【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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散々待たせたので二連続!

本章最後でござるよー!!



5-11 真なる敵

 

 怪我人の治療のために、いまだ船影の見える方舟を遠くに、立香達は館を走る。メガロスに変化していたとは言え、アザゼルの手によってダメージを負ったサーヴァント達を介抱していく。

 アシュリーは呪術に詳しい者達と協力し、呪を解いてけがを治しており、デールに至っては多少の残りは見られるものの、ほぼ完治していた。

 

「……よもや、この私が誤情報を掴まされていたとは……元魔神柱としては情けない限りだ」

「いやいや、あれは君だけのせいじゃないさ。アザゼルが変化していたメガロス。あれは霊基も同一になっていたからねぇ……」

 

 沈痛な表情でのたまうデールに、せめてもの慰めと言うばかりのフォローを入れるダヴィンチ。そしてそのダヴィンチの発言にホームズもまた頷いていた。

 そんな嵐が過ぎ去った後のような空気の中、未だ余力のある者達が立香を中心として集まっていた。

 

「それで、ここからどうしますか、マスター」

「追っかけるなら追っかけるで、あの図体ならすぐ追い付けると思うぜ?」

 

 アルトリアやアキレウスなど、立香に付き従う様々な面々が、あーでもないこーでもないと論議していた。

 そんな中、ふと転移してくる気配がして、全員がすぐさま警戒体制をとる。

 

「わぁっ!?ぼ、僕だよ!ベルフェゴールだよぅ!?」

 

 あまりの威圧感に、慌てるかのように声を上げる紺色のもっさり髪──ベルフェゴールが、その傍らに縛り上げられたメフィストを連れて現れた。

 

「テメェ!今の今までどこにいやがった!こっちは大変だったんだぞ!?」

「ひぃっ!?か、彼を探してたんだよ!?アザゼルに連れてかれてたみたいだし……」

 

 そう言って傍らのメフィストに、全員の視線が集まる。

 だがやはりというべきか、メフィストはいつも通り飄々として、

 

「いやぁ、ワタクシとしたことが、旧知の仲ということですっかり油断しておりましたぁー!このメフィスト、一生の不覚!!」

 

 と宣う始末。いつも通りすぎるその様子に、全員が呆れ返る。

 だが、ホームズやエルメロイⅡ世など、頭の冴える者達はメフィストに問いかける。

 

「彼らのとこにいたということは、それなりに情報も掴んでいるはずだね?」

「もっっちろんでございますよー!彼らの行き先は地上!漂白された地上でございます!!」

 

 縛り上げられたままハイなテンションで語っていくメフィスト。

 

「まず彼の御方々はワタクシ共が初めにおりましたでしょう、偽のカルデア跡地へ向かっておりますねぇ。なにやら、その上空は地上とこちらを隔てる境目が大変薄いそうでして。それを方舟で突き破って地上へと進行、かーらーのー、異聞帯侵略!だそうで!!」

 

 しまいにはアヒャヒャヒャと笑いはじめるメフィストを他所に、今聞いた情報から作戦をまとめていく。

 

「聞いた通りだ。ここで一番の問題点がどうやってあの方舟に追い付き、乗り込むかだが……」

「それについては私から」

 

 ホームズの前にエルメロイⅡ世が出てくる。

 一旦咳払いをすると、立香をはじめとしたサーヴァント達に向かって説明していく。

 

「実はベルフェゴール殿に、あの偽のカルデアの座標を記録、いわゆるマーキングをしておいてもらった。それ故、最終防衛ラインとしてあそこまで跳ぶことはできる。そうだね?」

「う、うん。言われた通り、座標は記憶してる、よ?」

 

 おどおどとしたながらも、エルメロイⅡ世の発言を肯定するベルフェゴール。

 それにエルメロイⅡ世は頷き、再び全員を眺める。

 

「作戦としては、始めにあの場所へと転移し、向かってくるであろう方舟の迎撃。然る後に乗り込み、方舟を墜とす。次点で『傲慢』の討伐、もしくは撃破と言ったところだ」

「おう坊主、空を飛べんやつはどうするのだ?」

 

 エルメロイⅡ世が提示する作戦内容に、イスカンダルが当然の疑問を聞く。

 エルメロイⅡ世は「ふむ」と呟くと、メガネをかけ直して答える。

 

「飛行できない者に関しては、飛行できるものがライダークラスであれば追従して乗せてもらう。定員割れした者に関しては地上にて船底部を攻撃、ないしは遊撃隊に回ってもらう。それでいいか?ライダー」

「応とも!我らに任せておけ!」

 

 イスカンダルは胸を張り、他のライダークラス含めサーヴァント達が任せろと言った風に気合いを入れる。

 それを一通り見て、エルメロイⅡ世は立香を見る。

 

「マスターである君は、自ずと激戦区である迫兵戦に入ることとなる。覚悟はいいかね?我らがマスター」

「もちろん!絶対に止めてみせる!」

 

 周りのサーヴァント達と同じく、立香の気合いも充分であった。そうして、立香達はどんどんと作戦を詰めていく。

 その様子を、アシュリーとデールら悪魔達が眺めていた。

 

「…………ふっ、やはり私の目に狂いはなかった。ゲーティアを打倒した彼らならば、必ず彼奴も討ち果たすだろう」

「……えぇ、そうね。光り輝いてるわ、彼。……妬けちゃいそうね、リーちゃんじゃないけれど」

 

 自重気味に笑みを溢すアシュリー。

 やがて、立香達が別れの挨拶を告げにくる。何も協力できないが、せめて武運を祈るくらいは許してもらおう。

 

「さて、では我らも今は体を休めるとしよう」

「そうね、いつか、そう遅くないうちに始まる決戦のためにも、ね」

 

 であれば我らは待とう。カルデアよ、必ず勝ちたまえ。我ら悪魔に、今度こそ平穏を────。

 




数が多いと書くの大変だよね。うp主は海底二万マイル持ってるのでネモ君紹介余裕ですね(フラグ)。

次はリリスとアスモデウス達の幕外とステータス用意しようかなと。
次の章は『傲慢』編。それ含め残り三章の予定です。
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