【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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リリスの回想話。

バイトの時間と眠気と闘いながらだったので、支離滅裂でもどうかご愛敬をば。



5-幕外-B 『嫉妬』の過去

 

『其は傲慢也』『其は無謀也』『其は嫉妬也』

『故に、其は不認也』

 

 どうして?どうして?私は、ただ愛した人と同じように扱って欲しかっただけなのに。私は、ただ『人』として扱って欲しかっただけなのに。どうして────。

 

 

 私は、『はじまりの人』の片割れ、『女性の人間』として神によって創られた。目が覚めて、神は私にこう言った。

 

『是。汝、はじまりの者。彼の者と共に居よ』

 

 次に現れたのは年若い、容姿の整った男性だった。

 

「よろしく、僕はアダムだ」

 

 そこから、私の『人生』が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇアダム」

「なんだい?リリス」

 

 私は、この自我を持ってから思ったことを、愛しい彼に告げる。

 

「私って、必要とされてないのかしら……」

「……どうしたんだい?」

 

 悲しい表情だったものだから、彼は心配してくれた。私は、そんな彼の優しさに耐えきれず、話すつもりのないことを正直に話してしまう。惚れた弱みというやつかしらね。

 

「私、あなたより杜撰に扱われている気がするの。貴方と私で、ようやく対等なのだと思っていたの……」

「そう…………」

 

 彼は悲しい顔をする。今思い返せば、これは私を憐れんだのかもしれないし、私が真実にたどり着く可能性を見て残念に思っていたのかもしれない。

 もう今となっては聞くことはできないのだけれども。

 

「……ねぇアダム。貴方は私を愛してる?」

「……あぁ、愛してるよ。リリス」

 

 ただその言葉だけが嬉しくて、ただその言葉の甘美さに酔いしれたくて、私は彼に甘えていたくて、彼といられるならば、どんなことでも乗り越えられると信じて。

 

 

 

 でも、そんな甘い夢はいつまでも続かなかった。

 私が抱いた疑念をどこから知ったのか、神が私をその御前に引っ張り出してきて、そこからはもうさっきのように否定され、そして糾弾された。

 

「ね、ねぇ……アダム?助けてよ……助けて……」

 

 愛しい彼の名を呼ぶ。でも、彼は来てくれなかった。

 

「アダム…………アダム……、助けて!助けに来てよ……"愛しい貴方(アダム)"ゥ……!!」

 

 

 その時、私は全てを察した。あぁ、救いなど、ひたすらな純愛など、存在しないのだと。私という存在は、認められないのだと。

 だから私は、愛しい貴方への愛と、寂寥と、そして目の前にいる、このわからず屋な"神様(クソッタレ)"に向かってありったけの怒りと呪詛を込めながら、その忌々しい名前を叫んだ。

 

「おのれ……おのれ……■■■■ェェェッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから私は、当時はまだ緑のあった紅海のほとりで一人で過ごしていた。

 愛しい彼も居らず、ただ一人、呆然と海を見て過ごす毎日だった。その時の私は、まるで脱け殻のようであっぢろう。

 そんな折に、あの愛しいアダムからの遣いでもきたという三人の天使達と出会う。上にいたころから、私を支えて色々な手助けをしてくれた三人が。彼らは口々にこう言った。

 

「■■■■様にアダム殿が直談判なされました」

「アダム殿は貴方の帰りを求めたのです。■■■■様はこれを不承不承ながらですが承ったのです」

「早く戻りましょう。じゃないと────私達はこの地上に産まれた子供達から100人、殺さなければならないのです……っ」

 

 思わず鼻で笑ってしまう。なにが早く戻れ、だ。どうせ戻ったところで今以上にひどい目に会うのが関の山。だから、戻るつもりなんてさらさらない。

 あぁでも、彼は納得しないだろうから、適当な理由でも立てておこう。そして、もう"ここ(地上)"には、二度と帰らないようにしよう。

 

「お断りよ。私は、これから生まれるであろう子供達を苦しめる者。殺すなら好きにしなさいな」

 

