【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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UA)<主ィッ!テメェ何してたァ!(ドア蹴破り

主)<ヒェッ!?ネタ集めしてたよ!?

UA)<ウルセェ!遅いんだよぉ!『軍神の剣』ンンン!!

主)<グワァァァァッ!? 【最新話】
ノノ

死ぬかと思いました。



5-8 襲撃の黒服〈前〉

 

 立香達が大慌てで一階へと降りていく。そこから更に玄関へと向かっていくと、それに合わせて銃声も大きくなっていく。

 曲がり角を曲がり、玄関へと直通している廊下へ出る。と、その時──、

 

「ッ!先輩、危ないっ!!」

 

 マシュが立香の前に躍り出て、盾を現出させる。立香を守るように現れた盾には、無数の銃弾が軽い金属音を響かせながら弾かれていた。

 あまりの弾幕に下がった方が良いと判断した立香らは、すぐに角の奥に引っ込む。

 

「マシュ、大丈夫!?一体、何が……」

「『憤怒(ラース)』のとこの狂信者(デモニスト)共よ……」

 

 立香の背後より女性の声。振り替えると、血の滲む肩を抑え、デールに支えられたアシュリーが廊下の奥から現れる。

 

「アシュリー!?どうしたの!?」

「油断したわ……、予想以上に行動が早かった……」

「防備が間に合わず襲撃を許してしまった。面目ない」

 

 苦虫を噛み潰したかのような渋面のアシュリーと、同じく己の失態を恥じるかのような顔をするデール。

 曲がり角から放たれる弾幕は収まりを見せようとはせず、立香らは立ち往生する他なかった。

 

『立香君、大丈夫かい!?』

「ダヴィンチちゃん!?今大変なんだけど!」

 

 唐突にデバイスからダヴィンチの通信がかかる。そんな中でも、明らかに立香を狙うかのように弾幕が集中し始め、次第に壁が削れていく。

 

『判ってる!今援軍を送るから場所を!』

「中央玄関エントランス前!一番大きな玄関の前よ!」

 

 通信の奥にいるダヴィンチに向かって、銃声にかき消されないほどの声を上げて現在位置を告げるアシュリー。流石に傷口が開いたのか、すぐに苦ヶしい顔になって軽くうずくまる。

 そんなアシュリーに声をかけようとする立香。だが、遠くから自信の知る気配が近付くのを感じとる。

 

『オラオラオラオラオラ!!前回の失敗を取り返さねぇとなぁ!!』

 

 通信の奥から、廊下の奥から、誰かが檄を飛ばす声が聞こえる。

 更に、何か車輪のようなものが、とてつもない速さで動いているかのような音が聞こえてくる。

 

『振り落とされるなよ!さぁ突き進め!(そら)の彼方まで!!『疾風怒濤の不死戦車(トロイアス・トラゴーイディア)』!!」

 

 立香が潜む角を、翠の閃光が駆け抜ける。そして、玄関のその先へと走っていく。

 その閃光から、一人が舞い降りる。

 

「本当はこんな前線に出るのはアラフィフな私のやることではないのだが……、マスターが窮地だからネ」

 

 立香にウィンクを飛ばして、構えた棺桶から負けず劣らずの弾幕を張るモリアーティ。

 さらに奥から立香のサーヴァント達が駆け寄り、応戦していく。

 

「やっと応援?遅すぎるよ~」

 

 立香達がなんとか玄関エントランスまで戦線を押し上げてくると、上からくたびれたような声が聞こえる。見上げると、ぐったりするように手すりにもたれ掛かるビリーとロビンの二人がいた。

 

「なーんでオレこんな出番あるんですかねぇ……」

「うーん、貧乏クジ引いちゃったからじゃない?」

 

 だいぶ余裕が戻ってきたのか、もたれ掛かりつつも愚痴を言い合う二人。そんな空気の中でも、外ではまだ銃声が響いていた。

 ふと立香は、割れたガラスの近くまで、屈みながら駆け寄り、外を見る。

 

「せ、先輩っ?危ないですよっ。────あれは、スーツ姿の悪魔、でしょうか?」

「いいえ。あれは元は人間でありながら、悪魔を、いえ『憤怒』を信奉し続けた先の狂信者よ」

 

 いつの間にか後ろに居たアシュリーとフルーレティ。立香は驚くも、デールの姿が見えないことに不思議がる。

 そんな立香に、アシュリーが外を指差す。その方向を見ると、魔神柱としての姿を、キアラが使うようにして突き刺し、薙ぎ払っているデールの姿があった。

 

「己の不注意で侵入を許してしまった。ならば後始末を任せきりにするわけにもいかん。だって」

「そんな……、それは私達にも、悪魔という存在の本拠地で油断した私達にも責任が────」

 

 マシュの捲し立てるような台詞を遮るように、何かが壁を破壊して中へと飛ばされてくる。

 思わず身を屈めた立香が、晴れていく塵煙を見ていると、そこにはボロボロになったデールがいた。

 

「デール!?」

「来るな!そこから下がれ!!」

 

 血にも似た何かを吐き捨てながら、血相を変えて立香らに激を飛ばす。

 ふと、影がさす。立香が振り替えると、そこには、武器を振り上げる何者かの姿が────、

 

「いよっと──危ねッ!?」

 

 一瞬を縫ってロビンが駆け、立香を紙一重で助け出す。その質量の大きさ故にか、轟音と共に埃を撒き散らす。そこには、陥没したかのようになった床。

 立香がその相手を仰ぎ見る。

 

「え?ベルゼ、ビュート……?」

「違うッ!ソイツは奴の姿をマネた真っ赤な偽物っ!────『虚飾(ヴァニティ)』だッ!!」

 

 復帰したデールが鋭い蹴りをベルゼビュートの偽物の土手っ腹に入れる。だが、当たる直前にガードを取られ、更にはバックステップで威力も割かれてたために大してダメージは入れられなかった。

 身軽そうに空中で回転し、勢いをゆるめさせて着地する。肩に担ぐように持っていた槍が、パズルピースのように砕け、更には姿が溶け落ちるように変わっていく。

 

「ん~、なーんでバレるかなぁ~。やっぱ知り合いに化けると分かりやすい的な?ンフフフ、いいねぇ」

 

 嘲笑うかのような口調と、揺れるような動きでその正体を現していく。

 その後には、白黒の道化師のような仮面をつけた青年らしき者が残っていた。

 

「君が、『虚飾』……」

「そ!改めてましてぇー。僕の名前は『アザゼル』。『虚飾』のアザゼルさ。よろしくねー」

 

 薄気味の悪い笑みを浮かべるのを幻視する立香。溶けきった偽装は泥のように、その手には双振りの凶悪さを見せつける短剣。

 今、カルデアと黒幕たる悪魔が相対する。

 

 





アザゼルはまごうことなき強キャラです。二転三転して一貫性がないけど、その実めちゃめちゃ計算高いのが彼です。
あ、素顔は見せませんよ。再臨しても仮面取りませんから。


……期待してもダメですよ。取りませんよ。簡易霊装でもでませんからね!!
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