【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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今回は説明回なので少し、てかかなり長いかもしれない回。

余談。
ゴルドルフ所長は煉獄へ引きずり込まれたことにまずビビってる上に、魔王の集いが目の前で始まっているので下手なこというとヤバいと感じている。
↑なまじ悪魔の知識があるため、下手な口出しは命取りになると思っている。



5-5 『怠惰』の合流

 

 改めて、ベルフェゴールが席につき、以前とは違う真剣な顔つきで前を向く。

 立香を始めとして、カルデアの面々はこれから話されることに生唾を飲み込む。

 

「んしょ……じゃあ、まず僕が、何をしていたのから言うね」

 

 以前までのベルフェゴールと違い、しっかりと話す姿が見られる。ただ、その顔にはどこか自嘲気味な笑みが付いていた。

 

「始め、僕があのカルデアに行った時、変な違和感があったんだ──────

 

 

 

 

 ──ほんとは、それこそ勘違いかなって思ってたんだ。でもね、エルメロイⅡ世さんや金色の王様から、ここはおかしい、って言われて、改めて調べてみたんだ。

 そうしたら、あのカルデアは立香君の記憶を元にして産み出された、『立香君にとって捨てられない場所』だったんだ。あそこに留まらせるようにしていれば、立香君は遠回りになる。でも、僕らにとってそれは困るんだ。

 だから、僕は立香君を助けるため、立香君に助けてもらうため、あそこを砕いたんだ。立香君の『捨てられない場所』を破壊することで、立香君はあそこには戻らない。戻らないなら、あそこの意味はない。皆もそれが立香君のためになるならって協力してくれたんだ。

 

 

 

 

 だから、ね?えっと……うんと……なんていうかな……、夢を砕いて現実を見る、かな?『憤怒』を止めるためにも、立香君には正気に戻ってほしかったんだ」

「そう、だったんだ……ありがとう、ベルフェゴール」

 

 一部たどたどしく、一部説明が抜けていたりと、やはりどこかベルフェゴールらしい説明に、立香は安堵し嬉しく思う。

 だがベルフェゴールの説明を聞き、どうしてもわからないことがいくつもあった。自分を助けるため、それはわかった。だが、なぜ助けてほしいのか、立香は疑問に思っていた。

 

「ま、とりあえず状況はいいかしら?じゃあ私から、この世界についてと、私について。手取り足取り教えてアゲルわ」

 

 妖艶な笑みを浮かべるアシュリーに、シャドウ・ボーダーから出てきていたカルデアスタッフの内から、生唾を飲む音が聴こえてくる。

 アシュリーはそれに満足そうな笑みを浮かべると、ティーカップを片手に、少し色っぽい仕草を含みながら語りはじめる。

 

「これはとても長くなるわ、なんでもいいから忘れないよう記録しておきなさい?

 

 

 

 まず、私達悪魔というのは、過去において、神にも人にも認められない自由を求めた者達の末路。そしてこの煉獄──ゲヘナは、私達悪魔だけしか生きられない牢獄にして処刑場。この街にだって、もう生きてる人間なんていないわ。皆焼け死ぬか、飢え渇いてやっぱり死ぬだけよ。

 そして自分で言うのもどうかと思うけれど、その悪魔の中でも一際隔絶した力を持つのが私達『七大罪』──別称『大罪悪魔』よ。まぁ、例外もいるのだけれど。具体的な力の差は、普通の悪魔がアリだとしたら、私達は山ほどあるわね。

 

 

 そして、その中でも一層格の違う三人の悪魔──『暴食』、『傲慢』、そして『憤怒』の三人。これがこの煉獄における三大勢力よ。あぁ、『暴食』──ベルゼビュートにはもう会っていたわね。彼が率いるのはならず者として爪弾きにされた者達、『心の自由』を認められなかった者達よ。皆気が良くて、最も悪魔らしくない悪魔達の集まりね。

 

 

 次は『傲慢』。元は天使長だった彼の真名を『ルシファー』。彼は彼と共に付き添った堕天使達を引き連れた、下手な軍隊よりも強大で強固な組織力を持つ軍勢の長よ。さらに彼自身結構な強さの上に、堕天してもまだ自分の主への信仰を捨ててないのだから驚きよね。最近はなんだか変なものを造ってるみたいだけれど……。何を考えているのかイマイチわからないやつね。

 

 

 

 ここまでで何か質問はあるかしら?」

 

 一度話を区切るアシュリー。神妙に聞いていた立香やカルデアスタッフ、サーヴァント達は異様なまでの静けさを保っていた。

 ふと、そこへ声を上げる者が現れる。

 

「おう、あるもないも何も、質問だらけだクソ魔神柱」

 

 それは真紅の鎧を身にまとい、鋭い眼光をアシュリーとデールに向け続ける者──モードレッドであった。

 アシュリーは、予測していたかのような余裕の微笑みを携えて問い直す。

 

「あら、何がわからないのかしら?」

「テメェらは今自由を求めたつったな。じゃああの"樹"はなんなんだよ!」

 

 そうな言ってモードレッドが指を指す先を立香は振り返る。そして、そこにある予想外のものに、立香は驚きのあまり固まってしまう。

 

「何でテメェらのとこに────『空想樹』があるんだよ!説明してみろや!」

 

 怒鳴り散らすモードレッドの声に、困ったように、しかしわざとらしい仕草をしながら、アシュリーはのんびりと答える。

 

「そうねぇ……端的に言えば奪った(・・・)のよ」

「「「う、奪ったぁ!?」」」

 

 奇想天外すぎる答えに、今度は立香を含めるその場にいた全員がすっとんきょうな声を上げてしまう。

 空想樹の簒奪──それはつまり、『異星の神』に対する挑戦とも取れる行動であり、間違いなくあの者達が黙っていないはず────

 

「あぁ、ちなみに。『異星の神』とか言うやつの手下は皆、『憂鬱』に蹴散らされて強制返還されたわよ」

「な!?」

 

 あの『異星の神』の従者達を蹴散らしたという、またしても聞いたことのない、恐らくは大罪悪魔であろう存在の、そして彼らの規格外さに、一堂は声をなくすのであった。

 




もうちょい長くしてもいいのかね?良さげだったらボチボチ伸ばしていこうかな。
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