【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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最近更新遅れまくって本当に申し訳ない……。

色々と立て込むと後々に回しすぎて、ね…?



5-10 其は狂乱の兆し

 

 然したる反応を示すわけでもなく、ただ悠然と漂う『傲慢』と呼ばれた堕天使。静かに、しかし圧倒するほどの威風を放つ。

 慌てたように資料を読みあさり、あるページでその手を止めるダヴィンチ。

 

「『傲慢』の大罪悪魔──、つまり、君の真名は『ルシファー』なのか!」

 

 そんなダヴィンチの驚く声にすら反応を返すことなく、ルシファーはアザゼルを、上から見下しながらに佇んでいた。

 

「『憤怒』が呼んでいる。陽動(・・)は充分だ」

「あそうなの?もうちょっと時間かかっても良かったのになぁ~」

 

 ルシファーの台詞に、アザゼルは腕を頭の後ろで組むようにしてゆらゆらと揺れながら、さも膨れっ面を見せる子供のような反応をする、

 

「ちょっと待て、陽動だって?一体どういうことなんだい?」

「貴様ら無能共に言う義理はない。指を咥えて黙っていろ」

 

 にべもなくバッサリと切られるダヴィンチの質問。さらにはこちらを見向きもせず、まるで吐き捨てるかのように言うルシファー。

 そんな中、二階テラスより今まで迎撃に向かっていたリリスらが身を乗り出して現れる。

 

「ちょっと貴方達!私達の海になんてもの沈めてくれてたのよ!?」

『あんなもの入れておくなんて頭可笑しいんじゃないの!?』

 

 かなり憤慨した様子を見せる二人に、ルシファーは憮然としたまま、アザゼルは「言われてやんの」とばかりに笑っていた。

 

「ほらぁもー、言われてんじゃないのさ~」

「……ふん、たかだか"方舟"程度で喚くな」

 

 ルシファーの発っした"方舟"という言葉に、それまで何か考えているかのように静観していたホームズが、そして同じくしてボロボロになっている身体を休めて気をうかがっていたモリアーティが、まさかといった顔をする。

 

「"方舟"……いや、まさか。だが、そうなのだとすれば……っ」

「これは度肝を抜かれたネ……。"それ"がここにあったとは……ッ」

 

 戦慄するかのように汗を一筋。それを、今の今まで無視していたルシファーが、ようやく立香らをその目に映す。

 

「……ほう、少しは頭が回るネズミのようだ。そうだ、その"方舟"だ」

 

 薄らと笑みを浮かべて、ホームズ達の驚嘆に肯定の意を示すルシファー。

 立香はなんのことだかわからずに、ただホームズとルシファーの間を、視線を交互に向けるだけであった。

 

「ホームズ、"方舟"って……?」

 

 立香が問うことに対し、ホームズはただ瞑目するのみ。

 代わりに立香の問いに答えたのはモリアーティであった。

 

「……創世の時代、かつて世界が、神の怒りによって海に飲まれた頃。あらゆる生物を護るために造られたことで有名な"方舟"。────『ノアの方舟』、だネ?」

「あぁそうだ」

 

 モリアーティの答え合わせをするかのような答えに、ルシファーは依然として変わらない態度で肯定する。

『ノアの方舟』。その言葉を聞いたマシュやサーヴァント達は、驚きのあまり目を見開くものが多かった。

 

「聞いたことがあります!創世記に記される、大洪水を逃れるために造られた舟だとか。でも、それは創世記だけじゃなく……」

 

 マシュはそこで一旦句切ると、シャドウ・ボーダーの上で腕を組ながら仁王立ちし続けるギルガメッシュの方を向く。

 その顔には、まさしく「気に食わない」と言わんばかりの、不機嫌気味な仏頂面が張り付いていた。

 

「戯け、方舟ならば我の宝物庫にある。貴様のソレは紛い物だ」

「…………ふん、そこの無能に毒されたか、半端者の王よ」

 

 そう返してくるルシファーに、ギルガメッシュはさらに険を寄らせて不快感と怒りを顕にする。放つ威圧感は、それこそ戦闘中もかくやというほどであった。

 だが、それを涼しい顔で流すルシファーは、そこからさらに話を続けていく。

 

「確かに、方舟は世界各地にて逸話は散乱した。だが、真なる"方舟"──『ノアの方舟』はすでに神々により廃棄された。故に、それを我らが再利用しただけのことよ」

 

 そこまで言うと、それまで一言も発しなかったアザゼルが、宙に浮きながら胡座をかいて、ルシファーの台詞に続けていく。

 

「つ、ま、り。キミのとこの『方舟』は確かに原典だけど唯一じゃない。ケド、ボクらのとこの『方舟』はノアというただ一人が造り出した唯一のものってワケ」

 

 おちゃらけるような話し方と態度を、またしてもギルガメッシュの眉間が険しくなっていく。

 それを気にもせず、アザゼルはルシファーの近くまで飛んでいく。

 

「さてー、そんじゃま、様子見も済んだことですしー?そろそろ行きます、か」

「……そうだな。こうも無能が揃うと虫酸が走る」

 

 そう言って上を見上げるルシファー。

 それと同じくして影が差し上を見上げると、いつの間にやら純白かつ巨大極まりない"舟"のようなものが、重厚なかぜ鳴りを響かせながら現れた。

 

「なっ!?」「でかっ!?」「ぬぅっ!?」

 

 恐らくはあのティアマト以上もある大きさの舟へと翔び発つルシファーとアザゼル。その二人に向かって、デールが声を上げる。

 

「待てッ!!一体はお前達は『憤怒』と────あのビースト7とどこへ向かうつもりだッ!!」

 

 その発言に、一瞬驚きくような様子を見せたアザゼルだったが、次の瞬間、まるで面白可笑しくてたまらないと言った風に笑い出す。そして、彼は告げた。

 

「バッカだなぁ。まだ『ビースト7』だなんて誤情報信じてんの?あんなのウソウソ」

「なっ!?」

 

 アザゼルの発言に、よもや自分達が誤情報を掴まされていたということに驚くデール。

 だが、それ以上に驚かねばならないことが彼から発せられる。

 

「あれは最早『平等』に非ず。我らは"黙示の獣"を捕らえ、彼はそれを取り込んだ。故に、ビースト7なぞただのまやかし。其は全ての『憤慨』を代弁せし者。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『BEAST Ⅵ:忿怒』、なのサ」

 

 

 





―マテリアル更新―
真名:サタナエル
クラス:ビースト7→『BEAST Ⅵ』
原罪:『平等』→『忿怒』
推定スキル:ネガ・メサイア


ということで、ビースト7などただの飾りよ
(`・ω・´)ドヤァ。
「ビースト7ってなんか表記おかしくね?」と思ったそこの貴方、大正解(わざと)です(ニチャァ)。



ついでになりますが、皆様からのご感想と評価お待ちしております。まだまだ手習いですので、暖かい目とわずかばかりのご親切をわけて頂けると幸いです。

……何か忘れてることがままあるので、大事なことも教えて頂けると嬉しいです、はい。
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