこと。

 曰く────カルデアはその目的、『人理帰葬』の妨げとなる為、この煉獄へと引き込み、閉じ込めるつもりであったとのこと。

 

「『人理帰葬』。即ち人理に対する攻撃、か…………。つまり、相手は『人類悪』と見ていいのかい?」

「「「ッ!!」」」

 

 ダヴィンチの驚きと真剣みを帯びた問い掛けに、立香ら全員が毛が逆立つ。

 人類悪。それは、今この場にいるキアラとカーマを含めた人理に対する攻撃者。現在立香達が立ち向かっている異聞帯を作り出した者、『クリプター』達の首魁たる者もまた人類悪である。

 その一体が半ば直接的に立香らに攻撃を、より言うなれば妨害工作をしてくるということに、立香らは驚きを隠せないでいた。

 

「……目的は判った。しかし、一つ聞きたいことがある、Ms.アシュリー」

「あら、何かしら?」

 

 深刻な顔をしていたホームズは、その閉じていた瞼をあけて、アシュリーに質問をする。

 

「君たちは七つの大罪の悪魔達。ベルゼビュート、マモン、ベルフェゴール、レヴィアタン、アスモデウス。……もし私の推理が正しいのであれば、『憤怒』の真名は────」

「──それは僕から言うよ」

 

 どこからともなく声がかかり、シャドウ・ボーダーの裏手から人影が現れる。それは────

 

「ベルフェゴール……」

「……うん、ごめんね。皆を戻すのに、時間かかっちゃった」

 

 愛想笑いとも苦笑いとも言えるような顔をして、ベルフェゴールが立香の前に立つ。

 その姿は、以前会った時と同じようにも見える。だが、ボサボサでクセっ毛が目立っていた長髪は綺麗に整えられ、やつれかけていた顔も見る影なくスッキリしていた。

 

「アザゼルの張った世界はかなり強力だったから、結構、頑張った。──あと、偽物退治も」

「!それって……──」

 

 立香がワケを聞こうとすると、どこかからか甲高く、そして胡散臭さ満載の笑い声が聴こえてくる。

 その声の主はベルフェゴールの後ろに居た。ド派手で怪しさだらけの格好に、張り付いたような笑みを浮かべ続けながら、ベルフェゴールの魔術によって縛られたメフィストフィレスが連行されてくる。

 

「メッフィが偽物だったの?」

「うん。成り代わって、本物は現実(向こう)でもこれは端末」

 

 伝えようとしていることはわかるものの、どこか断片的なベルフェゴール。だが、言いたいことはわかるため、立香は内容を理解していた。

 

「いーやいやいやいやぁ?ワタクシこーんな扱いされる覚えないのですがぁ?」

「ウソ。そろそろもう解るよアザゼル。本物なら今頃もう抜けてる」

 

 ベルフェゴールがそう宣言すると、「……ちぇっ」と言い残してメフィストだったものへと変わっていく。それはパズルピースが砕けるようにバラバラになり、どこかへと消えていく。

 立香がその様子に目を見開いていると、ベルフェゴールから声がかかる。

 

「じゃあ、これからのこと、これまでのこと、話していくよ」

 

 

 




主、卑弥呼課金するってよ
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