【完結済】Fate/Grand Order 煉獄魔境大罪記ゲヘナ/虚ろなる煉獄の聖杯【長編版】   作:朝霧=Uroboross

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七大罪達のセリフ聞きたいという方がいらっしゃって、なんか、何とも言えない嬉しさがありましたねw

方舟がでかすぎるって?神話からもうでかいのに今さらですよ。えぇ。


6-2 白兵戦 開始

 

 それは開戦前まで遡る────。

 

 

 

「さてと、それじゃあどうやってあの船を墜とすかから考えようか」

 

 フィニス・カルデアに見せられていた岩山まで、ベルフェゴールの転移によって戻ってきた一行。そこからダヴィンチちゃんの声によって作戦会議が始まった。

 とは言え、かのティアマトを優に越える大きさの方舟を、如何にして墜とすかなどすぐさま思い付くわけもなく、論議は始めから難航していた。

 

「あれを墜とすだけの火力は……用意できねぇわなぁ」

「「私(僕)の聖剣でもあれは厳しいですね(かな)」」

 

 各々の意見を述べるサーヴァント達。ふと気づいたかのように、イスカンダル大王がギルガメッシュに問う。

 

「ふんむ……なぁ英雄王よ。確かお主、ワシの固有結界を破壊する程の宝具を持っておらなんだか?」

「……戯け、"乖離剣(アレ)"は相応の相手にしか抜かんわ。そもそも、あの贋作を墜とす程ともなると、この世界自体破壊してしまいかねんぞ。死にたいならばそれでもかまわんがな」

「ボクのも、残念ながら墜とすには足りないと思うね。動きは止めれるだろうけど、多分墜とすことはできないと思う」

 

 半ば落胆したような反応のイスカンダルに、議論そっちのけで不機嫌さをあらわにするギルガメッシュ。

 そんな光景を傍目に、まだまだ議論は続いていた。

 ──だが、とある者の発現で、その議論は止まることとなる。

 

 

 

「ん~、船なら突っ込んで乗り込めばいいのでは?拙者"海賊"でござるし」

 

 

 

 

 静寂。全員がその声の主を見る。気だるそうにしていた声の主────黒ひげは、全員に一斉に見られたことで動揺していた。

 

「な、なんでござるか……。そんなに見られると拙者恥ずかちいでごz「それだ!!」……最後まで言わせて欲しいなー……」

 

 多少いじけてはいるが、まさしく的を射た発言であったことにダヴィンチは食いついた。

 そこからさらに作戦が組上がっていく。

 

「よし、よし……!組上がってきたぞ……!まず彼ら船を持つサーヴァント達で方舟に波状攻撃を加えていく」

「──そうか!その波状攻撃に気を取られているところでマスター達突撃隊を投入、というわけだな。……成る程、だがこれは賭けではないか?」

 

 エルメロイⅡ世の疑問に、ダヴィンチは指振りに合わせて舌を鳴らす。人によっては小馬鹿にしているようにも見えるが、ダヴィンチはそれで終わりではないとばかりに説明を加えていく。

 

「確かに賭けかもしれない。けれどね、これは成功する。なぜなら────────」

 

 

 

 

 

 

 

 

「グハッ!!」

「────なぜなら、敵は『傲慢』だから。まさしく的を射た指摘でした」

 

 立香のそばに、護衛のように立ち、向かってくる堕天使達を退けたワルキューレ三姉妹の一人、ヒルドがそう言う。

 さらに立香の前には、旗を持って薙ぎ払う二人──ジャンヌとジャンヌ・オルタが、片方は神妙な顔つきで、もう片方は狂喜として堕天使達を倒していた。

 

「ジャンヌ、大丈夫?」

「えぇ、ですが堕天したとはいえ天使を倒すのは幾らか気が引けますね……」

「はッ、聖女サマは大変ねぇ?まぁ?私は貴女と違って余裕で倒せるので、えぇ」

 

 気疲れしたようなジャンヌに、勝ち誇った笑みを見せつけるジャンヌ・オルタ。そこにもう一人人影──天草四郎が降り立つ。

 

「堕天したとしても、主の威光が衰えたというわけではありません。彼らにも、彼らなりの矜持があるのでしょう」

「当方もそう思う。彼らには、一種の覚悟を決めた者の気迫が感じられる」

 

 周囲の敵を片付けたシグルドも合流し、立香達は広い甲板の上を、艦橋(ブリッジ)に向かっていく。他にもサーヴァント達はいるが、甲板に降り立った際に甲板側と船内側の二手に別れている。

 とは言え、時折飛んで来る砲撃などを避けつつではあるので、あまり悠長にもしていられないのは事実であった。

 

「ブリュンヒルデさんやアビー達は大丈夫かなぁ……」

「案ずるな。当方の愛ならば問題ない。それよりも素早く艦橋を目指し、この舟を止めねばならん」

 

 ブリュンヒルデ、アビゲイル、ベディヴィエール、ロビンフッドなど、シグルド達の他に着いてきてくれたサーヴァント達は艦内の動力炉など要所を目指すために内部へと侵入していった。

 内部へと向かったサーヴァント達のことを心配しつつも、向かってくる堕天使達を蹴散らしていく立香達。と、そこに一人の堕天使が立ちふさがる。

 

「おのれ小癪な!!だがこの先へは行かせんぞ!そう!このバラキエ──「うおおおおお!!遅刻厳禁んんん!!とうっ!」ぐへぇ!?」

 

 颯爽と登場して名乗ろうとしていた堕天使を蹴り飛ばして、スタイリッシュな着地を決めたのは、謎のヒロインXX。しかも重装備バージョン。

 質量保存の法則でかなりの大打撃を受けたであろう堕天使と、それを全く気にせず額の汗を拭って駆け寄るXX。

 

「「「「バ、バラキエル様ぁぁぁぁぁ!!?」」」」

「ん?あれ?なんか私やっちゃいました?」

 

 周りの堕天使達が愕然とする中、渦中のXXは自分が何をしたかわからず、ただ何かしてしまったということだけはわかっていた。

 そんななんともいえない状況を、立香はただ──カオスだなぁ──と思いながら愛想笑いを浮かべるのみであった。

 

 





出落ちキャラと化したバラキエルパイセン!!

颯爽と登場したのにぞんざいな扱いされて、なお脚光を浴びる!そこにしびれる憧れるゥ!!

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