【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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た、大変遅れて申し訳ねぇでござらぁですァ………

最新話、どうぞご照覧くだしあ……グフッ()



5-7 泡沫の慟哭

 ビースト7=サタナエル。それが今回の事件の黒幕であると知った立香らの驚きは、まさしく言葉にできないほどであった。

 それをさもありなんと澄まし顔で紅茶を口に運ぶデール。一息ついてから、またしても彼は爆弾を落とす。

 

「とは言え、彼奴は本物の『ビーストVII』ではないのだがね」

「それは、どういうことかね。Mr.デール」

 

 剣呑さをにじませたホームズの問いかけに、デールはただ肩をすくめて返す。

 

「どうもなにも、彼奴は『獣』の紛い物。『異星の神』とやらから簒奪した『権能』を取り込んだだけにすぎん」

 

 それは、当たり前だと言わんばかりの口調で、そしてそれしきもわからないのかと嘲るかのような雰囲気を持っていた。

 そんな反応にカルデア側の多くの者達は、そんなデールの態度に苛立ちを感じてはいたが、立香がそこにいるがために堪え忍んでいた。

 

「どれ、長話でお疲れだろう。こちらで資料を用意しておいたので目通ししておくといい。──フルーレティ?」

「はっ。では皆様、こちらの資料をどうぞ」

 

 優雅なお辞儀をして、いつの間にやら背後に控えていたフルーレティが立香やホームズらに次々と資料を渡していく。

 

「あぁそれと、サーヴァントに関してだが。こちらで魔界に溢れている純粋な魔力を逐次そちらのその車両に供給している故、今まで通りで問題ないぞ」

 

 さらりとなんでもないかのようにのたまうデール。

 その手腕と口調から改めて、本当にあの時、時間神殿にて決着を着けた魔神柱なのか困惑する立香ら。

 そんな彼らをよそに、デールとアシュリーは続けていく。

 

「ほら、貴方達も疲れているでしょう?屋敷の西館、その2階から上であれば自由に使っていいわよ。一応忠告するけれど、1階や西館以外で休んで何かあっても、私達は知らないわよ?」

 

 蠱惑的で、何か裏がありそうな微笑みを浮かばせながら、カルデアの皆に忠告するアシュリー。

 しかし、立香が見えたのは一瞬のことであり、瞬きをして改めて見ると、穏やかな笑みとなっていた。

 

「……では、お言葉に甘えようか。とは言え念のため、Ms.マシュと他数名で、立香君の周りにいるとしよう」

「ふふふ、それがいいわねぇ」

 

 今の今まで傍観に徹していたリリスが、ホームズの指示に賛同を示し、何人かが立香の共につく。

 そこから立香はサタナキアに「こっちなの!」と、テラスと庭園を繋げる階段へと向かっていく。

 

「フルーレティ、館の防備についてだが──」

「えぇ、それにつきましては────」

 

 デールとフルーレティが、小声で何かを話しはじめるのを他所に、立香は与えられた部屋へと向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────夢を見た。悲痛で、孤独で、どうしようもないほどに虚しい声を聴いた。

 

 

『なぜだ!なぜ見向きもしない!これはお前達にとって大切なもののはずだ!!』

『やめろ……やめてくれ……もう殺し合わないでくれ…………』

 

『どうして……?どうしてなの……?そんなに私は赦されないの?』

『ふざけないでよ!私は……私は、そんなことのために"愛"を与えたわけじゃないのよ!』

 

『ぼ、くは…………一体、何を……したいんだ……』

『えぇ、主よ……良いのです。これが、これが私に与えられし使命。例え、憎まれることとなろうと、私は……』

 

 

 嘆きを見た、悲しみを見た、届かぬ想いを、夢を、希望を、遥かな天を──────そして、死を。

 見て、聞いて、知って、理解して。そこに憐れみと哀しみを持って、再び視て、聴いて、識って、足掻いて、苦しんで、もがいて、そして────絶望を視た。

 

 とめどない悲痛な世界の中、立香は、その2つの声が頭に何度でも、明瞭に響いていた。

 

 

『なぜだ!!なぜ、なぜ人間に"心"を与えた!こんな……こんな結末を与える為なのか!?ふざけるなよ……ッ。許さん……許さんぞ、(オレ)はこんな世界(理不尽)、許さんぞ"神"よォッ!!』

 

『主への信仰?尊き御身への忠誠?下らないね……。そんなものを持ったところで、帰らないものは帰ってこない。アンタらに消されたもんは還らない……ッ!キミもそう思うだろ?"座天使"サマ。アンタの主に言っといてくれ……"テメェの思惑にはウンザリだよ"ってねェ!!』

 

 

 怒り、嘆き、そして後悔の渦が立香を襲う。頭が割れんばかりの慟哭に、あえぐように苦しみを現す立香。

 そんな怨嗟の嵐の中『──い』、立香は自身の『──んはい』、最も信頼する者のの声を幻聴する。

 

「『先輩!!』」

 

 

「────はッ!?はっ、はっ……」

「先輩、大丈夫ですか!?」

 

 過呼吸になり、震える体を抑えながら、立香は辺りを見渡す。

 目の前には、自身が最も信頼する"後輩"──マシュの姿があり、周りには自らを心配するかのような目線を送るサーヴァント達がいた。

 

「大丈夫ですか?ご主人様(マスター)

「怖い夢を見ていたのかしら?汗が酷いのよ」

「そんな過呼吸にならず落ち着きなさいな。貴方は私達のマスターでしょう?」

 

 皆の気遣う声に、立香は深く息を吐いて落ち着かせる。

「よし!」と元気な声が自分の腹からでてきたことに、自分でも驚く立香ではあったが、すぐに気持ちを切り替えてマシュ達に向き直る。

 

「ありがとうマシュ。それとごめん、心配かけて」

「い、いえ、マスターが無事ならそれで────」

 

 その時、唐突として爆発音が連鎖的に鳴り響く。それと共に館内にまで振動が襲い、立香らは軽くよろめく。

 その後すぐに、外から悲鳴と怒号と、そして銃声が聞こえてくる。

 

「ッ、マシュ!皆!」

「はい!」

 

 立香は布団から飛び降り、マシュ達を連れて外へと、銃声と怒号が聞こえる方向へと駆けていく────。

 

 




リアル事情忙しくて全く書けてなかったで御座候。

あっ、やめてっ、植木鉢投げないでっ!がんばって書くからぁ!!アヒュン
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