 毅然とするように見せて背を向ける。そして私は、自ら煉獄や魔界と繋がっている冥府の門へと足をすすめていく。

 その姿に、三人の天使達が驚く様子を浮かべているのがよくわかる。それはまるで、よもや自分から死への道を歩むとは思ってもいなかったからだと言わんばかりに。

 ふと、私は、さっきのだけではアダムが辛い顔をするだけだろうから、せめてもの置き土産を残す。

 

「──けど、ある三人の天使達の名前を記した護符付きの子は、見逃してあげましょうかしら」

 

 そう言い残して私は下へと降りた。振り返ることもせず、降りていく。下へ、下へ、もう二度と会うことのない愛しい彼を想いながれながら、降りていく────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから私は、あまねくサキュバス達からいつの間にか羨望を集めるようになっていき、それでも私は、胸に空いた空虚を埋めるなにかを探すため、魔界の方々をうろついていた。

 そんなある日のことだった。唯一無二の親友とも呼べる、"彼女"との出会いは。

 

『なによアンタ、そんな何か抜け落ちたみたいな顔して。辛気臭いわねぇ』

 

 かつていた場所を思い出すかのような海から、一匹の巨大な海蛇が顔を覗かせてきた。当時を思い返せば、あれはびっくりしてもおかしくなかったと思う。

 でも、愛しい彼を失ったことの喪失感から、私はただ彼女に愚痴を言っていた。そして黙って聞いていた彼女といつの間にか意気投合し、お互い愚痴を言い合う仲となった。

 

 いつしか魔界でも屈指の実力者と言われるようになっていき、『大罪悪魔』とさえ揶揄されるようになっていった。

 

「……ねぇレヴィ?」

『……なによリリン』

 

 こちらのたくらみ顔にいぶかしげに、それでいてまた何か考えてるのかと呆れた感じで返してくる、レヴィこと親友のレヴィアタン。

 そんな彼女の、いつもの冷たい視線をうけながらも私は続ける。

 

「貴方、私の代わりに大罪悪魔の席に座ってくれないかしら?」

『……一応聞くけど、理由は?』

「だって……彼に私が悪魔になった、なんて知られたくないもの……」

 

 彼に知られると思うと恥ずかしさと申し訳なさでもじもじしてしまう。そんな私を白い目で見ながら、レヴィは『あー、はいはいゴチソウサマ』と呆れ半分で返してくる。

 やがて嘆息して彼女な答える。

 

『いいわよ、やってあげる』

「い、いいのかし『ただし』ふぇ?」

 

 そこで一区切りつけると、レヴィアタンは真面目な顔つきになってこう言った。

 

『いい加減、その彼のことは忘れなさいよ。もう奥さんいるんでしょ?イヴ、だったかしら?』

「…………えぇ、そうね」

 

 その事実を再確認して、私はまたしても喪失感に襲われる。その様子をみたレヴィは、またため息をはいてから、『あと、会合には一緒に参加ね』と言って私をあたふたさせたのはいいお話。

 

 まぁ、それから紆余曲折あって、レヴィには苦笑いされたけど私も新しく好きな人ができて、今は楽しい悪魔ライフを送っているわ。

 全く、悪魔がいやしいだなんて、一体だれがいいはじめたのかしらねぇ。

 

 





※大罪コラム※
→悪魔である『レヴィアタン』と、龍である『リヴァイアサン』は全くの別物であり、呼び方を間違えると侮辱になるので注意しよう!!

→リリスの好きな人は言わずもがなベルゼビュートだゾ!!でもベルゼビュートは鈍感どころかむしろ"付き合いのいい異性の友人"としかみてないから、恋愛の進展はほとんどないゾ!!
でもたまに魅せる漢らしさや少女マンガじみたシチュエーションでリリスの好感度ばかり上がってるぞ!!どこの恋愛ゲーだろうな!!(なおそこから様々な女性達からも本人は気づいてないがモテてる。無自覚系イケメソチネ)

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